太鼓台
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太鼓台（たいこだい）とは、
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[編集] 太鼓台（舁き山）
舁き山の太鼓台は、瀬戸内海沿岸を中心に西日本一帯で多く見られる。地域によって様々な違いがあるが、人が乗り込んで太鼓を叩き、太鼓の音に合わせて数十人～百人以上の人間で担ぎ上げ、練り歩くという形式は共通している。他の呼称としては、太鼓、布団太鼓、ちょうさ、千載楽（センザイラク又はセンダイロク等）、ヤッサ、御輿太鼓、布団だんじり、（総称として）屋台などがある。
神輿が神社の所有物であるのに対して、太鼓台は山車と同様に氏子地域からの出し物であることが多く、太鼓台の祭礼における役割は神輿渡御のお供や先導（露払い）および神前での練りによる奉納等である。
[編集] 概要
- 太鼓台（舁き山）は、山やお囃子の太鼓の台（櫓）が発展し生まれた、或いは、神輿を模して作られたと考えられ、起源地として京都などが考えられている。太鼓台の内部には太鼓が積まれており、人が乗り込んで叩き、その太鼓の音に合わせて掛け声をかけ、担ぎ上げる。この太鼓台という名前には、文字通り練り歩く際に太鼓の存在がどれほど重要であるかが現れている。
- 太鼓の叩き方は地方によって異なっており、掛け声も「チョーサージャ（又はヨーイッサージャ）」「ソウリャ、ソウリャ」「ヨーサージャ、ヨイヨイサージャ」等々地方ごとに特徴があるが、地理的に離れた地方同士で類似した掛け声をもつところもあり非常に興味深い。
- 基本的な構造は、台輪と呼ばれる土台部分に太鼓、担ぐための舁き棒（4本が最も多い）、高欄、四本柱と続き、この上に雲板、布団または重（2重～8重など地方により段数が異なり、また1段ごとに色が違うもの、1段ごと4隅に小さな房を付けたものなど様々である）と呼ばれる屋根があるものが一般的である。（例外：一部の地方では神輿屋根や 山車型の破風屋根も確認されている）
- 布団型の太鼓台の布団には四隅にトンボ又はまくら或いは括りとよばれる大きな布製の結び飾りがあり、これは雨雲を模したものとされる。また布団締めとよばれる飾りがあり、多くの場合 重の四方おのおのの側面に 金糸で高縫いされた左右一対のつがいの龍の刺繍が施されている。龍は一般に雨を呼ぶ神、またはその使いとされていることから、重の四隅の括りの両端から伸びる房が雨をあらわすものとされた。このため、とりわけ古来より渇水の多い香川県～愛媛県東部などでも特に稲作が盛んな地域では、「雨乞い神具」としての性質をもった意味合いで太鼓台がこの地方に特に広く分布したのではないかと考えられている。
- 一般的に太鼓台には神輿（神の輿）としての役割はないが、布団屋根の太鼓台の布団部分、また神輿屋根型の太鼓台の擬宝珠部分には神霊が宿る、と考える地域があることから、ある種の依り代とも考えられる。この場合 太鼓台が神輿としての役割を担うことになるので、神輿と同様 太鼓台に女性が触れることを禁忌としてタブー視する（した）地方も多い。
- 地車などの一般的な曳き山の山車と太鼓台・舁き山などが大きく違う点は、曳き山・地車は引いて運行されるのに対して、太鼓台・舁き山は担ぐという形式で足場状態の影響を受けにくいというという点であろう。担ぐことによって 段差や階段などの高低差のある場所や山間部等の坂路の多い地域においても比較的容易に祭礼に用いることができる。
- また一般に神前や観衆の見せ場（交差点などの広くなった場所）においての練りで最も多く行われるのが 太鼓台を肩よりさらに頭上高く持ち上げて舁く「差し上げ」である。その他にも、放り上げる、大きく揺らす、回転する、土台（台輪）部分のみで担ぐ、複数で練り競う（かきくらべ）、どちらが早く（何回で）差し上げられるかを競う、等といった動作で練るところがある。これはその地方の伝統が反映された特徴によるもので、その土地の祭礼ごとに異なる。
- 太鼓台の様式やその外観には、その地域の土地柄や文化を反映した伝統的な太鼓台の形態を残している地域もあるが、地域経済の発展によって現在では祭りの主導権が神社から氏子へ移り、新居浜太鼓祭りなどにみられるように神事よりむしろイベントとしての祭礼に変化した地域も増加している。近年では、近隣の他の地域の祭礼にも影響が及び、伝統的な形態の屋台を廃して流行の主流となりつつある形態にする地域や、さらなる大型化や飾り幕や刺繍などにより豪華で派手な装飾を施したものが多く見られるようになった。また珍しい例であるが地方によってはその地方特有に個別の変化をして太鼓台そのものの外観がすっかり変わってしまったところもある（愛媛県西条市の御輿が顕著な例）。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
[編集] 太鼓台（曳き山）
福島県や静岡県下田市、愛媛県西条市において曳き山の太鼓台が見られる。
- 福島県の太鼓台 破風屋根の曳き山。提灯が飾り付けられている。
- 下田市の太鼓台 下田太鼓の車輪つきの太鼓台。人形が飾り付けられている。
- 西条祭りの御輿 新居浜型の太鼓台に似た姿だがさらに大型で飾り面も大きく、高さ5m、重量2.5t、2輪の1.8mの木車により曳かれる。30人程の曳き夫(この地方では「かきふ」とよぶ)によって激しい囃子に合わせて暴れながら走る。呼び名でよく神輿と間違われる。
