名古屋嬢
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名古屋嬢(なごやじょう)は名古屋市とその近郊に在住する18歳から20代の女性を指し示す言葉の1つ。広い意味では名古屋周辺の若い女性一般、狭い意味では名古屋の裕福な家庭で育った、コンサバファッションの若い女性(いわゆる「お嬢様」)と広範囲の意味で使われる。
語源は、語呂合わせで「名古屋城」に「名古屋のお嬢様」を掛けたものだと思われる。
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[編集] 概要
名古屋市またはその近辺に在住の大学生から20代前半を中心とした一部の女性のことをさす、近年そのファッションやヘアースタイルが注目され「名古屋巻き」という髪型が生まれた。
[編集] 典型とされるスタイル
彼女達はたいてい「長く緩やかなウェーブ」という髪型をしており、これが東京のファッション誌で注目されいつしか「巻き髪」「名古屋巻き」などと呼ばれるようになった。しかし「名古屋巻き」と呼ばれる巻き髪の原型は神戸で考案されたようで、それに名古屋で多少のアレンジを加えたようである。
服装は「派手好きな名古屋人」というイメージとは異なって、落ち着いたコンサバファッションだが、その分をバッグやアクセサリーの派手さで補っている。ちなみに洋服も装飾品もすべてシャネル、エルメスなどのブランド物である。
[編集] 典型とされる家柄・学歴 ・ライフスタイル
近年は名古屋を中心とする中京地方の一部で、無理やりこのようなスタイルをする女子学生が多く見受けられるが、一般的なイメージでは、あくまでも彼女達は家庭が裕福なためブランド物を買うために汗水流して働くわけではなく、小遣いなど親からの支出によると思われている。しかし、洋服やアクセサリーなどの購入の際、中京圏の若い女性は、ファッションに関心の高い母親と同伴である場合が首都圏・京阪神の若い女性に比べて多いのは事実である。彼女たちの服装が落ち着いたデザインであるのは、母親との同伴では、品物の選択でその意見が反映されることも一因である。
名古屋嬢と呼ばれる若い女性は概ね、ローマ字の頭文字を取って「SSK」と呼ばれている椙山女学園・愛知淑徳・金城学院の、全国知名度は弱いが名古屋など中京圏では伝統のある女子教育を主とする3つの学校法人の大学(ただし現在、愛知淑徳の中学・高校は依然女子校だが、大学は共学化、他の2法人は現在も中学・高校・大学ともに女子校・女子大学)の在学生またはOGでないと認められないとする説があるが、そのような女性が名古屋嬢の典型であるに過ぎず、名古屋嬢は彼女達に限られるものではないと見るのが妥当であろう。先述の3つの学校法人の系列では、中学校から大学までエスカレーター制(学内進学)で進学する者が多い。そのような彼女達は受験勉強もなく、親から好きなものを与えられ、金銭にも困らず、大学卒業後は就職先も秘書や受付もしくは一般職につき、5年以内には結婚するという穏やかな少女時代を送っているとの、旧来からのイメージがある。
[編集] 便乗商品、ブランド店舗
このブームに乗っかり、リカちゃん人形では「名古屋嬢リカちゃん」なる商品も発売し、テレビでも名古屋嬢をテーマとしたドラマ『加藤家へいらっしゃい! ~名古屋嬢っ~』(メ~テレ)や、ワイドショーで度々名古屋嬢特集が放映されている。また小学生女児向けのブランドもナルミヤ・インターナショナルが人気で、デパートでは孫に買い与える祖父母にターゲットし絞った営業戦略を行っている。そうしたことで名古屋嬢予備軍も成長している。メーカー直営ショップも名古屋駅やその近辺のデパート内や繁華街の栄で直営店を出店したりと、『名古屋でブランド物といえばコメ兵』という構図が崩されつつある。