武宮正樹
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
武宮 正樹(たけみや まさき、1951年1月1日 - )は、囲碁のプロ棋士。東京都出身。日本棋院所属。
中央から相手を圧倒し、中央に大模様を作る厚み重視の棋風で知られる。また天才肌の打ち手で、綿密な棋風というよりも感性の棋風と呼ぶこともできる。田中三七一・木谷実に師事。尊敬する棋士は藤沢秀行名誉棋聖など。
先番では三連星を愛用し、地よりも中央での展開を重視した独特の感覚から作られる大模様作戦は宇宙流と呼ばれファンも多い。一方、白番二連星から柔軟に展開される模様にこだわらない流水のごとくしなやかな碁は自然流と呼ばれ、プロ棋士の間で人気が高い。
同じ木谷実門下の石田芳夫、加藤正夫と並んで木谷三羽烏と呼ばれる。
棋風のみならずその人柄も親しまれ、テレビ解説でみせる人懐っこい話し方からもその性格は窺える。その陽気な性格から、当時名人だった小林光一の棋風を地下鉄流と揶揄したり、「三々に打つと碁盤から落っこちそうだ」などと発言したりと数々の逸話を持つが、周りに嫌われる事も無く、日本棋院の棋士の中で特に人気の高い棋士の一人である。
趣味はゴルフ、バックギャモン、歌、麻雀などと多彩で、いずれもプロ級の腕前という。特にバックギャモンにおいては、三大タイトルの一つである盤聖戦で、第12期盤聖となった(2005年)ほどの腕前を持つ。また歌についてはレコード(CD)デビューもしている。能書家でサイン色紙には「遊神」「宇宙流」「鮮雲」等をよく揮毫する。交友関係も多く囲碁界随一。
プロ棋士の武宮陽光は長男。
目次 |
[編集] 履歴
- 1962年 11歳のとき、田中三七一に師事。日本棋院院生になる。
- 1964年 13歳の時、プロ試験合格。
- 1965年 木谷実門下に入門。入段。
- 1968年 三段でプロ十傑戦の8位に入賞し、「十傑戦ボーイ」と呼ばれる。
- 1971年 初のタイトル首相杯争奪戦優勝
- 1976年 石田秀芳本因坊を破り、本因坊を獲得
- 1988年 世界囲碁選手権富士通杯優勝
- 1989年 富士通杯優勝
- 1995年 名人位を獲得
[編集] 七大タイトル獲得数
[編集] 記録
- 首相杯争奪戦優勝2回(1971年、1973年)
- NECカップ優勝2回(1982年、1986年)
- NHK杯優勝(1989年)
- 世界囲碁選手権富士通杯2回(1988年、1989年)
- テレビ囲碁アジア選手権戦4連覇(1989年~1992年)
- 早碁選手権優勝2回(1978年、1989年)
- 鶴聖戦優勝(1990年)
- 2006年2月9日 通算1,000勝達成(史上8人目)