崔圭夏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

崔圭夏
{{{picture-type}}}
{{{caption}}}
各種表記
ハングル：	최규하
漢字：	崔圭夏
平仮名：（日本語読み仮名）：	さい・けいか
片仮名：（現地語読み仮名）：	チェ・ギュハ
ラテン文字転写：	Choi Kyuha
{{{alphabet-type}}}：	{{{alphabet}}}

崔圭夏（チェ・ギュハ、1919年 7月16日 - 2006年 10月22日）は、大韓民国第10代大統領。号は玄石。

江原道原州市生まれ。1937年に旧京城第一高等普通学校（現・京畿高）を、1941年に東京高等師範学校英文科を卒業。一時教職に就くが、満州国に渡り満州国立大学大同学院に入学。ここを1945年に卒業し、45年にソウル大師範学部教授になったが、46年より33年間官吏を務めた。独立後は農林部糧政課長を振り出しに外務部通商局長、外務次官、外相を歴任。1971年に外交担当特別補佐官に就任し、1975年に金鍾泌の後任の国務総理（首相）。1979年 10月26日に朴正煕が暗殺（朴正煕暗殺事件）されると大統領権限代行となり、12月6日に大統領に就任し約8ヶ月間在任した。歴代大統領の中で在任期間は最も短い。

就任時には早期の改憲と民主化を約したものの、戒厳令下で殆どイニチアシブを発揮できないまま全斗煥の粛軍クーデターを追認せざるを得なかった。時代の中で翻弄され、自らの意思とは関係なく大統領職に就き自らの意思に関係なく辞任したと捉える立場の人からは「非運の大統領」と呼ばれた。

歴代の大統領の中では、最も人気の無い人物といわれているが、寝たきりになった洪基夫人の介護に尽力するなど、人間的な側面で再評価されていた。

特に1979年12月12日の粛軍クーデターにおいて、全斗煥ら新軍部の再三の説得に対しても「国防長官の裁可がなければ鄭昇和（陸軍参謀）総長の逮捕を認可することはできない」と頑として譲らなかったところをみても、決して無能な人物ではなかったといえる。言い換えれば、石橋を叩いて叩いてやっと渡るような慎重な人物であったと言えよう。そのために激動の時期において大統領としてのリーダーシップは発揮できなかったとみるべきであろう。

2006年10月22日、急性心不全のためソウル特別市で死去。享年87。