秩父鉄道3000形電車
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3000形電車(3000がたでんしゃ)は、秩父鉄道の急行列車用の電車であった。
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[編集] 概要
秩父鉄道では、急行列車用車両として自社発注の300形を使用して来たが、車両自体の老朽化が激しい上に冷房化ができないため、乗客サービス上で難点を抱えていた。そこで、300形の置き換えを計画した。
当初は京阪電気鉄道3000系の導入を目指していたが、先頭車が既に富山地方鉄道や大井川鐵道に相当数が譲渡されており、所要数の確保ができなくなったため断念した。その代替として東日本旅客鉄道(JR東日本)の急行形車両である165系を1992年(平成4年)に3両編成3本(9両)購入の上、自社で日本電装(現・デンソーの旧社名と同名だが、同社とは無関係)による出張改造を行って登場した車両である。
導入に際しては、前面の非貫通化と中央窓の大型化、前照灯・尾灯の形状変更(スクエアライト化)、愛称表示器の新設、上部列車種別表示器の撤去、上部標識灯新設、パンタグラフの増設を施工した。またアルミサッシのブロンズ化、灰皿の撤去、デッキ仕切りドアの自動化など車内設備を一新させ、秩父鉄道オリジナルな印象になった。なお、座席は往年の向い合せボックスタイプのクロスシートを維持しているが、処理設備の関係でトイレは使用できなくなっている。
急行「秩父路」で使用されていた。先頭車の正面にある愛称表示は「秩父路 EXPRESS」と表示されており、「急行 秩父路」ではない。因みにこの愛称板は内側差し込み式となっている。
しかし、老朽化を理由に6000形への置き換えが決定した。
[編集] その後
西武鉄道より新101系4両編成3本(12両)を購入し、これを一部改造した上で(改造の詳細はこちらを参照)6000形として使用することが決定した。車内はオールクロスシートに改造されている。2006年3月15日より3000形から6000形への置き換えを行い、3002編成と3003編成を廃車した。前者は廃車後に広瀬川原車両基地の無架線地帯に留置された後に解体済みで、後者もデハ3003号が車体の半分を切断の上、八高線竹沢駅付近の国道脇でラーメン店として利用されている他は、すべて解体されている。
最後まで残存した編成は3001編成だった。同編成は17日で「秩父路 EXPRESS」の愛称表示を終了し、翌18日から24日まで「ファイナルラン」の愛称板を装着して運用され、25日のさよなら運転及びさよならイベントを以て引退した。このイベントでは開催日限定の愛称板を2種類装着し、通常の急行運用に使用した後、臨時特別急行列車として運用した。11月中は波動用として残る模様である。
[編集] 編成表
←羽生 三峰口→ デハ3001 - デハ3101 - クハ3201 (クモハ165-91)-(モハ164-55)-(クハ165-93) 3002 - 3102 - 3202 (クモハ165-82)-(モハ164-50)-(クハ165-86) 3003 - 3103 - 3203 (クモハ165-93)-(モハ164-57)-(クハ165-95)
- カッコ内は国鉄・JR東日本時代の旧車号である。
- なお、3001・3003編成の種車は1968年施工の試作冷房改造車であり、このうち3001編成の中間車は試作冷房車当時の冷房装置AU71形を搭載している。
[編集] 関連項目
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