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フリークライミング - Wikipedia

フリークライミング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

フリークライミングとは、ロッククライミングの一種で、安全の為の確保用具のみで、自己の技術と体力を使い岩を登るスポーツ。アブミなどの登攀の為の道具を使う人工登攀と対比される。基本的に、元来そこにある自然の造形(岩の出っ張りやポケット)などだけを利用して登る。ロープを掴んだり、ボルトなどの人工物を持ったり、足場にして登った場合は、フリークライミングとは見なされず、人工登攀の一部と見なされる。

また、登山を前提にした伝統的なアルパイン・クライミングと対比して、手段を目的に変化させ、岩を登ること自体を目的して行われるロッククライミングのことをフリークライミングと呼ぶこともある。

自然の岩場以外に、人工の岩を登るインドアクライミングもフリークライミングに含まれる。フリークライミングでは、ルートないし課題の完登が主たる目的の1つであるが、クライミングのムーブ自体を楽しむこと重要な目的となっている。このため、そのスポーツ的性格に着目してスポーツクライミングと呼ばれることもあるが、この場合は、外的危険を排除したインドアクライミングやあらかじめ強固なボルトが打たれた自然壁でのクライミングを指す場合が多い。フリークライミングを行う者をフリークライマーと呼ぶ。

フリークライミング
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フリークライミング

目次

[編集] フリークライミングの歴史

[編集] 海外

フリークライミングは、ヨーロッパで登山が発生したころから行われてきたが、はっきりと「フリークライミング」を目的として行われるようになったのは1950年代のヨセミテであるとされている。アレン・ステック、ジョン・サラテ、ロイヤル・ロビンス、イヴォン・シュイナード、トム・フロストなどが、ボルトをなるべく排除したクリーンなスタイルでクライミングを行い、麻のロープを腰に巻くような古い装備で、既に5.10代のルートや、長大かつ冒険的なルートが拓かれていた。 その後、フリークライミングの「グレードを押し上げる」という意味での中心はフランスに移った。良質な石灰岩の岩場に恵まれ、ヨセミテの「ルートはあくまで下から開拓する」というグラウンド・アップの原則を排除して、岩場上部から懸垂下降してのボルト打設を行うフレンチ・スタイルは、グレードを押し上げる点においてはヨセミテの方式よりも遙かに効率的であった。そうした中で、さらにスポーツとしての発展を目指すべく、ジャン・クロード・ドロワイエは残置ピトンなどの人工物をホールド(手懸かり)やスタンス(足場)として使用することをやめるよう提唱し、次第に広く受け入れられるようになり、フリークライミングとは「自然の造形のみをホールドやスタンスにして登る」ということが一般化された。フランスでは岩を削ってルートを開拓するチッピングもさかんに行われていたが、次第にこうした傾向も下火になり、(まだ一部では行われている)あるがままを登り、可能な限りクリーンなスタイルを目指すという原則が認知されてきた。

[編集] 日本

一方、日本では、1956年の日本山岳会隊によるマナスル登頂などを頂点とした、ヒマラヤ処女峰の登頂が至高の目的とされる風潮があったが、次第に社会人山岳会による精力的な岩壁登攀が主流となっていった。このころ拓かれたルートには今なおフリークライミングとしても質の高いルートが見られる。しかし、安易にボルトを乱用する風潮が見られるようになると、国内の岩壁は「どこへ行っても6級A1」という閉塞状況に陥るようになった。こうした中で、クライマー達の目は次第に近郊の岩場におけるフリークライミングへと移り、各地でフリークライミングのゲレンデ(当時、山岳地域の岩場を「本チャン」、近郊の岩場を「ゲレンデ」と呼んだ)が開拓された。

80年の戸田直樹・加藤泰平による谷川岳一ノ倉沢コップ状岩壁正面壁雲表ルートのフリー化は、閉塞状況に穴を開け、各地で起こっていたフリークライミングの波を大きなうねりにするのに十分なインパクトを持っていた。このころおもな古典的ルートが次々とフリー化され、現在出版されているルート図集を見ると、ルートの「フリー化」の欄には、檜谷清、池田功、南場亨祐、森徹也など、当時活躍した人々の名が必ず見つかる。

