登山靴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
登山靴(とざんぐつ)とは、登山の目的に使用する靴のことで、登山形態にあわせて以下の種類がある。
- トレッキングシューズ、軽登山靴:無雪期に軽い荷物で歩くのに向いた靴で、底が軟らかくて軽い。履き口が高く、足首まで保護されている方が、足首を捻りにくく、傷めてしまったときの影響が少ない。
- レギュラー登山靴:テント山行など、重い荷物を負っての山行や、軽い雪山に向く。中底が厚くて固く、革が厚いので、荷重に耐え、防寒性と防水性が高く、雪山でのキックステップやアイゼン装着に向いている。他に冬用の登山靴もある。
- プラスチックブーツ:スキー靴でよく見られるようなプラスチック製の登山靴。皮製の重登山靴に比べ保温性が高く、高所登山に向く。湿った雪の多い日本では防水性の観点から快適。スキー兼用靴もプラスチックブーツが多い。
- クライミングシューズ:フリークライミング、岩登り用。足にぴったりで、摩擦が強く、細かいホールドを利用することができる。
- 渓流シューズ:釣りや沢登り用で、濡れた岩でも滑りにくい。
目次 |
[編集] 革製登山靴の手入れ
- 初めて使う場合、縫い目を目止め剤や松脂などでシールし、保革油などの侵入による劣化を防ぐ。翌日以降に防水グリスなどを塗り、半日程度しみ込ませる。余ったグリスはふき取り、防水ワックスを塗る。磨いて光沢が出たら完了。全て柔らかい保革油やグリースは革に塗りすぎると革を必要以上に柔軟にし、伸びやすくなるので注意する。
- 使用後は、ブラシないし少量の水で汚れを落としたあと、主に足からの発汗に由来する水分が靴にたまっているのでカビを防ぐために乾かす必要がある。通常は新聞紙を丸めて靴の中に詰め込んで暖かい場所に置き、新聞紙を頻繁に交換する。ストーブなどに近付けると熱で革を構成する蛋白質が変性し、二度と元の強度・柔軟性に戻らないので注意する。
革の状態に応じて保革油ないし防水グリスを軽く塗り、さらに防水ワックスを塗る。ワックスは出来れば靴をワックスの溶ける温度まで暖めてから繰り返し塗り込む。
[編集] プラスチックブーツの寿命
- 現在のプラスチックブーツはポリウレタンが素材のものが多く、空気中の水蒸気と化学反応を起こして劣化する。メーカによれば寿命は製造日から約5年。突然割れる事があり、スキーや登山中に事故とならないよう、古いものは使用を中止し、新しいものでも負荷をかけて割れないかチェックする事が好ましい(薄い部分からひび割れやすい)。ポリウレタンは柔軟性が高く、安価な代替素材が普及するまで待つ必要がある。
- スキーシューズやトレッキングシューズの靴底も同様であり、歩行中に靴底がはがれる事故が目立つ。よく観察すれば、はがれ始めている場合があるので、予防したい。
- 靴は乾燥した涼しい場所に保管するのが良い。
[編集] 各部の名称
[編集] 歴史
[編集] 関連項目
- 日本スポ-ツ用品工業協会
- 日本スポ-ツ用品輸入協会
- 登山靴・トレッキングブ-ツ品質対策委員会
[編集] 外部リンク
- JASPO(日本スポ-ツ用品工業協会のHP、News & Topicsの項目に注意文を掲載)