宇摩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
宇摩(うま)とは、愛媛県東部、徳島県、香川県、高知県に接する地域の名である。現在の行政区画では四国中央市および新居浜市の一部(旧別子山村)に相当する。四国のほぼ中央に位置する。(四国中央市という市名の由来となったが、「中央」とすることについては賛否両論ある)
2004年4月1日に川之江市、伊予三島市と宇摩郡土居町、新宮村が合併して四国中央市が成立したことで宇摩郡の町村がなくなり、行政区画上宇摩の名は消滅した。合併による新市名に「宇摩市」も候補の一つとなっていたが、後述のように歴史的にも由緒あり、また少なくとも愛媛県内では一般に広くなじんでいる地名である。ただ、全国的には正しく読み、また書いてもらえないのではないかという意見もあり、結局、四国中央市となった。なお、法皇山脈にちなんで「法皇市」とする案も若手経済人等の間ではあったが、もったいなく恐れ多いということで、これも実らなかった。(この経緯については四国中央市を参照のこと)
四国山地の支脈の一つである法皇山脈が平地部の南の背後に屏風のように東西にそびえ、山脈の南に位置する地域は「嶺南」と呼ばれる。
歴史的にも古くからあった名称で、古文書によると、709年(和銅2)の「河内国古市郡西林寺事」に「伊予国宇麻郡常里」とあるのが郡としての名の初見とされる。また、「和名抄」に「宇摩郡」とあり、5郷が記されている。また、宇麻とも異記されている。このように古くは「宇麻」としていたようであるが、「和名抄」の「宇摩」を今日まで継承している。
地域名としての「宇摩」は、合併後も、当地をエリアとする農業協同組合(行政に先立っての広域合併により一市一農協となった)の名等に残っている。(ただし「JAうま」と愛称は「うま」)