張形
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張形(はりがた)とは人体の一部を擬した玩具のこと。性具の場合はコケシやディルドまたはディルドーとも呼ばれる。
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[編集] 概要
日本では特に男性外性器の形のものをさすことが多い。陽物崇拝では、子孫繁栄を願ったお守りとしても用いられた。現在の日本でも、木製の巨大なモノが神社に祭られている場合もあり、神奈川県のかなまら祭(金山神社・別名「歌麿フェスティバル」・英語名「Iron Penis Festival」)は日本国外にも奇祭としてよく知られ、毎年4月第一日曜日には日本のみならず欧米からも、梅毒やエイズの難を避ける祈願で観光客を集めている。
この他にも地域信仰で体の悪い所(手足や耳・鼻といった部分)を模した木製の奉納物を神社に収める風習も見られ、古代のアニミズムにその源流を見出す事ができる。これらの人体の模造品は、その機能を霊的なものとしてシンボル化したり、または霊的な災い(祟り)による病気を代わりに引き受けてくれるものとして扱われた。
[編集] 性具として
これとは別に、性的な道具として、実用に供する張形もある。これは男性の陰茎を模した道具を指す。
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これらの道具は、以下のような用途が歴史的に見られる。
1は性的技巧のための道具であり、勃起機能が男性アイデンティティの根底にもあるため、類似する物品は世界各地・様々な時代に見出される。2も歴史的経緯が不明なほど古くから存在していたと見られる。本記事の写真のような物品は、江戸時代よりしばしば記録に上っており、大奥では女性自身が求めて使用していた模様だ。3は地域的な文化にも関連するが、処女が初めて性交する際の出血を避けるため、予め擬似的に性器を刺激して、実際の性交時には出血しないよう利用されていたと見られている。同様の発想は中世の欧州一部地域で、童貞と処女がまぐわうことを禁忌と考える文化もあり、初夜権のような風習との関連性も考えられる。
近年では大人のおもちゃ(性具)に分類されているが、もともとは電動などの機能の一切無いものを張形と呼んでいた。近代化にともなってそうした商品を流通させることが困難になったため、人形として顔を彫り込んでこけしと流通させたために張形という呼称は珍しくなった。また電動式こけしはバイブレーターとしてマッサージ器の一種ということで流通させていたため、張形という呼称は性具ではほとんど使われなくなってしまった。分類としては電動も可動もしないものをディルドまたはディルドー (dildo)もしくは「張形」と呼ぶ。
ディルドには、大きく分けて2種類ある。
- ディルド単体で使用するタイプ。
- 床に置いたり、手で持って使用。中には吸盤つきで壁や鏡に固定して使用するものや台座と一体化している製品も見られる。
- 体に装着して使用するタイプ(ペニスバンド)。
- ペニスの代わりとして使用。中には太ももや腕に装着できるタイプもある。変わったものとしては風邪のマスクのように耳からかけて顎先に装着して使うものもある。
これら現在市販されている物ではシリコーンなどの軟質合成樹脂素材のものや、金属製・ガラス製など様々なものが見られる。形状も陰茎に個人差があるように、様々な大きさ・長さ・色のものが見られ、人体の部分そっくりに着色されたものから、半透明なものや透明なもの、幾何学的な形状をしているもの、イボなどの突起を持つもの、ありえないほどに巨大なもの、人間以外の動物の性器を模した実物大のもの、人の拳を模したものなどバラエティに富んでいる。
用途としては、女性が自慰に用いたり、性行為の際の倒錯したプレイのための道具として、あるいは男性自身の倒錯した自慰行為に利用される。アダルトグッズショップや性具の通信販売では必ず見られる商品群である。
ただこれらは薬事法上で性具が避妊具などと同種の扱いで、所定の水準を満たす必要があるため、見た目的に用途が幾らあからさまであっても、製品によっては特に使用方法は明記せず「ジョークグッズ」として販売される場合があり、実質的に一般に見られるディルドの大半は性具以外の扱いとなっている。無理に使用すると感染症や負傷の危険性もあるため、注意が必要である。(→性具の注意点)