80年代ごろから山岳地域の「本チャン」のフリー化と、ゲレンデにおけるフリールートの開拓がクライミング界の主流となっていったが、かつてのアルパインクライマーはフリーの技術を学ばずにそのまま6級A1を続ける者と、フリークライミングを積極的に学び、アルパインクライミングに活かす者に分かれた。前者はその後新しい技術を学ぶ機会がないまま、いわば時代の流れに乗り遅れた形となったが、中には若いフリークライマーを「本チャン」に連れて行き、その厳しさを教えるなどの形で、クライミングシーンを盛り上げる者もいる。後者は世界レベルの登攀を行うようになり、代表的な例として、90年の保科雅則らによるグレート・トランゴタワー北東ピラー第二登があげられる。この系譜に連なるクライマーは現在も少数ながら存在し、世界レベルの登攀を行って、フリークライミングがアルパインクライミングにとって必要不可欠であることを実証し続けてきた。 一方、近郊のゲレンデで高難度を追求する、今日的な意味でのフリークライマーが現れるようになり、優れたフリークライマーと、今日でも名ルートとして親しまれている質の高いルートが続々と産まれた。87年から開催されるようになったジャパンカップなどの当時のコンペの順位表を見ると、このころ活躍したクライマーと、その移り変わりを見ることが出来る。90年代初頭は堀地清次、寺島由彦ら、ホールド制作や人工壁運営で知られる人々が活躍し、徐々に杉野保、平山ユージといった若い世代が台頭していった。中でも平山は、コンペやゲレンデでのフリークライミングに留まらない活躍を見せ、97年、ヨセミテのサラテ・ルートをフリーで登り、ほぼ全てのピッチをオンサイト(初見で一度も落ちずに登る)するという、初期ヨセミテの理想を体現するフリークライミングを行い、世界を驚かせた。1998年のワールドカップでは日本人初のシリーズ総合優勝に輝いている。一方、コンペにはあまり出ずに岩場で自分のクライミングを追い求めた者もおり、この代表格として日本最難のクラックルート「マーズ」を開拓した吉田和正がいる。

2000年代に入ってからはさらに若い世代が台頭し、フリークライマーの志向がルートクライミングよりもボルダリングへ向くようになってきている。こうした中で、ボルダリングやルートクライミングの最高グレードが伸び、初・中・上級者層全体のレベルが上がり、かつては考えられなかったようなグレード(難度)のルートや課題が登られるようになった。 一方、クライミングの各ジャンルの島宇宙化が進み、「ボルダーしかやらない」「ルートしかやらない」といった、かつての「フリーをやらないアルパインクライマー」を裏返したような現象が見られるようになり、狭義の意味での「フリークライミング」、すなわち、近郊の岩場でのフリークライミングが定着し、フリークライミングが持っている冒険的意味合いが薄れつつあるのを心配する声が上がっている。そうした中で、グレードの追求と並行し(ないしは気分転換的に)マルチピッチやトラッドクライミングといった、冒険的なテイストを持つフリークライミングに新たに取り組もうとする者もいる。

[編集] フリークライミングの形式

岩登りの形式としては、

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  • 予めルート最上部の強固な確保支点に通した確保用のロープにて安全を図りながら登るトップロープクライミング
  • クライマーがロープを自らルート途中の確保支点にセットしながら登るリードクライミング
  • ロープによる確保なしで5m程度までの岩を登るボルダリング

