かなまら祭
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かなまら祭(かなまらまつり)は神奈川県川崎市の金山神社が毎年4月の第1日曜日に行う祭。男根を御神体とし、子孫繁栄・夫婦和合・性病除けなどを願う。
日本国外でも「歌麿フェスティバル」あるいは「Iron Penis Festival」として知られており、多数の観光客が訪れる。
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[編集] 概要
金山神社は神奈川県川崎市にある神社で、金山比古神(かなやまひこのかみ)ならびに金山比売神(かなやまひめのかみ)の二柱、別名かなまら様を御祭神として祀る。この神々は鍛冶と性の神であり、金物を扱う商人のほか、子授け・夫婦和合を願う人々によって信仰されてきた。
かなまら祭は、江戸時代に川崎宿の飯盛女達が願掛け(性病除け)を行ったことに端を発し、商売繁盛・子孫繁栄(子授け)・安産・縁結び・夫婦和合の御利益があるといわれる。エイズが蔓延するようになってからはエイズ除けの祭として国際的に知られるようになり、多数の観光客が訪れるようになった。また、女装した男性(ニューハーフ)が多く参加することも特徴であり、祭の重要な構成要員となっている。
流石に男性の局所を直接晒す訳ではなく、男性局所を模した張形を祭る。巨大な張り形の神輿は圧巻で、御本尊やエリザベス様の神輿が近隣の商店街を練り歩くそのシュールな風景は、各所のウェブサイト上に映像が掲載されている。
ちなみに、同じ敷地内に幼稚園がある。
[編集] 神輿
かなまら祭りでは、「かなまら大神輿」・「かなまら舟神輿」そして「エリザベス神輿」の三基の神輿が巡幸する。
かなまら大神輿は、台部が正方形で屋根が付き、内部に木製の男根が上向きに収められている。三基の神輿の中で最も古い。
かなまら舟神輿は、台部が舟型で屋根が付き、内部に黒光りする鉄製の男根が上向きに収められている。舟神輿は日立造船より寄贈されたものである。
エリザベス神輿は、台部に高さ1メートル50センチほど、直径50センチほどのピンク色の男根が上向きにのせられたもので、屋根はない。エリザベス神輿は亀戸の女装クラブ「エリザベス会館」から寄贈されたものである。他の二基の神輿は担ぎ手が地元の氏子中心であるのに対し、エリザベス神輿の担ぎ手はニューハーフが中心であり、「でっかいまら!でっかいまら!」という独特の掛け声とともに巡幸する。
神輿の行列は、「金棒 - 若宮祭祀舞 - 道中奉行 - 川崎古式消防記念会 - 大麻 - 塩撒き - 猿田彦(天狗) - 神官 - 御神酒(振る舞い酒) - 総代 - 来賓 - 参加者 - かなまら講 - エリザベス神輿 - 舟神輿 - かなまら神輿」の順となる。行列中の一般参加者は仮装しており、着物を来て帯刀した日本国外からの観光客も多い。
[編集] 風景
神輿以外にも、神社内外に多数の男性器・女性器を模った物事が見られる。神社の境内には男性器の形状をした柱などが見られ、大根を削って作る男形・女形は祭事の一環として神前に供えられる。また、金山神社は飴を名物とする川崎大師にもほど近く、かなまら祭においても男性器の形をした飴細工が売られている。