渦の道
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渦の道(うずのみち、Uzunomichi)は、徳島県鳴門市の鳴門海峡に位置する観光地である。2000年4月開設。大鳴門橋の橋桁に設置された延長約450m・高さ約45mの遊歩道から、渦潮を見下ろすことができ、徳島県を代表する観光施設となっている。
[編集] 鉄道空間の活用
渦の道は、神戸淡路鳴門自動車道の歴史的背景との関係がとても深い。
田中角栄が唱えた日本列島改造論によって、1973年に四国新幹線(大阪市~徳島市~高松市~松山市~大分市)の基本計画が決定され、大鳴門橋における鉄道空間の設置が計画に盛り込まれた。そのため大鳴門橋は、瀬戸大橋と同様、下層部に2車線の標準軌が敷設できる空間が確保され、また列車の荷重に耐えられる構造で建設され、日本初の鉄道道路併用橋(ただし鉄道は未開通)として1985年6月8日に開通した。ところが、大鳴門橋開通から僅か80日後の1985年8月27日に、明石海峡大橋を道路単独橋として建設することが決定され、結局、明石海峡大橋は鉄道空間を設けることなく1998年に開通した。これによって、大鳴門橋の鉄道空間は無意味な空間と化したのである。そこで2000年4月、その余った鉄道空間を有効活用してオープンしたのが、この渦の道である。しかしながら渦の道が出来てしまった以上、それを撤去しない限り、今後、鉄道の実現は考え難い。つまり徳島県は、悲願の夢であった鉄道実現の可能性を失うことと引き換えに渦の道という遊歩道を造ったのである。現在、多くの観光客を集めている渦の道は、皮肉にも徳島県にとって欠かすことの出来ない観光地となっている。ただ、渦の道を訪れる観光入込客数が順調であることがせめてもの救いであるといえよう。
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