研究
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研究 (けんきゅう) とは、ある特定の物事について、(1)人間の知識を集めて考察し、(2)実験、観察、調査などを通して調べて、その物事についての事実を深く追求する一連の過程のことである。語義としては「研ぎ澄まし究めること」の意。
上記のうち、(1)のタイプの研究は英語ではstudyに相当し、人文学系の研究の多くがこれにあたる。このタイプの研究をする人は、学者(student; scholar)と呼ばれることが多い。一方、(2)のタイプの研究は英語ではresearchに相当し、科学的研究がこれにあたる。このタイプの研究をする人は、学者というよりも研究者(researcher)・科学者(scientist)と呼ぶ方が適している。日本語では、これら2つの異なる知的活動がどちらも同じ「研究」と呼ばれるため、誤解と混乱を引き起こしている。
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[編集] 研究成果の新規性と公表
研究の目的は突き詰めれば、新しい事実や解釈の発見である。それゆえ、研究の遂行者は、得られた研究成果が「新しい事実や解釈の発見」であることを証明するために、それが先行研究によってまだ解明されていないことも示す必要がある。また、自身の研究成果が新しい発見であることを他の研究者によって認めてもらうためには、学会などにおいて研究成果を公表しなければならない。どんなに優れた研究成果が得られても、それが他の研究者によってすでに明らかにされていたとすれば、それは研究とは認められない。そのため、公表されない研究はどんなに優れた発見がなされていても、研究ではない。
[編集] 基礎研究と応用研究
厳密に区分することはできないが、研究には基礎研究と応用研究の2つがある。
基礎研究は、純粋研究とも呼ばれ、理論や知識の進展を目的にしている。その出発点は知的好奇心であり、研究成果を何かの役に立てることが目指されているわけではない。それに対し、応用研究は具体的な問題の解決を目指すことが出発点であり、産業や社会の発展のために行われる。
[編集] 研究の過程
一般的に研究は、一定の構造的な過程がある。考察の段階は、時間がかけられる。次に示す過程は、多くの基礎研究、応用研究双方における一般的なものである。ただし人文系の文献研究などでは、主題の決定が可能になるまでに一定数の文献を読むことが求められ、そのなかから想定された仮説が主題化され、さらにそれを補強するために関連文献を収集するなど、研究の現場では必ずしもこれらの要素が直線的に現れるわけではなく、各段階を循環することも珍しくない。
[編集] さまざまな研究
- 共同研究
- 個人研究
- 卒業研究