などがある。

[編集] ボルダリング

ボルダリングは最もシンプルな登り方とされているスタイルで、後述するクライミングシューズとクラッシュパッド、チョークバック、それにチョークを落とすための歯ブラシのみで岩を登る。クラッシュパッドは大きく持ち運びに不便である上、ボルダリングの持つシンプルさや岩との親和性を損なうなどの理由から、クラッシュパッドを用いない者もいる。実際の所、巨大なクラッシュパッドを持つことにより「さまざまなクライミングのスタイル中、最もシンプルな登り方であるはずのボルダリングを行う者が、最も大きな荷物を担いでいる」という皮肉な事態になっている。 ボルダリングの準備は簡単で、登りたい岩の前に行きクライミング用シューズに履き替え、登る前に靴の汚れを落とし、手にチョークをつけ、落ちた場合に備えてクラッシュパッドを敷いておくくらいである。あとは、登りたい岩の登りたいラインを、手足を使って登る。登るラインを課題という。場合によっては、岩上部に回り込んで落ち葉を落としたり、ホールドをブラシで掃除する場合もある。それらが終わったら、岩に取り付く。あとは登るだけである。場合によっては岩をへつって横断する課題もある。黒本に代表されるルート図集には、面白い課題がたくさん載っているので、それを参考に自分の登りたい課題を決めるのが一般的である。

ボルダリングは一人でも行う事ができ、必要な道具の少ない事などからもボルダリングを専門に行うクライマーも増えている。JFAのジャパンツアーやUIAAのワールドカップは通常、リードクライミングで競われるが、近年、ボルダリングも新競技として広がりつつある。ボルダリングがさかんに行われている場所としては、関東周辺では御岳小川山などがある。複数人でボルダリングを行う場合、クライマー以外の者は、マットを墜落予想地点に移動させたり、落ちてきたクライマーをパッドの方に押す、着地後にバランスを崩して転倒するのを防ぐよう支えるなど、安全性の向上を図る。こういった一連の行為をスポットといい、スポットを行う者をスポッターという。どのようなスポットがベストかは足場の状況やクライマーの位置・体勢・次のムーブなどにより変わるので、簡単なように見えて実は複雑な技術であり、中途半端なスポットは怪我の元であるとする者もいる。

ボルダリングは日本でもフリークライミング黎明期から行われてきたが、岩と雪72号に紹介された、ミッドナイト・ライトニングを登るジョン・パーカーの連続写真は、ボルダリングを広く認知させるに至った。岩と雪の事実上の最終号となった169号では、草野俊達の長文記事と写真が紹介され、ボルダリングはルートクライミングと並ぶフリークライミングの2大潮流の1つとなった。その後、岩と雪の事実上の廃刊にともない、クライミング自体がメディアから取りあげられることが少なくなるが、岩と雪がロックアンドスノーとしてリニューアル復刊後は再び取りあげられるようになり、近年では、リードクライミングを行うクライマーよりも増えつつある。この背景として、アメリカのボルダリングビデオ「ドセージ」によるボルダリングイメージの革新や、著名なクライマーの一人である室井登喜男が自費出版した関東周辺の主なボルダリングエリアの詳細なルート図集(通称黒本)の流通による、クライマー間のコミュニケーションの円滑化などが挙げられる。

ボルダリングのムーブにはダイナミックなものが多く、こうした動き自体が非常に興奮的で楽しい。また、ボルダリングは準備が非常に簡単である。地面にマットを敷いてシューズを履けばすぐにでも始められるため、手軽に始められる。さらにボルダリングのムーブはルートクライミングにも応用が利くものもあるため、低い岩でのボルダリングはルートクライミングのトレーニングとしても非常に有用である。

[編集] リードクライミング

リードクライミングは、あらかじめ開拓者によりボルトが打ち込まれているルートを対象としたクライミングと、クラック(岩の割れ目)などにナッツやカミングデバイス(カム)といったナチュラルプロテクションをセットしつつ登るクライミングに分けられ、現在では前者の人気が高く、通常「リードクライミング」と言った場合は前者を指すようになっているが、後者との区別を強調したい場合などはスポーツクライミング(略して「スポーツ」「スポート」)と呼ばれることもある。後者は「岩を傷つけない」「可能な限りシンプルなスタイルを採用する」というクライミングの伝統に基づいていることからトラッドクライミング(略して「トラッド」)と呼ばれて前者と区別される。

