貞操帯
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貞操帯 (ていそうたい、Chastity Belt)は、装着者の性交や自慰を防ぐ施錠装置つきの下着。女性用が有名だが男性用もある。また、強制的に装着させられる場合と、自発的に装着する場合がある。
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[編集] 歴史
そのルーツは、十字軍に従軍する兵士が、妻や恋人の貞操を守るために装着させた事から始まるとの説があるが、定かではない。この場合外征する兵士が身持ちの悪い妻を管理するのが目的とする説と、女性が自身を暴漢から守るために装着したとする説もある。
性交そのものを防ぐ、究極の避妊具である。拷問や刑罰として使用された事もあり、西洋の博物館等には実物が残されている。
最近では主としてSMに利用する道具の一つとして販売・利用されており、そうした目的で作られた貞操帯は本来の貞操を守るという目的を逸脱し、装着者を辱めることが主目的となっている場合も少なくない。
[編集] 構造
貞操を守るという目的の為、旧来から多くは金属製で外部からの破壊に強い素材が選ばれたと考えられる。最近では皮革や、プラスチック系素材を利用したものもある。
通常、下半身に着ける下着形で着脱を封じる為の施錠装置がついている。服の上から身に着ける場合もあるが、通常直接肌の上に着け堅い物質で覆うことで目的を達成しようとする。通常の下着との相違点は施錠装置や素材のみでなく、長期間身につけることを想定し排泄用の小さい穴が開けられているものも多い。
穴の大きさは貞操帯によって異なるが、数ミリサイズの小さな穴の場合ものや、比較的大きな穴に内側に棘などが突きだしていたり網がかけられているもの、穴を塞ぐ部品を異なる施錠系統で止めるもの等がある。また男性用の貞操帯は性器を覆うための特殊な構造をもつ場合がある。
[編集] 現代の貞操帯
現代は貞操帯はアダルトグッズ店や、貞操帯メーカーで販売されている。アダルトグッズとして売られている貞操帯は多くがゴム又は革製。採寸の必要なプラスチックや金属製のものはメーカーでのみ取り扱われている場合が多い。
金属製の貞操帯は、トーリーボーイ社、Neosteel社製のものが有名で価格は日本円に換算して10万円前後で国内でも入手可能。購入の際には身体のサイズを細かく採寸して送る必要があり特定個人専用のオーダーメイド品となる。日本人が購入を検討する場合には欧米人との体格の差に注意する必要がある。
現代では貞操帯の需要は女性用よりも男性用が多いことから、貞操帯メーカーでは構造的に複雑になりやすい男性用貞操帯を競って開発し販売をしている。また趣向として貞操帯が用いられる現代では堅牢性のみならず着心地感や、長期間連続着用可能であることをアピールした製品が多い。
[編集] 衛生面
衛生的に問題があるとする説もある。
[編集] 貞操管理
貞操帯は現代では基本として、自らの意志で装着することになる(他者に無理矢理装着させるのは犯罪行為に当たる)。
しかしながら現代では貞操帯は、望まぬ性交から身を守るという用途のみで使われることは希で、装着者が自ら自慰や性交の自由を奪われることを目的として使われることが多い。単独で貞操帯を着用する場合と、他人に貞操帯の鍵を渡し管理して貰う場合がある。
[編集] 施錠機構
貞操帯に用いられる施錠機構は通常外部鍵による施錠で、シリンダー錠や南京錠などが用いられる。施錠されることで貞操帯は、身体から取り外すことが困難になるが、これは身体の痛みを感じたり病気などの時にも外せないことを意味し安全面で問題がある。特に後述するように性具を取り付けている場合などは深刻な問題である。
そこで装着者が緊急時に外すことが可能なように、使い捨ての破壊鍵による簡易的な施錠方法が可能な場合がある。この場合、破壊鍵には通常一意な記号を振り、鍵を交換したことが分かるようにしてある。
[編集] 男性用の特殊な構造
男性用貞操帯は、男性の陰部の形状により単に覆うだけではなく特殊な構造を持っているものがある。
男性は陰茎への刺激で自慰を行う為、これを阻害する為、陰茎の全体または一部を金属の管状のもの(ペニスチューブ)の内側に挿入し、貞操帯に下向きに固定するのが一般的。ペニスチューブから陰茎を抜き取れないように貞操帯全体で根本から押さえつけるといったようなようにして陰茎を外界から隔離する。
この構造ゆえに、座位あるいはしゃがんだうえで、排泄を行わなければならない。
[編集] オプション
貞操帯には装着者を辱める為に、男性器を模した張型を内側や外側に取り付ける場合がある。この用途は意外に多く大抵の貞操帯メーカーでは内側に取り付ける性具をオプションとして販売しているほどだ。
装着者を責め立てる為、貞操帯の内側、装着時に女性器や肛門に挿入される位置に性具が取り付けられたり、貞操帯を装着したまま女性と性行為を行う為のものが陰茎が本来ある位置に取り付けられたりする。