警察不祥事
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警察不祥事(けいさつふしょうじ)とは、警察として好ましくない事件を起こすことや警察としてよくない事件を起こすことを謂う。
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[編集] 警察の不祥事
警察の不祥事には、
等がある。
[編集] 主な不祥事
これらのうちで、最も問題となるのは警察組織すべてが関わっているとみられている捜査報償費の私的流用等に代表される裏金・不正経理問題がある。
- 1978年1月 - 世田谷区での警視庁の制服警官による女子大生強姦殺人事件(土田國保警視総監が引責辞任)
- 1986年11月 - 日本共産党幹部宅盗聴事件
- 1988年2月 - 大阪府警警察官ネコババ事件(交番に拾得物として届けられた多額の現金を勤務中の警官が横領、“紛失”が騒ぎになったために届出者に罪を着せようとした)
- 1999年9月 - 神奈川県警の一連の不祥事揉み消し(警ら隊内で行われたリンチや押収品を利用した女子大生に対する恐喝他多数)
- 1999年10月 - 桶川ストーカー殺人事件
- 1999年12月 - 栃木リンチ殺人事件
- 2001年 - 奈良県警の奈良佐川急便事件
- 2004年 - 一連の不正経理、いわゆる裏金事件
- 2005年 - 札幌地裁が判決で認定した旭川中央警察署の組織的な不正経理問題を北海道警察が事実と認める。
- 2006年6月 - 警視庁、世田谷区内でのひき逃げ事件で、神奈川県の男性を誤認逮捕、10か月も不当に勾留していた事が発覚。
- 2006年10月 - 佐賀県警察の巡査部長が2004年11月、夜道で警察手帳を提示せずに、帰宅途中の女子中学生に“職務質問”、不審者と勘違いして逃げ出したこの中学生を追い回していた事が判明。中学生はPTSDで夜道を歩けなくなり、この巡査部長を提訴。
- 2006年11月 - 警視庁公安部、「節約生活のススメ」で知られる山崎えり子を公正証書等原本不実記載及び行使(別人の戸籍を使った婚姻届提出)で2005年11月に逮捕するも、当人をオウム真理教の菊地直子と誤認していた事が判明。
[編集] 対処
不祥事事件の際は、各都道府県警察本部の警務部にある監察官室が速やかに事態収拾を図る。当該警察官に懲戒処分の可能性がある場合、監察官と部下にあたる監察席付調査官で構成された班員で事実関係を調査する。この時点で監察事案となり、調査中は機密扱いとなる。
処分については調査内容を元に、内部の幹部で行う懲戒審査委員会と、公安委員が呼ばれる会議が行われ、その上で警察庁に上げ、処分にばらつきが出ない様に全国の警察での懲戒処分との調整を行い処罰を決定する。この警察官の懲戒処分については「懲戒処分の指針」である程度決まっている。
しかし、警察官の不正を調査する立場である監察官自らが不祥事を起こす事件も発生している。また、監察自体が警察の内部機構であり、監察官自体も内部の警察官であるために絶対に不祥事を起こさないとは言えない上に、不祥事を起こした当該警察官と知り合いである可能性も少なくはない。監察官も通常の事件捜査と同様3人一組等の班員と共に行動をするが、これも通常の警察業務と同じで、監察官が最も高い階級であり、次いで監察調査官である班員は警部・警部補と階級が下であるが故に監察官に最も裁量権が与えられており、監察官自身が不祥事や不正を犯した場合、それを関知する事は難しい。
[編集] 発砲事件
警察官の武器使用は警察官職務執行法に規定があり、武器使用自体が不祥事というわけではない。
ただし、警察官職務執行法に定められた要件を守らずに発砲を行うという不適正な武器の使用については当然不祥事と扱われることとなる。