代表的なカムであるブラックダイヤモンド社製キャメロットC4。画像は最大サイズの6番。公称スペックは14kN。トリガーを引いて半円状の板を下方向に回転させ、クラックに突っ込みトリガーを放すと、板が元の位置に戻ろうとして、岩に固定される。荷重がかかると板が回転する力が働いて、高い支持力を生み出す。映画「バーティカル・リミット」の冒頭では、この仕組みがよく分かる映像が出てくる。
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代表的なカムであるブラックダイヤモンド社製キャメロットC4。画像は最大サイズの6番。公称スペックは14kN。トリガーを引いて半円状の板を下方向に回転させ、クラックに突っ込みトリガーを放すと、板が元の位置に戻ろうとして、岩に固定される。荷重がかかると板が回転する力が働いて、高い支持力を生み出す。映画「バーティカル・リミット」の冒頭では、この仕組みがよく分かる映像が出てくる。
スポーツクライミングでよく見られるボルトの例。ヒルティ社製ステンレススタッドアンカーM10とフィクス社製ステンレスハンガーに、ヌンチャクをかけている画像。棒状のアンカー部分は、実際には岩に埋め込まれている。アンカーのカタログ上のスペックは引張12.5~100.1kN、せん断8.4~84.2kN、許容安全荷重(引張)4.8kN、許容安全荷重(せん断)7.1 kN。ハンガー部の公称スペックは30kN。
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スポーツクライミングでよく見られるボルトの例。ヒルティ社製ステンレススタッドアンカーM10とフィクス社製ステンレスハンガーに、ヌンチャクをかけている画像。棒状のアンカー部分は、実際には岩に埋め込まれている。アンカーのカタログ上のスペックは引張12.5~100.1kN、せん断8.4~84.2kN、許容安全荷重(引張)4.8kN、許容安全荷重(せん断)7.1 kN。ハンガー部の公称スペックは30kN。

リードクライミングは基本的にクライマー(登る人)とビレイヤー(地面でロープを確保する人)の2人1組で行われ、クライマーは自分でナッツやカムなどのナチュラルプロテクションをセットするか、あるいはあらかじめ打たれたボルトのところまで到達し、これらの確保支点にヌンチャクと呼ばれる道具を掛け、ヌンチャクにロープを掛けながら登る。リードクライミング開始の手順としては、まずルートの下に行き、クライマーはロープをハーネスに結びm、ビレイヤーはビレイ器にロープを通し、ハーネスにセットする。クライマーはヌンチャクを必要な分だけ(必要な場合はナチュラルプロテクションも)ハーネスに掛ける。その後クライマーが「お願いします」と言って登り始めるのが一般的である。 ルートの最上部には様々な形態の終了点が設置されており(無い場合もあり、そうした場合は自分で作る)、ここまで到達したクライマーは、設置された終了点を利用して下降する。終了点に到達するまでに、ボルトやロープと言った自然以外の造形に全く荷重をかけずに終了点に到達したことをもって完登とするが、岩場の形状によっては終了点の上まで登ることを要求される場合もある。 途中でクライマーが墜落した場合、ビレイヤーはビレイ器を用いてロープに制動をかけ、墜落を止める。止めた後は、クライマーはそこで落ちた箇所の検討を行い、再度挑む。このような、ロープにぶら下がったままムーブを探るスタイルをハングドッグといい、かつては堕落したスタイルと見られていたが、現在は完全に定着している。 近年、日本各地では終了点や確保支点用ボルトの老巧化が進んでおり、これらの確認を自分自身で行うよう日本フリークライミング協会は呼びかけている。

トラッドクライミングでは、ナチュラルプロテクションを確実にセット出来なかった場合、墜落すると、セットしたナチュラルプロテクションが外れ、クライマーが地面まで落ちる可能性がある。一方、ボルトルートのリードクライミングでは、強固なボルトがあらかじめ設置されているため、地面まで落下する危険性が少なく、プレッシャーが比較的少ないため、人気が高い。トラッドクライミング独特の技術であるジャミングがやや痛く、かつしっかり効いているかどうかが最初は判断しずらい、トラッドクライミング用のナッツ、カムといったナチュラルプロテクションがやや高価であることも、トラッドクライミングがボルトルートほど人気がないことの原因の1つとなっている。(画像のキャメロットC4-6番は約15000円。ナッツは1セットで約1万強である。通常のトラッドクライミングでは、例えばキャメロットならば0.5、0.75、1、2、3番程度しか使わないが、これらを揃える場合、大体1万×5=5万程度である。さらに、これらとロープを介すカラビナが必要となってくる。その他必要なものを揃えると10万以上になる。) しかし、トラッドクライミングにはその分、「自分自身の力で登り切った」という達成感がボルトルートを登った場合より大きい。このため、ボルトルートでのクライミングやボルダリングを一通り経験した者が、未知のクライミングを求めてトラッドを始めるケースや、アルパインクライマーがスムーズにナチュラルプロテクションを設置する能力を求めてトラッドを始めるといったケースもあるという。

