真月譚 月姫
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真月譚 月姫(しんげつたん つきひめ)とは、同人ゲーム『月姫』を原作とするテレビアニメ及び漫画作品である。
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[編集] 概要
アニメ『真月譚 月姫』は、同人ゲームとしては異例の大ヒットを成し遂げた『月姫』の映像化と言うことで、放映前から各界の注目を集めていた。
実際に放映されたアニメーションの本作は、音楽の品質も高くストーリーも大人向けを強く嗜好しており、制作者側の独自の解釈や演出、キャラクターの造形や声優の配役などの評価が高い(『Melty Blood』での配役のほうが雰囲気に合っているとの意見もある)。全体的に、アニメとしてのクオリティは高く、原作を知らない人にとっては、よくできたアニメ作品ととらえられることが多い。そして、主役に大抜擢された生天目仁美をはじめ、同じく当時まだ無名の若手であった伊藤静、中々殻を破れなかった植田佳奈といった今をときめく三人がブレイクする足掛けとなった作品とも言える。特にアルクェイド役の生天目仁美は、本作が一般デビュー作にもかかわらず、その存在感、声質の美しさ、強さなどが際立っている。
ただし原作ファンからは、『月姫』という作品に対するファンの共通認識から余りにもかけ離れているとして評価が厳しいものとなり、黒歴史としての扱いを受けている。具体的には、劇中の食事シーンで、主要キャラクターであるシエルが、原作では大好物であるはずのカレーを食べていない、最強種のアルクェイドが、たかが高校生に過ぎない志貴に公園で追い回され、殺される(原作では一瞬の不意打ちだったので殺せた).中ボス的存在のネロの負けっぷり等、原作の設定に対して忠実でないという点や、一クールに収めるためにアニメ版スタッフの独自解釈でストーリーを展開した点について、多くの原作ファンは納得しなかったようである。ただし、『真月譚 月姫』ファンや原作を知らないアニメファンの中には、シーンとしてもけっして多くはない(と言っても、「歌月十夜」ではカレー専門店「メシアン」でしばしば問題を起こす“実績”があるように原作者サイドのこの設定に対する思い入れは強いと考えられる)のにカレーに執拗にこだわるような、細部の設定に過剰に反応する原作マニアを「月厨」と蔑称している向きもある(このような対立はしばしば、他の原作付きのアニメで散見されることを付記しておきたい)。
また、原作ゲーム開発元のTYPE-MOON自身も、真月譚については当時の状況(『Fate/stay night』開発末期)、アニメに対するノウハウなどが足りず、結果的にファンを激怒させた作品になってしまったことを謝罪している(Fateのアニメで、武内と奈須が微妙にアニメ製作に参加しているのは、アニメ側との距離を縮めるため)。しかしそれにもかかわらず、アニメ版『Fate/stay night』も長大な原作を二クール(24回)に詰め込んだためか、ストーリーの整合性が噛み合っていないとして評価は分かれるようである。
監督は『少女革命ウテナ』で演出に参加し、『ガンパレード・マーチ ~新たなる行軍歌~』(2003年作品)で初監督を勤めた桜美かつし。彼の独特の心理描写や雰囲気作りなど、丁寧な作品作りには定評があり、『真月譚 月姫』でもスタイルは崩れてはいない。それを一部の視聴者(原作ファン以外など)などは、高く評価している傾向もある。だが原作ファンの期待する作品スタイルとは離れていたため、原作ファンからは作品は酷評を受けた(作品自体のスタイルがこの作品の主な視聴者であるアニメファンなどのティーン・エイジャーには理解しにくく、多くのファンが受け入れられなかったのではないかという声もある)。逆に大人、20代後半から30代の客層や映画ファン、女性からの評価は意外に高く、大人の視聴に耐えうるアニメーションになったといえる。海外市場でも、ストーリーの欠点を指摘されつつも、雰囲気やスタイルが日本より認められ、まあまあの評価を得ていると言われている。しかし一方で、海外で有名なアニメ評論家の一人、Ask Johnは桜美とこの作品を酷評している[1]。(ちなみに氏は2004年度のベストアニメに日本の大多数のアニメファンには不評であった『蒼穹のファフナー』の冒頭数話などを挙げて絶賛していることからこの評価を信頼しない者も多い。)
それでも、原作ゲームが、実質的にオークションなど中古市場での入手のみとなったことから、新規の原作ファンの増加は見込めず、CS放送などでの再放送でファンとなったアニメファンも増加している。今後も再放送が行われる度に、そういったファンが増加していく可能性もある。現在、TYPE-MOONの新作PCソフト『Fate/hollow ataraxia』以降の開発予定には、新規作品が一本と月姫の商業版リメイクを示唆する発言もある。
