月風魔伝
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月風魔伝 | |
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ジャンル | アクションロールプレイングゲーム |
対応機種 | ファミリーコンピュータ |
発売元 | コナミ |
人数 | 1人 |
メディア | 2Mbカセット |
発売日 | 1987年7月7日 |
『月風魔伝』(げつふうまでん)は、1987年7月7日にコナミ(現・コナミデジタルエンタテインメント)から発売されたファミリーコンピュータ(ファミコン)用アクションゲーム。アクションゲームではあるが、ロールプレイングゲーム的な要素も取り入れられている。 非常に優れた音楽によって醸し出される世界観、洗練されたシステムには高い定評がある。
目次 |
[編集] 概要
主人公は月 風魔(げつ ふうま)。3本の「波動剣」を取り戻し、凶鬼島(きょうきとう)の「龍骨鬼(りゅうこつき)」を倒すことが目的である。
ちなみにゲーム開始直後に遭遇する老婆には「龍骨鬼を倒し、波動剣を取り戻せ」という事を言われるのだが、言ってしまえばこれはミスリードというやつで、実際に行動する順番としてはあくまで波動剣奪還が先である。波動剣3本を取り戻して初めて龍骨鬼の元へ行けるようになる。
[編集] システム
[編集] 「けん」と「いのち」
このゲームでは「けん」「いのち」という2本のゲージがある。「けん」は剣で攻撃したときにおける攻撃力で、敵を倒す回数を重ねるごとにアップしていく(RPGでいう経験値のようなもの)。「いのち」は月風魔の生命力を表し、ダメージを受けるごとに減っていき、0になると1ミスとなる。
[編集] パスワード
ゲームオーバー時に画面に表示されるパスワード(16文字)をメモしておくと、次回プレイ時にそのパスワードを入力することにより、続きからゲームを再開することができる。
ちなみに、このパスワードの事をゲーム中ではふっかつのじゅもんと呼ぶ。
[編集] アイテム
月風魔の武器は通常は剣であるが、アクション面や店で、保持可能なアイテムを手に入れると、アクション面などでそれらを使用または装備することができる。スタートボタンでポーズをかけ、ABボタンでアイテムを選択してポーズを解除すれば使用可能。
[編集] 一般アイテム
- 金
- 横スクロールアクション面で敵を倒すと出現することがある。取ると所持金が増える。敵によって金額は違う。時間が経過しても画面から消えない。
- 魂
- 横スクロールアクション面で敵を倒すと出現することがある。青と白に点滅しながら、画面上に向かってゆっくりと上昇していく。取ると「いのち」が回復する。回復量は敵によって違う。
- わら人形
- 横スクロールアクションの特定の場所にあり、取ると1UP。一度取ると二度と手に入れることはできない。
[編集] 攻撃アイテム
使用するにはポーズ中にBボタンで選択する。
- 守り太鼓
- 非売品。前方に「力」の文字を飛ばして敵を攻撃。攻撃力は低い。
- 岩の剣
- 横スクロールアクション面で、行く手を防ぐ岩を破壊することが出来る。威力自体は普通の剣と同じである。ゲーム中、金200で売っている店が1箇所のみあり、そこでしか手に入らない。このアイテムが無いとゲームクリアは不可能である。
- 魔性のコマ
- 非売品。使用するとジャンプするだけで回転攻撃となり敵にダメージを与えられる上に、回転の間は敵からの攻撃には無敵になるという強力なアイテム。ただし着地する瞬間には隙があり、ジャンプできる高さ・距離もやや落ちる。他のいくつかの武器とは併用が可能。
- 呪いの爆薬
- 斜め下に落ち、爆風が一定時間地面を這う。段差の下にいる敵などに有効。店で金500で買える。
- 手裏剣
- 前方に三つ同時に飛ぶ飛び道具で、かなり強力。店で金900で買える。
- 呪いの衣
- あちこちの店で売っている。一定時間無敵になれて、効果が切れそうになると警告音で知らせてくれる。
- 波動剣
- 3本全て揃えると使用可能となる。攻撃判定もダメージも大きい波動を3方向に飛ばす最強の武器。岩も壊すことができる。
[編集] 防御アイテム
使用するにはポーズ中にAボタンで選択する。
- お守り
- 月風魔の防御力を上げ、ダメージを減らしてくれる。特定の店で買える。
- 薬
- 「いのち」を約半分回復。各地の店で購入可能。たまに横スクロールアクション面でも入手できたり、3Dダンジョン面で拾えることもある(3Dダンジョン面のものは、ストック出来ず、その場で使用するものとなる)。
- 呪文の赤玉
- 3Dダンジョン面の敵を一撃で倒す。一回限りの使い捨て。購入可能。
- 呪文の青玉