リードクライミングでは、人間は高いところに行けば恐怖感を持つようにできているという特徴から、クライマーは心理的プレッシャーを受け、思い切ったムーブができなくなることもある。特に、ボルトとボルトの間隔が遠いルートはプレッシャーが大きい。こうした恐怖感は、完登した際の喜びのスパイスとなる。 確保支点をとらずに(または取れずに)長い距離を登ることや、最後の確保支点から繰り出されたロープの距離をランナウトといい、ランナウト状態では緊張感から普段通りのムーブを起こすことが出来ず、クライマーの恐怖の対象となっている。国内のフリークライミングエリアでこうしたランナウトに極端なものは少ないと言われているが、宮崎県北部の花崗岩のスラブの岩場(比叡山、広タキスラブ、雄鉾岳など)では、20m以上もランナウトするようなルートが珍しくない。大きくランナウトするルートは恐ろしいが、それだけに完登した際の喜びは単なるスポーツの域を越え、むしろ冒険のそれに近くなる。 こうした心理的プレッシャーが少ないインドアクライミングやトップロープクライミング、あまり高くないボルダリングは、ムーブの習得に有用とされている。

リートクライミングは、用具を一式揃えるのがボルダリングよりも高くつくこと、アプローチが多くの場合ボルダリングよりも遠いこと、2人以上必要であること、高度感がプレッシャーとなること、ロープワークが必要とされることなどから、ボルダリングに比べ敷居が高くなり、ボルダリングの隆盛と比較してやや人気が落ち着いてきている感がある。とはいえ、リードクライミングには、そのスケール故の快感や、クリップ(ヌンチャクをボルトに掛け、ロープをセットすること)やレスト(片腕を放して休ませること)に関する駆け引きなど、にボルダリングとはまた違った楽しさがあり、特にナチュラルプロテクションを用いたクライミングは戦略性が高い上に、「自分の力でなし得た」という満足感をクライマーに与えてくれる。

ルートクライミングのエリアとしては、関東周辺では小川山、城ヶ崎、白妙橋、氷川屏風岩、河又などが有名である。

[編集] トップロープクライミング

トップロープクライミングは、リードクライミングのルートの終了点に、他の易しいルートを登ったり、回り込むなどして到達し、終了点に支点を設け、この支点にロープを通してロープの両端を地面に垂らす。こうすることによって、クライマーは常に上に向かって引かれる形となり、大墜落の心理的プレッシャーから解放される。なお、ロープを使ったクライミングの場合、ルートはリードクライミングで落ちずに登った場合にのみ「完登」とみなされる。すなわちトップロープクライミングは、あくまでトレーニングや練習のために行われるという位置づけであるが、一部に「トップロープ課題」と呼ばれるトップロープで登っても完登とみなされる課題も存在する。岩が脆いなどの理由で強固な中間支点(ボルト)が設置できない場合などは、トップロープ課題とされる。そうしたルート・課題ごとのルールは地元のクライマーに聞くか、「岩と雪」「ロックアンドスノー」「岳人」「山と渓谷」などの雑誌に載る岩場の紹介記事や、「日本百岩場」などのルート図集などによって確認することができる。また、前述の通り、ムーブの練習としてトップロープクライミングは有効であるが、トップロープを張っている間はそのルートを自分たちで占有してしまう形になる。また、ボルダリングが行われている岩にトップロープが設置され、クライマー間で大論争が巻き起こったことがもある。こうした経緯や事実から、トップロープクライミングを行う際は、岩場の歴史や周囲の利用状況を確認する必要がある。 トップロープクライミングの岩場としては、鷹取山や日和田山がある。

