騎手招待競走

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騎手招待競走（きしゅしょうたいきょうそう）とは、ある一つの競馬場・施行団体が、別の競馬場・施行団体に所属する騎手を招いて開催する競馬の競走の事である。

[編集] 概要

日本における競馬騎手の免許は中央競馬と地方競馬の2種類があり、中央競馬の免許を持つ騎手が地方競馬のレースで騎乗する事、逆に地方競馬の免許を持つ騎手が中央競馬のレースに騎乗する事は原則出来ない。地方競馬の中でも或るブロック（南関東、岩手など）に所属する騎手が別のブロックの競馬場でのレースに騎乗する事も原則出来ず、指定競走、交流競走、特別指定交流競走などのレースに出走する同じ競馬場所属の馬に騎乗する場合や、期間限定騎乗騎手になった場合のみ所属外の競馬場でも騎乗が出来る。また、外国騎手も遠征馬に騎乗する場合や短期免許が交付された場合のみしか、日本の競馬場では騎乗出来ない。

一方、騎手招待競走は、開催する競馬場が所属外の騎手を招待し、騎乗を特別に認める競走であり、招待された騎手が開催競馬場所属の騎手と共に優勝を争うレースである（騎乗する馬は、開催競馬場に所属している馬で、誰がどの馬に騎乗するかは抽選によって決定される）。

騎手招待競走の目的として、中央と地方・地方の各ブロックの交流を進める事や、普段は対戦する事の無い各競馬場、更には海外のトップジョッキー達の戦いをファンに楽しんでもらう事などがあげられる。

[編集] 日本の主な騎手招待競走

ワールドスーパージョッキーズシリーズ（1987年-・阪神競馬場）

略称WSJS。中央・地方競馬、更には欧州や北米、豪州の名ジョッキーが集まり、覇を争う。2日間で4競走を行い、各レースの順位に応じたポイントの合計で順位を決定する。

ワールドスーパージョッキーズシリーズ地方競馬代表騎手選定競走（2005年-）

ワールドスーパージョッキーズシリーズに出場する地方競馬代表を決定する競走で、各地方競馬場のトップジョッキーが凌ぎを削る。2競走を行い、各レースの順位に応じたポイントの合計で順位を決定する。2005年は園田競馬場にて1日2競走、2006年は第1ラウンドを盛岡競馬場で14名の騎手を招待し、2競走を行った。その上位12名によって第2ラウンドを園田競馬場で2競走行った。

佐々木竹見カップジョッキーズグランプリ（2003年-・川崎競馬場）

川崎が生んだ鉄人・佐々木竹見元騎手の偉業を称え、中央・地方のトップジョッキーが争う戦い。2競走行い、各レースの順位に応じたポイントの合計で順位を決定する。

ゴールデンジョッキーカップ（園田競馬場）

中央・地方競馬で2000勝以上の名ジョッキー達による戦い。3競走行い、各レースの順位に応じたポイントの合計で順位を決定する。

全日本レディース招待（2004年-・荒尾競馬場）

中央・地方の女性騎手が一堂に会し、華麗な戦いを見せる。2競走行い、各レースの順位に応じたポイントの合計で順位を決定する。2006年は後述のレディースジョッキーズシリーズに組み込まれた（レディース招待単独の優勝も別途決定）。なお、女性騎手の招待競走は昔から行われており、古くはインターナショナルクイーンジョッキーシリーズや中津競馬場の卑弥呼杯、新潟競馬場の駒子賞などがある。

レディースジョッキーズシリーズ（2006年・荒尾競馬場、高知競馬場、名古屋競馬場）

地方競馬の女性騎手10名によるシリーズ戦。第1ラウンドは前述の全日本レディース招待の2競走が組み込まれ、中央の女性騎手2名を除いた成績で、第2ラウンドは高知競馬場で2競走、第3ラウンドは名古屋競馬場で2競走の計6競走のポイントによって勝敗を決める。なお、荒尾競馬場には岩永千秋、高知競馬場には別府真衣と森井美香、名古屋競馬場には宮下瞳と山本茜と施行される3競馬場にはいずれも女性騎手が所属している。

スタージョッキー交流（福山競馬場）

高知、佐賀、荒尾、兵庫などの西日本の地方競馬のトップジョッキーが、福山の上位騎手と優勝を争う。1競走で順位を決定する一発勝負。

M&Kジョッキーズカップ（盛岡競馬場、佐賀競馬場、荒尾競馬場）

Mは「みちのく（岩手）」、Kは「九州」の事を指し、岩手競馬と九州競馬に所属する騎手が腕比べをする。内容は複数回競走を行い、合計ポイントで順位を決定する場合の他、順位を決定しない場合もあり、毎回微妙に異なる。

全日本新人王争覇戦（高知競馬場）

中央・地方競馬の若手（デビュー2,3年以内・年、所属によって異なる）が集まり、騎手新人王を決定する戦い。1競走で順位を決定する一発勝負。

以上に挙げた競走の他にも、「九州里帰りジョッキーズカップ（佐賀競馬場）」、「全日本リーディングジョッキーズシリーズ（大井競馬場）」、「名古屋ジョッキーグランプリ（名古屋競馬場）」などの騎手招待競走がある。

[編集] 現在施行されていない競走

インターナショナルジョッキーズ（1988年-1999年・東京競馬場）

ジャパンカップが施行される週に、同競走に騎乗する外国人騎手を対象に合計2競走施行された。1987年以前は指定された競走に外国人騎手が騎乗できた。

ヤングジョッキーズワールドチャンピオンシップ（1992年-1996年・中山競馬場）

韓国騎手招待（1995年-1997年・中山競馬場）

韓国馬事会杯が施行される当日に、韓国から騎手を招いて1日に2競走施行された。1995年の第2戦ではパク・テージョン騎手がキクノシンザンに騎乗し2着に入った。

アジアジョッキーズ（1996年-1999年・中京競馬場）

アジアウィークが施行される週に、アジア各国から騎手を招いて合計2競走（1996年・1999年は土・日曜各1競走、1997年-1998年は1日2競走）施行された。

インターナショナルジャンプジョッキーズ（1999年・中山競馬場）

障害競走に騎乗する外国人騎手を招待して施行された。1999年4月3日に阪神競馬場で第1戦、翌4日に中山競馬場で第2戦が施行される予定であったが、厩務員ストライキの影響で阪神競馬場での競走は中止となり、中山競馬場での競走のみ施行された。なお1998年以前にも海外の障害騎手を招待しておこなう競走が行われていた。