織田信恒

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織田信恒（おだのぶつね、明治22年（1889年）8月3日 - 昭和42年（1967年）5月20日）は、昭和期の貴族院議員、子爵。また漫画作家、織田小星（おだしょうせい）として、漫画「正チャンの冒険」の原案・文を作った。初名は秀胤。

明治22年（1889年）8月3日、旧陸奥国中村藩主相馬誠胤子爵の長男として東京に生まれる。生母は東明氏。明治28年（1895年）6月旧出羽国天童藩主織田信敏子爵の養嗣子となる。明治34年（1901年）7月1日養父信敏の死去により、家督を相続する。大正4年（1915年）京都帝国大学法科大学政治科を卒業して、日本銀行に入行した。日銀の業務で欧米や中国を旅行するが、特にヨーロッパ漫遊中に目にした子供新聞や子供雑誌に影響を受ける。

帰国後、日銀を退職し、大正11年（1922年）朝日新聞社に入社する。巌谷小波とかねてより温めていた子供新聞発行について相談し、岩谷の紹介で大正12年（1923年）アサヒグラフ局員となり、日刊アサヒグラフの子供ページ欄を担当することになる。そこで企画したのが「正チャンの冒険」で、自ら原作と文章を担当した。挿絵には樺島勝一を起用して連載が開始された。「正チャンの冒険」は、ふきだしを最初に採用した漫画であり、主人公がかぶっていた「正チャン帽」は大流行した。

昭和3年（1928年）貴族院議員となる。貴族院では研究会に所属し昭和22年（1947年）の貴族院廃止まで務めた。外務参与官や農林政務次官の他、静岡電鉄社長、NHK理事などを歴任した。戦後、内閣の（旧）観光事業審議会委員、京浜急行電鉄取締役・監査役、京浜自動車工業社長などを歴任。また、川崎さいか屋取締役、財団法人安達峰一郎記念館理事長なども務めた。昭和42年（1967年）5月20日死去。享年77。勲二等瑞宝章。