豚丼
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豚丼(ぶたどん)とは、豚肉を調理したものをどんぶりのご飯の上に乗せた丼物。
[編集] 北海道の豚丼
まだ現在ほど酪農が盛んではなかった戦前の北海道では、牛ではなく養豚が盛んだった。 また一方で北海道開拓の多くを人力に依存したため、開拓民の体力の低下が著しく北海道の食材には、地元産のテンサイを隠し味にした甘いものが多い。豚丼は北海道開拓の明治開拓時代に既に一般的に食べられていた。特に網走・北見地方では、豚ホルモン焼きも同時期に食べられるようになった。
北海道の郷土料理の豚丼は、ブタロースなど豚肉を焼いて砂糖醤油味の甘辛いタレで味付けしたものを具とした丼物である。道東に広く食されている。
帯広観光コンベンション協会、帯広シティーケーブルなどによれば、十勝地方に特有のこの種の豚丼は、北海道帯広市の大衆食堂「ぱんちょう」(店名は中国語の「飯所」に由来する)創業者、阿部秀司によって1933年に開発されたものとされているが、これは豚丼そのものを開発したということではなく美味しい豚丼を開発したという意味である。
十勝地方の郷土料理として定着しているが、北海道の各地方に様々な豚丼がある。店によって白髪ネギ、グリーンピースなど、肉以外に乗せる具にはバリエーションがある。
[編集] 牛丼チェーンの豚丼
![牛丼チェーンが販売する豚丼(すき家)](../../../upload/shared/thumb/f/fa/Butadon_Sukiya.jpg/240px-Butadon_Sukiya.jpg)
牛丼チェーンが販売する豚丼(すき家)
2003年12月のアメリカBSE問題による牛肉の調達困難を受けて牛丼チェーン各社が相次いで牛丼の代わりに導入した豚こまぎれ肉をすき焼き風に味付けした丼物を総称して豚丼と呼ぶ。各社での呼び方には、「豚丼(ぶたどん)」(吉野家)、「豚めし(ぶためし)」(松屋)、「豚丼(とんどん)」(すき家)、「豚どんぶり」(なか卯)と少しずつ違う。