求人
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求人(きゅうじん)は、労働力となる人材を収集するために行う告知、及び雇用契約の誘引行為の事である。対義語は「求職」。
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[編集] 概要
一般に、企業・団体など事業者が、雇用したいとする人(人材)を、一般の市民(学校卒業見込みの者を含む)から募集する事を指す。正社員、アルバイトやパートタイマーなど、雇用形態についても、労働条件と共に募集する際に明示する。
企業などの事業の展開により、人手が足りなくなる事がある。軽微な場合は現有スタッフの勤務時間の増加(残業)などで補う事が多いが、実質的に限度があり、又、労働基準法に基づく労使協定(いわゆる36協定)で定める上限時間を超える事は出来ない。あるいは、定年退職による欠員の補充、又、事業内容によっては特定分野の能力(スキル)を持った人材を必要とする事もある。
以上のような場合に、事業者は労働力もしくは一定のスキル・ノウハウの確保のために、労働者の雇用の必要性が生じるのである。
[編集] 求人手段
日本では、次のような求人手段が用いられることが多い
[編集] 伝統的求人手段
新聞(紙面内、折り込みチラシ)やポスターといったメディアとなる媒体を用いた告知が主であるが、労働力となる人材が輩出される学校(主に新卒を対象)や、労働力となる事を望む人材が集う公共職業安定所(ハローワーク)などへの募集の要項の掲示を直接行う事もある。
又、大規模な求人イベントとして就職説明会などの機会も利用される。就職フェア、転職フェアも広く行われている。(東京国際フォーラムなど規模の大きな会場に複数の求人企業が出展し、人事の担当者などと企業や仕事について相談するなど、事前に情報を集める事が出来る。)
[編集] 求人情報誌
1980年ごろから登場した求人情報誌は、紙媒体の代表的な存在であり、リクルートの「ビーイング」「とらばーゆ」、学生援護会の「デューダ」「サリダ」などが発行されているが、近年では次項のインターネットに押され売れ行きが減ってしまい、求人専門のフリーペーパー(アイデム(ジョブアイデム)、リクルート(タウンワーク)、学生援護会(アルバイトニュース))を全国各地の主要鉄道駅や書店等に無料配布で展開している事例もある。
[編集] インターネットを媒体とした求人
新卒募集を除く求人では、2000年頃までは、主に前述の情報誌や新聞などの紙媒体やハローワークを利用して求人活動を行う事が多かったが、2000年以降、ADSLやFTTHなどいわゆるブロードバンドインターネット接続の普及によって、インターネットの常時接続が一般化すると、自社や求人・求職専門ウェブサイト(いわゆる求人ポータル)を使った求人が増えてきた。
情報誌のフリーペーパー化が加速する中、インターネット上の求人活動は増加の一途をたどっている。元々求人などの情報誌を発行していたリクルート社の「リクナビ」[1]をはじめ、ハローワークに登録された求人情報を検索出来る「ハローワークインターネットサービス」[2]などのインターネット求人情報サービスが2000年頃から開始しているが、登録を受け付けた求人情報に加え、各社の自社サイトに掲載された求人情報をロボットでかき集める検索エンジン型無料求人サイトも既に登場している。DIP社の「ジョブエンジン」([3]、求人情報平均3万件)や、「キャンディデイト社(旧民間職安)」が運営する特化型求人求職データベース([4]、求人情報平均100万件)が国内最大の求人データベースを保有する。現在の日本最大級の求人サイトは、求人情報サイトの情報も同時に掲載されている「インディビジョン」([5]、求人情報平均25万件)である。検索エンジン型求人サイトは、ロボットが各社の自社サイトに掲載した求人情報を自動収集し、解析したデータを求人情報として提供しているため、従来の求人ポータルと比較すると圧倒的に情報量が多い事が特徴である。
又、上記インターネットサイトが正社員や契約社員などの直接雇用の求人を扱うのに対し、人材派遣の求人を専門に扱うサイトも多く存在する。代表的なサイトとしては、インターワークス社の「派遣ネット」([6]、求人情報平均1万8000件)があげられ、300社程度の人材派遣会社が参加している。
[編集] ヘッドハンティング
特定分野の高度な技術や、社業全般のマネジメント、法律、財務、M&A関連などに詳しい特殊な能力を有する人材が必要な場合、一般的な求人募集のほか、人材斡旋会社(職業紹介会社)やスカウト、ヘッドハンターへ依頼する場合がある。