桂川甫周
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桂川 甫周（かつらがわ ほしゅう）は2名居り、それぞれ桂川家の礎である桂川甫筑から数えて、4代目と7代目に当たる。桂川家は、第6代将軍徳川家宣から代々将軍家に仕える幕府奥医師であり、特に外科の最高の地位である法眼を務め、その為蘭学書を自由に読む事が許されていた。死後、両名とも東京都目黒区三田の上行寺の桂川家一門の墓に葬られたが同寺の移転に伴い、現在は神奈川県伊勢原市上粕谷に墓が存在する。また、東京都にあるときに史跡指定を受けている為、都指定史跡の看板が神奈川県の同寺内に掲げられている状態である。
いくつかの資料は、7代目甫周の次女である今泉みねの子孫の手により早稲田大学に寄贈されており、同大学で公開展も行われた事がある。また、桂川家の館は東京都中央区築地1丁目10番地にあたり、現在同地に碑が立っている。
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[編集] 4代甫周
宝暦元年（1751年）-文化6年6月21日（1809年8月2日）は、医師及び蘭学者。名は国瑞（くにあきら）であり、甫周は通称である。月池・公鑑・無碍庵などの号を用い、字は公鑑。
父桂川家3代目桂川甫三は、前野良沢、杉田玄白と友人で、解体新書は、彼の推挙により将軍に内献した。弟に、森島中良（蘭学者・戯作者）がいる。
[編集] 功績
弱冠21歳で、オランダの医学書『ターヘル・アナトミア』の翻訳に参加。ツンベルクについて外科術を学び、その名はツンベルクの著した「日本紀行」により、海外にも知られていた。
教育者としても優れ、幕府が設立した医学舘の教官として任じられた他、享和2年「顕微鏡用法」を著し、顕微鏡を医学利用した初めての日本人として知られるとともに、その使用法の教授を徳川家斉等に行い、普及に努めた。また、オランダ商館長から贈られた、蝋製の人頭模型を基に、日本初の木造人頭模型の作成を指示したなどの功績が有る。
寛政4年、ロシアから大黒屋光太夫、磯吉が送還されると、徳川家斉にその調査を命ぜられ、『北槎聞略』を編み献上した。その他『漂民御覧之記』以下、外国地理に関する訳著がある。
[編集] 7代甫周
1826年（文政9年）-1881年（明治14年）は、医師及び蘭学者。名は国興（くにおき）であり、甫周は通称である。
父は6代目である甫賢、娘に今泉みね（名ごりの夢を著した作家）。
[編集] 功績
オランダ商館長のヘンドリック・ドゥーフ(Hendrik Doeff)が、先に刊行されていたフランソワ・ハルマ(François Halma)の「蘭仏辞書」（1729年）を参考に著した「通布字典」（1833年完成）を校正及び改訂し、安政2年（1855年）に上巻・安政5年（1858年）に下巻の2巻からなる「和蘭字彙」を発行した。同書は、9万語を収録し本格的な蘭和辞典として江戸時代の最高峰にあり、また対訳辞典の基礎としてその後の辞典に大きな影響を及ぼした。
