霊名日
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霊名日(れいめいび)とはキリスト教カトリックの伝統において自らの洗礼名の聖人の祝い日(記念日)のこと。(なお、東方正教会の個人の守護聖人の記念については聖名祝日の項を参考のこと。)
[編集] 概説
キリスト教では伝統的に洗礼を受けるときに、ある聖人にちなんだ洗礼名を受ける習慣がある。伝統的なカトリック教徒は誕生日と共に自らの霊名日も祝ってきた。(地域によっては生まれた日が祝い日にあたる聖人を洗礼名にするところもある。)通常、聖人の祝い日はその聖人の亡くなった日である。カトリック教会で洗礼名に用いられる「聖人」の中には、聖母マリアやミカエル、ラファエル、ガブリエルといった天使も含まれるが、イエス・キリストと旧約聖書に現れる人名は霊名(洗礼名)には用いられないのが普通である。
カトリックでは、かつて一年三百六十五日のすべてに聖人の祝い日が入っていたが、第2ヴァティカン公会議後の典礼の見直しの中で、実在性に疑問のある聖人を典礼暦から外す、四旬節には基本的に聖人の祝いをいれないなどの修正が行われた。これは20世紀になってカトリック教会が守ってきた教えを勝手に変えたという意味ではなく、中世ヨーロッパの文化という特殊な状況の中でキリスト教に付加されていった伝統を見直し、古代キリスト教のあるべき姿に戻すという意味づけがあった。
宗教改革の時代にプロテスタントを取り入れながらも、カトリックの伝統文化を残していた北欧の国々(フィンランドやスウェーデンなど)では今でも三百六十五日すべてに対応する聖人が入った典礼暦を残しているところもある。
なお、11月1日に祝われる諸聖人の日は決して忘れられた聖人のためのものではなく、天国にいるすべてのものを聖人として祝う日である。