[編集] フリークライミング中の事故

[編集] ボルダリング中の事故

ボルダリングは非常にシンプルなため、何が危険でどこまでが安全かを判断するのが、他のクライミングより容易である。基本的には、マットを使用している場合ならば、足からきちんと着地すれば、よほど高いところからでないかぎりは安全と言えるが、マットを過信しすぎたり、課題に集中しすぎるあまり安全に関する配慮を忘れると危険である。また、ボルダリングの課題の中には下地がでこぼこしていたり、切り株が突き出ていたりするものがあり、こういった場合、マットが有効に機能しないものもある。下地が悪い課題を「ランディングが悪い」と言ったりする。 以下にボルダリングの危険性を挙げる。

  • スポッターがクライマーの墜落に巻き込まれて怪我をする。
  • マットの外や、突起物の上にマットを敷いた状態の部分に着地して捻挫する。
  • 着地後、バランスを崩して近くの木や岩に激突する。
  • マントリングなどの体勢から落ちて受け身をとりそこなう。

[編集] リードクライミング中の事故

リードクライミングでは、ボルダリングに比べやや複雑なので、その分予想外のことがおこりやすい。スポーツ、トラッドの別なく存在する危険は以下の通りである。

  • ビレイ器とロープの相性が悪く、まともな制動がかけられないままクライマーが地面まで墜落する。
  • 1つ目の中間支点をとる前に落ちる。この場合、ロープを付けていないのと全く同じである。
  • 2つ目ないし3つ目の中間支点をとろうとして、ロープをヌンチャクにかける(クリップという)のに失敗して落ちる、いわゆる「手繰り落ち」。通常、クライマーは、ビレイヤーから繰り出されたロープの長さから最後の支点までのロープの長さを引いた距離+ロープの伸びの分落下するが、手繰り落ちの場合、さらに「手繰ったロープの長さ」が落下距離に加わるため、「地面から1つ目の中間支点までの距離」よりも「1つめの中間支点から登った距離+クリップしようとして手繰ったロープの長さ」が長くなった場合、地面まで落ちることになる。
  • 落下に備えてビレイヤーがロープを引き気味にしたせいで、クライマーがアメリカン・クラッカーの如く壁に激突する(俗に「ビッタンコ・ビレイ」と呼ばれる)。
  • ショックを和らげようとロープを流しすぎるあまり、墜落距離が長くなって地面に接触、あるいは岩の突起物に激突する。
  • 恐怖心からヌンチャクのカラビナ部分をホールドに使い、ちょうどその時墜落して、加重が指にかかり、指を負傷する。
  • 終了点から下降する際に、ロープの長さが足りず、ビレイ器からロープがすっぽ抜けて墜落する。
  • 岩場上部からの落石を受ける。
  • 墜落の際、足をロープにすくわれ、頭から落ちて受け身に失敗し、壁に激突する。
  • 墜落の際、足をロープにすくわれ、体が逆さまになってハーネスから脱落し、そのまま地面へ落ちる。
  • 墜落の際、足をロープにすくわれ、ロープとの摩擦で足に火傷を負う。
  • 墜落の際、ロープが指などにからまってその部分を圧迫して負傷する。

[編集] スポーツクライミング

以上に加え、スポーツクライミングでは以下のような危険がある。

  • 墜落した際、古いボルトが破断して大墜落になる。
  • 恐怖心からボルトハンガーをホールドに使い、ちょうどその時墜落して、加重が指にかかり、指を負傷する。最悪切断の怖れもある。
  • 埋め込みアンカーの突出部分とハンガー、カラビナが干渉してテコの原理が働き、カラビナが破断して、大墜落する。
  • 横になったハンガーにクリップし、その後クライマーの動きによってカラビナ(ヌンチャク)が動き、ハンガーから脱落する。
  • 2つめボルトへのクリップに失敗して落ちると、特に「手繰り落ち」ではなくとも地面まで落ちてしまう、いわゆる「2ピン目が遠い」ルートも存在する。

