膣外射精
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膣外射精(ちつがいしゃせい)は、性行為において性的パートナーの膣内以外に射精する行為を指す。
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[編集] 概要
俗説では最も簡便な避妊法といわれていたもの。性交を生殖のためではなく性感を得るために行なう場合は、避妊をする必要が出てくる場合がある。これには、男性が射精した精液を膣内に放出しなければ良いので、射精が近づいたときにペニスを膣から引き抜き、膣以外のところで射精することで妊娠のリスクを下げる、とした。歴史的には大変古く、聖書にもこの行為が記述されている(オナニー#語源参照)。日本語俗称では「外出し」と呼ばれる。膣外射精は性器を直接結合することを前提とするため、性感染症を防ぐことはできないため(特にHIV感染リスク軽減のためにも)にコンドームの使用が世界的に推奨されている。
膣外射精は、「大きく射精する前にわずかにペニス先端から漏れる精液による妊娠確率が高く、避妊法としては認められない」と主張する人が多いが、Emony大学の調査によれば、PI4-19である。これは典型的には年19%、正しく用いた場合で年4%の失敗率があることを意味する(コンドームはPI3-14であるので、若干避妊効果が劣る)。また、精液でなくてもペニスから出るカウパー腺液の中にも精子は存在するため、やはり避妊方法としては効果は薄い。
絶対に避妊を行わなければならない事情がある夫婦やカップルには推奨される避妊法ではないが、妊娠を許容できる夫婦やカップルにおいては互いの快感を減じるコンドームを使わない簡易的な避妊法として認識されている。
なお、性交シーンが詳しく描写される場合、男性向けの作品(成年コミック、アダルトゲームなど)では避妊法との誤解の元に膣外射精が描かれることが多い他、しばしば膣外射精で性交相手の体に精液を振りかける描写がなされており、アダルトゲームにおいては膣内射精(いわゆる中出し)とのプレイヤーの二者択一になっている場合が多い。逆に女性向けの作品(レディースコミック、ハイティーン向け少女漫画)ではコンドームの使用が描かれる傾向が強い。
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[編集] 部位による俗語別称
[編集] 胸射
胸射(むねしゃ)とは男性が相手の胸に射精すること。アダルトビデオで1ジャンルとなった顔に射精する行為を示す顔面射精、俗に顔射から派生して生まれたスラング(隠語)。
射精が近づいたときにペニスを膣から引き抜き、そのまま相手の胸の谷間から顔に向けて射精する行為を指す。アダルトビデオでは顔面射精のように性行為のフィニッシュとして行なわれる場合もあり、必ずしも胸による刺激(パイズリ)は不可欠ではない。精液そのものは日本ビデオ倫理協会による修正対象とはならないために、エロティシズムを演出する手法として用いられている。また射精された精液を胸に塗布する行為も付属して行なわれることがある。いわゆる胸フェティシズムに好まれる射精行為であり、アダルトビデオや成人向け雑誌での射精場面でもよく見られる。 実際には、女性にとって得られる快感は少なく男性の一方的な性行為であり倒錯した性的嗜好と言える。
[編集] 尻射
尻射(しりしゃ)とは男性が相手の尻に射精すること。ケツ射ともいう。いずれも通用する範囲は狭いスラング(隠語)。
一般の性行為では、後背位または後背立位、まれに背面騎乗位で性交し、射精直前に男性が陰茎を膣や肛門から引き抜き、そのまま相手の尻に向けて射精する行為である。避妊を目的とした膣外射精の一形態でもあるが、避妊効果は薄い(膣外射精を参照のこと)。避妊を考慮しなくてよい肛門性交時にはあまり行われない。
アダルトビデオなど性風俗メディアにおいてはいわゆる尻フェティシストや後背位愛好者に好まれる射精行為であり、一方で修正されやすい性器付近での射精を避け、ユーザーに本番行為をしたとアピールできる演出方法である。成人向け雑誌、成人向け漫画での射精場面でも散見される。男性にとっては性交時の体勢をほとんど変えることなく射精できるため面倒な行為ではなく、相手にとっても避妊効果がないことを除けば、顔射や口内射精と比較すると嫌がられない行為といえる。
[編集] 腹射
腹射(ふくしゃ)とは男性が相手の下腹部に射精すること。ハラ射ともいう。いずれも通用する範囲は狭いスラング(隠語)。 主に正常位で性交し、射精直前に男性が陰茎を膣や肛門から引き抜き、そのまま相手の腹に向けて射精する行為である。避妊を目的とした膣外射精の一形態でもあるが、避妊効果は薄い。避妊を考慮しなくてよい肛門性交時にはあまり行われない。
アダルトビデオなど性風俗メディアにおいては修正されやすい性器付近での射精を避け、ユーザーに本番行為をしたとアピールできる演出方法である。成人向け雑誌、成人向け漫画での射精場面でも散見される。男性にとっては性交時の体勢をほとんど変えることなく射精できるため面倒な行為ではなく、相手にとっても避妊効果がないことを除けば、顔射や口内射精と比較すると嫌がられない行為といえる。