接ぎ木

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接ぎ木（つぎき、英語：grafting）とは、異なる2個体の植物体を、人為的に作った切断面で繋げて、1つの個体とすることである。このとき、上部にする植物体を穂木、下部にする植物体を台木という。遺伝的に異なる部分から構成されている個体を作る技術である。国際花と緑の博覧会で展示されたトマピーナも接ぎ木により作られた。

[編集] 目的と実例

新品種の増殖、保存および収穫までの期間の短縮

果樹一般

穂木：新品種

果樹の枝変わりや新品種は遺伝的に固定していないので、増殖には接ぎ木を利用する。

病害虫被害の回避

トマト

台木：病害抵抗性をもつトマト　穂木：トマト　

青枯れ病などの回避

スイカ

台木：ユウガオ・カボチャ・トウガン　穂木：スイカ

つる割れ病などの回避

ブドウ

台木：フィロキセラ抵抗性をもつブドウ　穂木：ブドウ

フィロキセラによる害の回避

経済的価値（品質・収穫数）の向上

キュウリ

台木：カボチャ　穂木：キュウリ

ブルームレス（果実表面の白い粉がない）キュウリを作る。

バラ

台木：ノイバラ　穂木：バラ

切り花本数の増加

植物体の矮化

リンゴ

台木：マルバカイドウ　穂木：リンゴ

樹木の高さを低くして（矮化）、収穫などの作業を行いやすくする。

[編集] 接ぎ木手法の種類

枝接ぎ（切接ぎ・割接ぎ）：芽を持った枝を穂木にして接ぐ。穂木と接触する台木の面の作り方で、切接ぎと割接ぎに分けられる。切接ぎは両者が斜面状に接する接ぎ方で、割接ぎは台木を垂直に割った間に穂木を挿入する接ぎ方。
芽接ぎ：台木の樹皮を剥ぎ、そこに芽を接ぐ。成功・失敗が早く判定でき、やり直しも可能。
根接ぎ：台木の根と穂木を接ぐ。樹勢回復のため用いられることもある。
呼び接ぎ：穂木を元の植物から切り離さない状態で接ぐ方法。台木と穂木の切断面を密着させ、活着を確認した後で、穂木の不要な部分を切り離す。
高接ぎ：穂木の状態とは関係なく、台木で接ぐ位置で分けた呼び方。植物の高い位置で継ぐ方法。枝接ぎ・芽接ぎなどで行われる。