気団
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
気団(きだん、air mass)とは、停滞性の高気圧により、気温や湿度などの性質が水平方向に広い範囲にわたって一定になり、一つの塊と見なせるようになった状態をいう。
停滞性高気圧は、低緯度と高緯度の地域で発生するが、中緯度地域では大気擾乱のため、高気圧が移動性となるため気団は存在しない。
複数の気団が接触すると、前線が生成され、低気圧が発達することがある。
目次 |
[編集] 気団の分類
発生場所と、温度により以下のように分類される。
発生場所 | 大陸 | 海洋 |
---|---|---|
北極 | 北極大陸性気団(cA) | 北極海洋性気団(mA) |
南極 | 南極大陸性気団(cA) |
|
寒帯 | 寒帯大陸性気団(cP) | 寒帯海洋性気団(mP) |
熱帯 | 熱帯大陸性気団(cT) | 熱帯海洋性気団(mT) |
赤道 | 赤道大陸性気団(cE) | 赤道海洋性気団(mE) |
[編集] 日本周辺の気団
[編集] シベリア気団
寒帯大陸性気団に属する。秋から冬にかけてシベリアの大陸上に居座る、低温で乾燥した気団。シベリア寒気団ともいう。冬の西高東低の気圧配置の一翼となり、日本海側に大雪、太平洋側に空っ風(からっかぜ)をもたらす。
[編集] オホーツク海気団
寒帯海洋性気団に属する。春と秋にオホーツク海上に居座る、低温で湿潤な気団。梅雨前線と秋雨前線の発生の一因となる。
[編集] 揚子江気団
熱帯大陸性性気団に属する。中国中東部(華中)に居座る、高温で乾燥した気団。春と秋に、この気団の勢力が日本列島に及ぶと、さわやかな晴天になる。
[編集] 小笠原気団
熱帯海洋性気団に属する。春から秋にかけて日本列島南東の太平洋海上に居座る、高温で湿潤な気団。日本に特有な、蒸し暑い夏の主要因である。夏の南高北低の気圧配置の一翼となる。