河合祥一郎
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河合祥一郎(1960年7月6日 - )は日本の英文学者。福井県生まれ。東京大学総合文化研究科助教授(表象文化論)。専門はシェイクスピア。
東京大学文科、同大学院修士課程修了、イギリスのケンブリッジ大学に学び、博士号取得、東京大学でも博士号取得。文学博士。博士論文は『ハムレットは太っていた!』として公刊されている。同著でサントリー学芸賞受賞。東大名誉教授だった故高橋康也の女婿。母方の大叔父がシェイクスピア戯曲を初めて全訳した坪内逍遥。角川文庫でシェイクスピア戯曲の新訳を刊行中だが、『ハムレット』の翻訳で、有名だが実は誰も翻訳で使ったことのない「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」を用いた。またシェイクスピアに関する初期の言及として有名なロバート・グリーンの「成り上がりもののカラス」を、シェイクスピアではなく俳優ジェイムズ・アレンのことだと論じて論争となった。
博士論文を書いた際、あまりの苦しさに、もう学者をやめたいと高橋に訴えたと著書あとがきにあり、学問の厳しさを伝える話となっている。
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[編集] 著作
[編集] 単著
- 『謎解き『ハムレット』 名作のあかし』三陸書房, 2000
- 『ハムレットは太っていた!』白水社, 2001
- 『『ロミオとジュリエット』恋におちる演劇術』みすず書房, 2005
- 『シェイクスピアの男と女』中央公論新社(中公叢書) 2006
[編集] 翻訳
- 『絵で見るシェイクスピアの舞台』C.ウォルター・ホッジズ 研究社出版, 2000
- 『ピーター・ブルック回想録』白水社, 2000
- 『ガートルードとクローディアス』ジョン・アップダイク 白水社, 2002
- 『新訳ハムレット』シェイクスピア 角川文庫, 2003
- 『エドワード三世』シェイクスピア 白水社, 2004
- 『二人の貴公子』シェイクスピア, ジョン・フレッチャー 白水社, 2004
- 『新訳ヴェニスの商人』シェイクスピア 角川文庫, 2005
- 『新訳ロミオとジュリエット』シェイクスピア 角川文庫, 2005
- 『シェイクスピアの驚異の成功物語』スティーヴン・グリーンブラット 白水社, 2006
[編集] 編著、共著
- 『シェイクスピアへの架け橋』高田康成, 野田学 東京大学出版会, 1998
- 編著『シェイクスピアは誘う 名せりふに学ぶ人生の知恵』小学館, 2004