高校物理
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高校物理(こうこうぶつり)とは、日本の高等学校で教えられる範囲や内容の物理学のこと。現在の学習指導要領では物理I、物理IIがある。 特徴としては、物理現象の微積分を殆ど用いない範囲の定量的な計算や、自然現象等に対する科学的な観念を身につけるため物理の定性的な理解が上げられるように感じる。ただし学習範囲および内容は学習指導要領によって年々変化しているので、正確な内容は学習指導要領を参照のこと。
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[編集] 内容
高校物理で学習する内容は時代によって変化しているが概ね以下のような内容である。簡単な要約と関連公式を以下に示す。
[編集] ニュートン力学
- 位置、速度、加速度
- v = at + v0
- 運動法則
- 重力
(万有引力の法則)
(重力場)
- a = g(重力質量と慣性質量の等価性)
(落下)
- v = gt + v0
- Eφ = mgh(位置エネルギー)
- 等速円運動
- v = rω
- a = rω2
(周期)
- F = - kx(バネの力)
(バネのエネルギー)
(単振動の角速度)
(単振り子の角速度)
- 力学的保存量
- p = mv = ft(力積)
(運動量保存)
(運動エネルギー)
(力学エネルギー保存)
(仕事)
(仕事率、ワット)
[編集] 波動
- 波
- 横波: 振動方向と進行方向が直交
- 縦波: 振動方向と進行方向が同じ
- f = T − 1(周波数)
(波長)
- y = Asin(ωt − kx)
(干渉の振幅最大条件)
(干渉の振幅最小条件)
- 波の屈折と反射
- f1 = f2(媒体境界での周波数の連続)
(媒体境界での波長の変化)
(スネルの法則)
(相対的な屈折率)
- 固定端反射: 端で常に振幅0、反射波は位相逆転
- 開放端反射: 端で常に振幅最大、反射波は位相不変
- 音
(波長のドップラー効果)
(周波数のドップラー効果)
(うなり振動数)
(弦、両閉、両開気柱の振動モード)
(片開気柱の振動モード)
(弦の周波数)
- 光
- 屈折率は波長によって変化する
- 横波のため偏光が存在する
(絶対屈折率)
- sinθ > n12(全反射の条件)
- dsinθ = mλ(強めあう回折条件)
(弱めあう回折条件)
(真空中の光速)
[編集] 熱力学
- 理想気体
(圧力)
- E = PΔV(仕事)
(アボガドロ数)
- PV = nRT(ボイルシャルルの法則)
(熱エネルギー)
(分圧と全圧)
- 熱量と熱機関
(比熱)
(気体のモル比熱)
- ΔQ = ΔU + ΔW(熱エネルギー保存)
- CP − CV = R(定圧モル比熱と定積モル比熱の差)
(変換熱量とP-V図の面積)
[編集] 電磁気学
[編集] 静電気
R = | ∑ | Ri |
i |
(直列接続の合成則)
-
-
(並列接続の合成則)
(ホイートストンブリッジの平衡条件)
(消費電力)
- E = Pt = VIt(ジュールの法則)
- コンデンサ
- Q = CV(コンデンサの電気容量)
(コンデンサのエネルギー)
(平板コンデンサの容量)
(直列接続の合成則)
-
C = | ∑ | Ci |
i |
(並列接続の合成則)
-
-
- P = 0(コンデンサの消費電力)
- コイル
-
L = | ∑ | Li |
i |
(直列接続の合成則)
-
-
(並列接続の合成則)
- P = 0(コイルの消費電力)
-
[編集] 電磁気
- 交流回路
- V(t) = Vmaxsinωt(交流波形)
(実効電圧)
(実効電流)
(容量リアクタンス)
- RL = ωL(誘導リアクタンス)
(直列合成インピーダンス)
(変圧トランス)
(LC回路の共振条件)
- 磁気
- 磁極には N と S がある
(磁気のクーロンの法則)
(磁場)
(線電流の作る磁場)
(円電流の作る磁場)
- B = μH = μ0μrH(磁束密度)
- F = qvBsinθ(ローレンツ力)
- F = lIBsinθ(フレミングの法則)
- 電磁誘導
- Φ = BS(磁束)
(ファラデーの法則)
- V = lBvsinθ(誘導起電力)
[編集] 原子核物理学
- E = νλ − W0(光電効果)
- E = νλ(光子のエネルギー)
(光子の運動量)
- α崩壊: ヘリウム核(陽子2、中性子2)を放出
- β-崩壊: 中性子が陽子と電子に崩壊し電子を放出
- γ崩壊: きわめてエネルギーの高い光子を放出
- 核分裂: 原子核が二個以上の部分に分解しエネルギーを放出
- 核融合: 二個軽い原子核が融合しエネルギーを放出
- E0 = mc2(質量エネルギー)