水彩
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水彩（すいさい）は、水を溶剤とする絵の具及びその絵の具を使用して描かれた絵画のこと。透明水彩（ウォーターカラー）と不透明水彩（ガッシュ､ボディーカラー）、固形絵の具とチューブ入り絵の具がある。主に顔料と展色剤であるアラビアガムから成る。古くは保湿あるいは可塑剤の目的として蜂蜜や水あめが使われたこともあるが、産業革命以後に工業的に生産されるようになってからはグリセリンが使われている。
顔料の種類およびアラビアガムとの比率によって透明水彩か不透明水彩かが分かれる。透明水彩は透明感のある顔料に多くの展色剤を含み、不透明水彩は不透明な顔料に少な目の展色剤を含む。
いわゆる水彩画は透明水彩で描かれたものである。本来の不透明水彩はグワッシュあるいはガッシュと呼ばれる絵の具であるが、日本では不透明水彩は小学校などで使われる学童用の水彩絵の具を指すことが多い。
学童用の水彩はマット水彩ともいわれ、本来の透明水彩と不透明水彩の中間的な性能でどちらの用法にも対応できるように考えられてはいるが、安価にするために性能のよくない顔料やアラビアガムの替わりにデキストリンを使ったりしているため、長期の保存性を前提とした美術作品には向かない。
水彩絵の具で描かれた絵を、水彩画（すいさいが）という。
[編集] 道具
- 水彩絵の具
- 水彩向けの筆：イタチやリスの物が良いとされている。
- 紙：一般には水彩紙と呼ばれる専用の紙を使うが、不透明水彩では製図用のケント紙なども使われる。水彩画法では微妙なぼかしをするために、描画前に紙を濡らして描くこともある。その他、キャンバスに水張りしたもの、ブロック状のもの、ボード状のものなどが用いられる。
- パレット：絵の具をチューブから出して置くための道具。この上で水で溶いたり混色したりする為に用いるが、絵の具を固めて保存する為にも用いる。最近では（特に不透明水彩の場合）、紙パレットなども用いられる。
- 筆洗：水を入れ、筆を洗ったり、水を補給するのに使う。普通のバケツなどで代用可能。
- 鉛筆：下書きに使う。
[編集] 注意事項
- 絵の具は基本的に人体に使用してはならない。特に筆先を唾で湿らせたりする行為は避けるべきである。
- カドミウム系、コバルト系の絵の具は重金属を含み、毒性があるので注意すること。ただし現在使われているこれらの色は昔のものよりも精製されているので毒性は弱くはなっている。
