恋愛ニート
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恋愛ニート(れんあいにーと)とは、異性と恋愛する事を諦めて、自分をそれに適した状態にしない人のこと。中高年や既婚者には使われず、もっぱら独身の若い世代の人に対して使われる。
何かに対して意欲がない若者に対して『○○ニート』と呼ぶ流れにのってできた造語の一つである。従って、ニート本来の定義とは関係なく、例え就職しようが学校に行こうが恋愛ニートたりうる。女性の場合は「男性恐怖症」と言われることが多く、一般には男性に用いられることが多い。恋愛は労働と異なるので「ニート」という用語は適当ではないとの意見もある。その一方、「男性にとって恋愛をして、女性を幸せにすることは義務である。」「女性は男性に愛されるのが、最高の幸せである。」との考えが日本人女性に蔓延しており、「ニート」の用語はそのような見方から生じたものであり、男性に多く用いられるのはこの思想(偏見)から生まれたことの証左であるとの意見もある。
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[編集] 原因
恋愛ニートになる主な原因として以下のようなものが主張されている。
- 恋愛に関する心理的外傷(パートナーとの死別、刑事訴訟、民事訴訟、行政処分をはじめとする社会的トラブル等)
- 異性と接する機会のない環境
- 個人の性格
- 神経系の障害や、ホルモンの分泌の異常、抗鬱剤の使用、持病等の医学的理由
- 近年、雇用情勢の悪化が深刻になり、社会的地位、法的な権限、財産(収入)等、他人より有利な条件・要素が、欠乏した人が増えた事。
原因は他にも様々なものが考えられる。各原因は、本人を主たる原因とするかどうかで、内部要因と外部要因に分けられる。複合的な要因によるものあり、場合によっては長期化や回復困難なこともある。
[編集] 内部要因型
容姿に対するコンプレックスや、過去の失恋などによるトラウマ、自己環境の不整備(経験不足)などに起因して、恋愛を諦めることがある。
内部要因を持つ者の特徴としては以下のようなものが挙げられている。
- 自分の容姿や性格を気にしてばかりいて恋愛に消極的になる。
- 自分の持病や身体障害を気にしてばかりいて恋愛に消極的になる。
- 医学的理由により、異性を認知できない。
- 恋に対して恐怖心を抱いている。
- 異性の付合い方に対し無知である。
- 異性とのコミュニケーションが上手に出来ない。
- 実は同性愛者なのだが、ホモフォビアから自らの同性愛指向を抑圧し、異性と恋愛できないことに劣等感を抱いている。
女性誌などでよく示される高度にマニュアル化された恋愛が、悪影響を与えているという主張がある。 マニュアル化された恋愛とのギャップを感じて恋愛に自信を失うケースや、マニュアル的恋愛に詳しくない為に相手から侮蔑されて自信を失うケースなどが、恋愛ニートを生んでいるという指摘である。
情報技術の発達が原因という主張もある。 インターネットに代表される各種メディアでは、直接相手と接することなく、文字などの手段を介して自己表現を行う。そのため、自分の気持を面と向かって言葉にして発信する経験が不足したり、そうすることに対して抵抗を感じる人が増え、結果として、それらの要素が求められる「恋愛」に対して自信を失ったり、諦めたりする人が急激に増加しているという指摘であり、男女ともに認められる。
以下のような理由で、意図的に恋愛ニートになる場合もある。
- 恋愛を億劫だと感じている
ストレス、肉体的疲労などの影響も指摘されている。
- 仕事や勉強を優先する
あえて恋愛との両立を目指さないことで、当該仕事や勉強へ集中する状況を作り出そうとすることがある。
- 恋愛に伴う経済的負担を避ける。
男女交際の上で、様々な出費が発生することがあるが、その費用を捻出する経済的余裕がなかったり、その分を趣味に回そうとすることがある。 現代日本では、恋愛期間中に発生する経済的負担について、男性が引き受ける比率が高いので、男性の間での、恋愛を避けようとする動きがより多いとされる。
意図的に恋愛ニートとなる人達には、恋愛経験者が多く、特に恋愛に対してのコンプレックスがあるわけではないことが多いので、将来的に恋愛ニートでなくなる場合も多い。
[編集] 外部要因型
恋愛ニートを生みやすい環境が指摘されている。主なものとして以下のようなものがある。
- 出会いの機会が無い職業についている(土木・建設やSE等、男女比率に偏りのある職業。学生であれば男子校・女子校、工学部)
- 職場恋愛機会の減少
- お見合いなど、恋愛を介さずに社会的に配偶者を探す仕組みが個人主義の影響等で少なくなってきたこと
[編集] 外部リンク
[編集] 関連項目
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