[編集] トラッドクライミング

トラッドクライミングでは、リードクライミング中の事故に加え、以下のような危険がある。

  • ナチュラルプロテクションの設置に失敗して、墜落した際にナチュラルプロテクションが脱落し、大墜落(最悪地面まで墜落)する。
  • クライマーの動きがロープを介してカムやナッツに伝わり、それが原因となってカムやナッツが動き、脱落する。

[編集] トップロープクライミング中の事故

トップロープクライミングでは、以下のような危険があるが、リードクライミングの危険と比べると、簡単に防ぎ得るものが多い。

  • トップロープ支点が荷重により破壊され、クライマーが墜落する
  • 岩から体が離れた際、クライマーが空中で大きく振られ、岩や立木に激突する。
  • 終了点のスリングにロープを直掛けしてトップロープクライミングを行い、スリングが摩擦で融断して墜落する。


なお、フリークライミング中の事故に関しては、日本フリークライミング協会から事例集が出版されて、一時期は登山用品店などで無料配布されていた。

[編集] フリークライミングの用具

靴とチョークバッグ
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靴とチョークバッグ

基本的な道具としては、岩登り専用のクライミングシューズと指の汗を抑える為のチョーク(炭酸マグネシウム粉)とそれを入れるチョークバッグが有る。ボルダリングは基本的にこの3品で行う事が出来る。ボルダリング時の墜落に対して安全を図る為にクラッシュパッドと言う携帯用のマットを敷く場合もある。トップロープやリードクライミングを行う場合は、ダイナミックロープ、及び体にロープを固定する為のハーネス等が必要となる。これに加えて、岩にすでに打ち込まれたボルトなどの確保支点があるルートを登る際には、これら支点を利用してロープを通すためのクイックドロー・スリング(ヌンチャクと俗称される。長さ数cm~数十cmのソウンスリングの両端にカラビナが着いている)が必要となる。また、ボルトが設置されておらずクラック等にナチュラルプロテクションをとる必要がある場合には、ナッツ(ワイルドカントリー社のロックスや、ブラックダイヤモンド社のストッパーなど)やカミングデバイス(ワイルドカントリー社のフレンズや、ブラックダイヤモンド社のキャメロットなど)といったナチュラルプロテクションが、また、終了点に支点がなく立木などを支点にする場合にはスリングが、それぞれ必要となる。クライミングシューズやチョークも登る為の補助具ではあるが、これらの使用はフリークライミングの範囲内で有るとして容認されている。一方ビレイヤーが使う用具としては様々なタイプのビレイ器があり、現在はブラックダイヤモンド社のATCに代表されるバケツ型ビレイ器と、ペツル社のグリグリに代表される自動ビレイ器が人気を二分している。しかし、近年、ロープ径の小径化が進み、これに対してATCやグリグリの制動力では、ロープとの相性によっては制動が不十分である場合がありこのため、制動力を選択できるタイプのビレイ器や、小口径ロープに対応した自動ビレイ器なども見られるようになった。ロープとビレイ器の相性は、ロープ径と同じくらいに重要であり、メーカーは安全な環境下でビレイ器とロープの相性を確認するよう推奨している。

[編集] フリークライミング競技

近年は、そのスポーツ性が注目され、クライミングの競技会も行われており、UIAA(国際山岳連盟)にて厳密な競技ルールが規定されている。リードクライミングに関しては、当初見られたように毎年ルールが顕著に変更されるといった事態は起こらなくなり、ルールはほぼ確定しているといえる。ボルダリング競技についても、UIAAワールドカップ級の大会ともなるとルールの改訂は頻繁には行われないようになってきている(参考リンク:INTERNATIONAL CLIMBING COMPETITIONS:Rules 2005, 同日本語訳(山本和幸氏訳))。しかし、国内におけるボルダリング競技会はリードクライミング競技会のそれに比べて多種多様な会場条件で行われることがあり、会場の都合に合わせてUIAA/ICCルール以外の独自ルールが採用されることが多々ある。 なお、日本ではクライミング競技会のことを「コンペ」と呼ぶことが多い。

