棋聖 (囲碁)
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棋聖(きせい)
- 囲碁の歴史の中で抜群の強さを発揮した棋士に与えられる尊称。日本では主に江戸時代の三人の大棋士本因坊道策・本因坊丈和・本因坊秀策に使われることが多く、それに次いで呉清源は「昭和の棋聖」と呼ばれる。中国では清代初期の黄龍士に対して使っていたが、1988年に中国囲棋協会から聶衛平に棋聖の称号が与えられた。
- 囲碁の棋戦の一つである棋聖戦に優勝した棋士に贈られるタイトル。
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[編集] 棋聖戦
1976年創設。読売新聞社主催。日本の国内棋戦中、賞金が最高額(2005年現在、4200万円)であるため、国内のタイトルの序列では最高の位置に列せられる。
棋聖戦を五連覇以上した棋士は、60歳以降に名誉棋聖を名乗る権利を得る。2005年現在、藤沢秀行・小林光一の2人がこの権利を得ている。
女流戦にも女流棋聖戦があり、また韓国、中国にも同名の棋戦がある。
[編集] 方式
24期までは初段から九段までの各段戦を行い、それぞれの優勝者とタイトル保持者による最高棋士決定戦トーナメントで挑戦者を決定した。
25期以降は、各段まずトーナメント戦によって4人を選出する。それに前年度の挑戦者(または前棋聖)と前年度のリーグ戦の残留者の8人を加えた計12人をAリーグ、Bリーグに分けて、総当りリーグ戦を行う。このリーグ戦で下位2人(計4人)はリーグ陥落となり、翌年度はトーナメント戦からの出直しとなる。それ以外の棋士はリーグ残留となる。両リーグの一位同士が挑戦者決定戦を行い、挑戦者決定戦の勝者がタイトル保持者と七番勝負を行い、優勝者を決める。勝ち数が同じ場合は、予め決められている序列によって勝ち上がりないし陥落が決まる。順位は、前挑戦者(前棋聖)が一位で、その他は前年度のリーグ戦の結果順、トーナメントからの棋士は一番下である。
[編集] 歴代棋聖
左が勝者
- 1977年 藤沢秀行 - 橋本宇太郎
- 1978年 藤沢秀行 - 加藤正夫
- 1979年 藤沢秀行 - 石田芳夫
- 1980年 藤沢秀行 - 林海峰
- 1981年 藤沢秀行 - 大竹英雄
- 1982年 藤沢秀行 - 林海峰
- 1983年 趙治勲 - 藤沢秀行
- 1984年 趙治勲 - 林海峰
- 1985年 趙治勲 - 武宮正樹
- 1986年 小林光一 - 趙治勲
- 1987年 小林光一 - 武宮正樹
- 1988年 小林光一 - 加藤正夫
- 1989年 小林光一 - 武宮正樹
- 1990年 小林光一 - 大竹英雄
- 1991年 小林光一 - 加藤正夫
- 1992年 小林光一 - 山城宏
- 1993年 小林光一 - 加藤正夫
- 1994年 趙治勲 - 小林光一
- 1995年 小林覚 - 趙治勲
- 1996年 趙治勲 - 小林覚
- 1997年 趙治勲 - 小林覚
- 1998年 趙治勲 - 依田紀基
- 1999年 趙治勲 - 小林光一
- 2000年 王立誠 - 趙治勲
- 2001年 王立誠 - 趙善津
- 2002年 王立誠 - 柳時熏
- 2003年 山下敬吾 - 王立誠
- 2004年 羽根直樹 - 山下敬吾
- 2005年 羽根直樹 - 結城聡
- 2006年 山下敬吾 - 羽根直樹
- 棋聖を冠したのはわずか7人。そのうち藤沢秀行、趙治勲、小林光一の3人だけで通算22期を制している。