- 横スクロール面で、画面上の敵を全滅させる。また、特定のボスキャラクターとの戦いの際、これを使うと戦いが楽になる。一回限りの使い捨て。各地で購入可能。
- コンパス
- 3Dダンジョン面で月風魔が向いている方角を表示。
- ろうそく
- 3Dダンジョン面で洞窟を明るく照らす。
- 守り玉
- 月風魔の周囲に4つの玉が回転し、敵弾を一定数防いでくれる。
[編集] マップ画面
このゲームは大きく3タイプのマップ画面に分けられる。
[編集] フィールドマップ
トップビュー方式のマップ画面。このマップでは敵キャラクターとの戦いは無い。道の途中にある鳥居に接触する、あるいは地上迷路をうろつく鬼に接触すると横スクロールアクション面に突入する。また、島と島を結ぶ洞窟や凶鬼島北部に多数ある洞窟も横スクロールアクション面となっている。
その他に、ほこらや店などもある。
- ほこら : 情報を聞いたり「鬼面符」を手に入れたりすることができる。
- 店 : 所持金でアイテムを買うことができる。
[編集] アクション面
サイドビュー方式の横スクロールアクション面。さまざまなタイプのアクション面が存在する。
敵の攻撃力はそれほど高くなく、多少の攻撃を受けながらでも敵を倒して「魂」を逃がさずとっていれば、追いつめられる事は多くなかった。なお、ダメージは敵の体当たりの方が大きく、敵が放つ弾を喰らってもそれほど「いのち」は減らない。
月風魔は、攻撃を受けると後ろに弾き飛ばされてしまうが、しゃがんでいればあまり大きくは飛ばされない。
ステージによっては足場が途切れている場合があり、体力が尽きた時の他にこういった地形からの転落でもミスになった。ちなみに本作では前述のふっかつのじゅもんを得るにはゲームオーバーになるしか方法が無かったので、ゲームを中断したくなったプレイヤーが素早く主人公を死なせるため、時にわざと月風魔に投身自殺を繰り返させて残機潰しをする事があった(敵の攻撃よりもスピーディーに死ぬ事ができた)。
[編集] 3Dダンジョン
凶鬼島のまわりにある3つの小さな島にそれぞれ1つずつ存在する。3Dダンジョン内でも特定の場所で敵キャラクターとの戦闘がある。3Dダンジョンで遭遇する敵の攻撃力は、横スクロールアクション面の敵と比べて非常に高い。体当たりを受けると「いのち」が3分の1減ることすらある。
3Dダンジョン内の敵には、頭部を攻撃することによってしかダメージを与える事は出来ず、頭部以外を攻撃しても少し硬直するだけである。Aボタンでジャンプし、Bボタンで攻撃するという「ジャンプ斬り」をしなければならないのだが、この戦闘では何故か剣の連打がかなり利くので、一度敵に攻撃を当てたら連続で一気にジャンプ斬りを当てると素早く倒せる。
この迷路を抜けると「三途の川」の横スクロールアクション面に突入し、その最深部に待ち受ける中ボスを倒せば「波動剣」を1本入手できる。この剣を3本手に入れれば、ラストボス「龍骨鬼」の城に入ることができる。
[編集] 『源平討魔伝』との関連
本作は発売当初から、1986年にナムコが製作したアーケードゲーム『源平討魔伝』に似ていた事で話題になっていた。以下、主な類似点を列挙する。
- ゲーム名が「げ」で始まって「までん」で終る。
- 妖怪を敵キャラクターに据えた、伝奇小説的な世界観を持つ和風テイストのアクションゲームである。
- 主人公の外見に「赤毛の長髪で、日本刀を武器にした鎧武者」という共通点がある。
- 剣の切れ味(攻撃力)を示すパラメータが存在する。
- 鳥居がステージの象徴になっている。
- 地形からの転落でミスになった場合、画面が切り替わって主人公が画面下方へ消えてゆく演出が用いられる。また、本作では上記の演出の後「死」という漢字一文字が画面中央に浮かび上がる演出が入るが、『源平討魔伝』でもゲームオーバーになった際には「完」と漢字一文字が浮かぶ演出が使われている。
しかし、このよう多くの類似点・共通点は見られたものの、全体的に見ると源平討魔伝とは全く違った内容の作品に仕上がっており、またゲームそのものの完成度も非常に高いものであったため、大きな話題にこそなったが、作品やメーカーに対する非難は起こらなかった。
なお、後にナムコから発売されたファミコン版の『源平討魔伝』には、このゲームに対してのちょっとした意趣返しのような要素が存在している(詳しくは源平討魔伝#その他を参照されたい)。
[編集] 関連項目
- コナミワイワイワールド - コナミのゲームキャラが多数集合している作品。その中に月風魔も登場している。
- ワイワイワールド2 SOS!!パセリ城 - 同上。
- 遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - コナミの遊び心で、月風魔と龍骨鬼がカード化され登場している。