国内ではJFA(日本フリークライミング協会)主催のジャパンツアーや、ボルダリングを競うB-Sessionなどの競技会が有り、また、国民体育大会の競技として山岳競技種目の一環の形でフリークライミングが採用されている。ただし、2004年度を最後に、JFAはジャパンツアーの終了を宣言した(参考リンク:ジャパンツアー終了宣言)。したがって、リードクライミングに関しては、2005年度以降はジャパンカップ・日本選手権・国体山岳競技などのメジャー大会と、各ジムや地方団体が独自に行う特色ある大会とが日本のコンペ界を構成することとなる。

競技としてフリークライミングを行う場合、参加者が公平に競技を行う為に人工の岩場で競われ、競技毎に課題を新規にセッティングして初見(オンサイト)トライで登る事で競われる。

[編集] グレード

岩の難度を表す指標として、グレードの表記法が規定されているが、実際にはグレードを付ける者の主観に基づく為に常に議論の的となっている。自然の岩場でのグレード値はエリア内での相対的な難度を示す、一応の目安ぐらいの位置づけと成っている。

ボルダリングのグレードとしては、10級~初段~と表示する方式が国内では、ポピュラーに使われている。初心者は7級あたりから入り、3級あたりから中級で、初段では上級の域となる。世界的には、アメリカでよく使われるVグレード(Vの後に数値が入る)や、フランス・フォンテーヌブローを発祥とするフレンチグレード(数値のあとにa,b,cの文字がつく、場合によってはその後ろにさらに「+」がつく)がよく使われる。

ロープを使うようなクライミングでは米国のグレードシステム(デシマルグレード)が国内ではポピュラーに使われており、「手を使う岩登り」をあらわす5の数字に続く“.”以下の数値と記号の組み合わせで難度を表す。初心者は5.9当たりから入り、5.11から中級、5.13以上では上級となる。5.10以上においては、さらに細分化する為に5.10a~5.10dのようにa,b,c,dの英小文字をつける。また、5.10-~5.10+の様に表記することもある。二つのグレードの間くらいの難易度と判定される場合、5.11c/dや5.14d/15aのように二つのグレード表記の間に「/」を入れて表現する。デシマルグレードは世界的にも広く使われているが、その他によく使われているのがフレンチグレードである。他に、UIAAグレード(ローマ数字と「-」ないし「+」の組み合わせ、ドイツなど)、オーストラリアグレード(数値のみ)など各国独自のグレードシステムが存在する。クライマーの国際的交流が増えてきた現在、これらのグレードシステム間の対比表が整備されるようになってきている。

[編集] 練習方法

フリークライミングの練習の場として、人工の岩場を備えたジムが普及しつつ有る。ジムでは、墜落時の衝撃を吸収するマットや堅牢な支点を設けているので、安全に練習が出来る。ジムの普及により、天候や岩場までのアプローチに左右されずクライミングの練習が行われる様になった。

簡易な上半身の強化用具として、板に横棒を約20cm間隔で数本取り付けたキャンパスボードと呼ばれる器具がある。横棒にぶら下り、足を使わず登る事により、指、腕、広背筋が鍛えられる。クライミング時においては指の力がネックとなっている事が多く、指の強化は補助トレーニングとして即効性がある。

[編集] クライミングエリアにおけるトラブル

クライミングのエリアとしては岩質が安定しており、アプローチが容易な場所が好まれる。その為に観光地や公園内に岩場が有る事が多く、道路の占有やゴミの放置などにおいてトラブルが発生しクライミング禁止となったエリアも有る。その為にクライマー間にてモラルの向上が唱えられている。

[編集] 著名なフリークライマー・ボルダラー

[編集] 日本

[編集] 海外

  • クリス・シャーマ
  • デイヴ・グラハム

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] 参考文献

  • 「ヤマケイ・テクニカルブック7 フリークライミング」山と渓谷社 北川真・杉野保・新井裕紀著
  • 「最新クライミング技術」東京新聞出版局 菊地敏之著
  • 「ビヨンド・リスク」山と渓谷社 ニコラス・オコネル著 手塚勲訳
  • 「岳人」2005年10月号「特集 日本の山登り-変わるもの、変わらないもの」
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