苻生
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苻生（ふせい、335年? － 357年）は、五胡十六国時代の前秦の第2代皇帝。（在位：355年－357年）諡号は厲王。または廃帝生。字は長生。苻洪の孫で初代皇帝・苻健（高祖）の第三子である。次兄は夭折したという。彼は生来、眇（=びょう、片目が極端に小さいこと）のために、祖父の苻洪から｢わが家に隻眼のような容貌を持った子はまことに遺憾で不吉だ！将来の禍を断つために殺すべきであろう！！｣と叫んだ。ところが苻洪の庶子で苻生の叔父の苻雄（苻堅の父）が祖父を制止して｢まあまあ、お父上…長生はまだ子供です。どうか穏便に…｣と宥めたために事は収まったという。だが、成長した苻生が些細な過度で祖父から｢お前は苻家の鬼っ子だ。お前のようなやつはこうしてくれるわ！｣と脊髄に鞭を打たれて、苻生は祖父から散々な目に遭って退出したという。以来、彼は叔父の苻雄から幼い頃の話を聞いて、祖父に対して激しい憎悪を覚えたという。
成長して、越王に封ぜられる。後に長兄で太子の苻萇が東晋の桓温と戦って、全身に流れ矢を浴びられて戦死を遂げると、彼が代わりに太子となった。やがて、父が亡くなると即位するが彼は恐るべき暴君だったという。それは少年時代に祖父に虐待されたことと関係があったのか、やがて苻生は暴政を行なって乱行を繰り返した。また、そのために自分の隻眼のことを触れる大臣が出て来ると、これを処刑したという。暴君に大いに怨満を持つ大臣一派が彼の従弟である苻法・苻堅兄弟（叔父・苻雄の子）を擁立した。そのために暴君の符生は結局、無惨に殺害されたという。
