関東上流江戸桜
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関東上流江戸桜(かんとうじょうりゅうえどざくら)とは、以下の大学群の総称である。
※上記大学に東京国際大学、東京経済大学(この2大学が含まれているという説を採る場合には関東学園大学が関、2大学のいずれかが東となる)、関東学院大学も含まれるとする見解もある。ただし、バブル期の文献を調査すると多くは上記5大学であり、それ以外は一部で使用されているに過ぎないため、俗説あるいはスラングであった可能性が高い。
概要
これらの大学は、1980年代のバブル経済で各家庭の経済的余裕が生まれて私立大学志向が強まり、地方高校からの首都圏私立大学への進学熱も高まった時期に実学を重視したカリキュラム編成で注目を集めた。その後団塊ジュニア世代には受験人口が増加し、これらの大学に対する注目がさらに上昇、急速に受験生を集めるようになった。このため、大東亜帝国に次ぐ新興勢力として、まずマスメディアにおいて用いられるようになり、さらに派生する形で大学受験産業にも登場した。
しかし、実学重視のカリキュラム編成を実施する大学が多くなり、この大学群を形成する大学のみの特徴ではなくなったため、マスメディアには登場することも少なくなった。
共通点
前述のように、この大学群は実学指向という同一の特徴を持っていることが理由でまとめられたものであり、大学間の交流はほぼ皆無である。ただ大学間の共通点としては以下の点が考えられる。
- これらのカテゴリーに属する大学の開学時期は、昭和40年代(ただし、東京経済大学と関東学院大学は昭和24年)であり、いわゆる、団塊の世代が大学受験期に差し掛かる時期に、国の高等教育拡大の方針と相俟って設立された。
- これらの大学に共通するのは実学志向である。他の有名大学と比べ、創設当時は伝統や実績の面で蓄積がなかったこれらの大学は、独自性を打ち出すため、卒業生が実業の世界で活躍する事を前提とした、実学教育重視の姿勢を早くから採用した。具体的には、実業界から多くの教員・客員教員を招き寄附講座を多く開設したことや資格取得の課外講座を設置して実業の世界で即戦力となる、簿記・語学・情報関連など、実務的な資格取得を学生に奨励した事があげられる。大学を教育と研究の場と捉えていた当時の大学界からは、大学の専門学校化・研究機関である大学の本来の目的から離れた安易な教育などと批判の目で見られる事も少なくなかったが、こうした実学志向が、高い就職率やいわゆる有名企業に内定者を出すなど、主に就職の面で実績をあげ、受験者の獲得に成功したことで急速に受験者数を増やした。
- この大学群は、都心からやや距離を置いた小規模大学であるという共通点を持っている。大都市圏の出身者にとっては、首都圏郊外に立地する大学への進学については敬遠する向きもあった。しかし地方出身者にとっては、むしろ都心の大学よりも馴染みやすい環境であり、また少し足を伸ばせば都心に出ることも可能ということで、人気を博していた。これらの大学の人気は、地方出身者が支えていたという側面もあった。
関連項目
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