一方、アニメ化を機に月刊コミック電撃大王で連載が始まった漫画版『真月譚 月姫』は、これまで宙出版月姫アンソロジーなどで高い評価を得ている佐々木少年により、原作の雰囲気を損ねず『月姫読本』や『歌月十夜』で言及された設定なども違和感なく統合されているとして、ファンのみならず原作者からも絶賛の言葉が寄せられている。ただし、アニメの『真月譚 月姫』ファンからは、「キャラクターの描画があまりに子供っぽく、わざわざ『真月譚 月姫』と名乗る必要はない」という声もある。また、原作ファンからは逆にアニメが「真月譚」を名乗るべきではなかったという声もあるが、角川書店・メディアワークスの「メディアミックス企画」から始まった為、作品名が同じになったのは『必然』とも云える。もっとも、漫画版のタイトルが『月姫』とならなかったのは商標で既に『月姫』が登録されていたためと思われる。
[編集] 登場人物
- 遠野志貴 (声:鈴村健一)
- アルクェイド (声:生天目仁美)
- シエル (声:折笠富美子)
- 遠野秋葉 (声:伊藤静)
- 翡翠(ひすい) (声:かかずゆみ)
- 琥珀(こはく) (声:植田佳奈)
- 乾有彦(いぬい ありひこ) (声:櫻井孝宏)
- 弓塚さつき (声:田中かほり)
- ネロ (声:三宅健太)
- ロア (声:吉野裕行)
- 蒼崎青子 (声:木村亜希子)
登場人物の説明については月姫を参照の事。
[編集] アニメ
BSデジタル放送局BS-iにて2003年10月から12月まで放送された。
[編集] スタッフ
- 製作:「真月譚 月姫」製作委員会(ジェネオンエンタテインメント、TBS、ムービック、J.C.STAFF)
- 監督:桜美かつし
- 監督補佐:阿保孝雄
- プロデューサー:関戸雄一、神宮司剛史、松倉友二
- 原作:奈須きのこ/TYPE-MOON
- シリーズ構成・脚本:ときたひろこ
- オリジナルキャラクターデザイン:武内崇
- キャラクターデザイン:小澤郁
- 色彩設定:安藤智美
- 撮影監督:田沢二朗
- 編集:西山茂
- 音楽監督:明田川仁
- 音楽:大森俊之
- アニメーション制作:J.C.STAFF
- プロデュース:RONDO ROBE
[編集] 主題歌
- オープニング曲:The Sacred Moon
- エンディング曲:輪廻の果てに… (折笠富美子)
[編集] サブタイトル
- episode 1 「反転衝動」
- 絵コンテ:桜美かつし/演出:浅見松雄/総作画監督・作画監督:小澤郁
- episode 2 「黒い獣」
- 絵コンテ:桜美かつし/演出:浅見松雄/総作画監督:川嶋恵子・小澤郁/作画監督補佐:河野悦隆・加藤洋人
- episode 3 「直死の魔眼」
- 絵コンテ・演出:阿保孝雄/総作画監督:小澤郁/作画監督:音地正行・高石和三
- episode 4 「揺籠の庭」
- 絵コンテ・演出:小川浩司/総作画監督:川嶋恵子・和田崇/作画監督:山本浩
- episode 5 「空の弓」
- 絵コンテ:桜美かつし/演出:まつもとよしひさ/総作画監督:小澤郁/作画監督:はっとりますみ・佐野英敏
- episode 6 「白い夢」
- 絵コンテ:桜美かつし/演出:浅見松雄/総作画監督:和田崇・川嶋恵子/作画監督:清水博幸・杉山了蔵
- episode 7 「蒼い咎跡」
- 絵コンテ・演出:又野弘道/総作画監督:小澤郁/作画監督:小山知洋
- episode 8 「檻髪」
- 絵コンテ:島津裕行/演出:鈴木行/総作画監督:和田崇/作画監督:川田剛・杉山了蔵
- episode 9 「死。」
- 絵コンテ:細田雅弘/演出:阿保孝雄/総作画監督:小澤郁/作画監督:山本浩・清水博幸・杉山了蔵・川田剛・高石和三・小澤郁
- episode 10 「朱の紅月」
- 絵コンテ:渡部高志/演出:浅見松雄/総作画監督:和田崇/作画監督:佐野英敏・柴田志朗
- episode 11 「凶つ夜」
- 絵コンテ:下田正美/演出:まつもとよしひさ/総作画監督:和田崇/作画監督:阿保孝雄・川田剛・杉山了蔵・和田崇・高石和三・片岡英之
- episode 12 「月世界」
- 絵コンテ:山本英世・桜美かつし/演出:桜美かつし/作画監督:小澤郁
[編集] 漫画
佐々木少年による『月姫』の漫画版。月刊コミック電撃大王で2003年10月号から連載中。単行本は現在4巻まで発売。
[編集] 外部リンク
BS-i 木曜24:30枠 | ||
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