政策科学研究所 (自民党)

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政策科学研究所（せいさくかがくけんきゅうじょ）は、かつて自由民主党内に存在した派閥。 通称、中曽根派→渡辺派→旧渡辺派。

[編集] 概要

[編集] 中曽根派

鳩山一郎の側近であった春秋会（河野派）が起源。河野死後の1966年、佐藤栄作を支持するかしないかで派が分裂。佐藤不支持のメンバーは中曽根康弘を中心とした「新政同志会」（中曽根派）を結成し、中曽根、中村梅吉、桜内義雄らによる集団指導体制の後、1968年12月に中曽根が会長となるが、その間に派閥は佐藤政権支持を打ち出して主流派となる。

1972年の総裁選では田中角栄を支持、1974年には角栄の天敵、三木武夫内閣を支持して主流派入りし、40日抗争では福田派、三木派と共に非主流派連合を形成。しかし、ハプニング解散では土壇場で非主流派を離脱し主流派入りするなど、風見鶏と揶揄された中曽根のもと、巧みな党内遊泳を見せ、その結果1982年中曽根が首相に就任し総裁派閥となった。

1978年から「政策科学研究所」（政科研）に派閥名を改める。中曽根が首相在任中、派内では渡辺美智雄の温知会系（武藤嘉文、山崎拓、越智伊平など）と藤波孝生の新生クラブ系（野田毅、佐藤文生など）の活動が活発となり、渡辺、藤波が派の後継者として主導権争いを始める。

しかしリクルート事件で藤波が失脚、中曽根も離党に追い込まれ、更には反渡辺の宇野宗佑が緊急登板で首相に就任するも大失態で短命政権に終わったことから、1990年2月、当時の中曽根派会長である桜内から禅譲される形で渡辺派が誕生した。

[編集] 渡辺派

会長に就任した渡辺だったが、派内は依然として中曽根の影響下に置かれた。中堅・若手議員はほぼ渡辺の影響下にあったが、佐藤孝行、中尾栄一、松永光ら幹部は渡辺と同格意識が強く、江藤隆美は「俺はミッチーの子分ではない」などと公然と言い放っていた。中曽根が自民党に復党し渡辺派最高顧問に就任すると、渡辺もそれを無視できず、中曽根の意見を取り入れた派閥運営を求められることになった。

渡辺は1991年、1993年の自民党総裁選に出馬するも、いずれも敗北。自民党が野党に転落すると同時に渡辺派の迷走も始まる。まず、渡辺が面倒を見てきた若手議員の自民党離党が相次ぎ、渡辺の手腕が疑問視され始める。首相就任を悲願としていた渡辺は、新生党の小沢一郎から「50人程度引き連れて離党してきたらあなたを総理大臣指名選挙で推す」との誘いに、本気で離党を考えるが、多数派工作が進まず断念。しかしこの誘いに一時乗ってしまったことで、渡辺の党内における名声は落ちてしまった。

1994年には自民党と日本社会党の連立合意による村山富市への首班指名に中曽根と共に造反し、海部俊樹に投票。中曽根は公の前で派閥幹部の佐藤や江藤から「あんたはもう群馬に帰ってしまえ!」などと罵倒され、渡辺も吊るし上げを食らった。山崎拓は独自に若手議員をまとめ、領袖である渡辺・中曽根の言うことは聞かないよう締め付けるなど、もはや派閥の体をなしていない状況に陥った。

渡辺は首相の座を目指す中、1995年に病没。渡辺死後、政科研は特定の政治的指導者（総理候補）を持たず、集団指導体制となる。

1998年1月、中堅・若手を中心とする山崎拓グループが政科研から独立し、近未来政治研究会（山崎派）を結成。総理・総裁候補に認めて欲しい山崎と、それを認めない中曽根系のベテランとの深い溝が原因であった。中曽根系は1999年、清和会から離脱した亀井静香グループと合流し、志帥会を結成した。