劉恢

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劉 恢（りゅう かい、生没年不詳）は、前漢初期の諸侯王（淮陽王～梁王～趙王）で、高祖･劉邦の庶子（第5子）。生母は不詳。文帝のすぐ下の異母弟。諡は共王。

[編集] 生涯

初めは淮陽王に封建される。紀元前196年夏に、梁王･彭越が謀反の兆しありと見た呂后（呂雉）は、既に弱気になった老人の彭越から｢わたしはもう年老いました。ですから、息子と共に王位を辞任し、隠棲して故郷の昌邑で平穏に暮らしとう存じます｣と涙を流して哀願した。そこで呂雉は彭越父子の嘆願を許可すると見せかけながら、彼等と長安に同行し夫の劉邦に彭越父子を処刑するように進言した。こうして妻に根負けした劉邦は彭越父子を処刑し、その肉を塩付けにし諸侯に贈ったという。

劉恢は惨殺された彭越に代わって、梁王に封建された。紀元前183年頃に彼のすぐ下の弟である趙の幽王･劉友が、呂雉の怒りを買い幽閉されて餓死すると、彼が趙王に転封された。梁国は“呂国”と変更され、呂雉の甥の呂産が封建された。さらに劉恢はその呂産の娘を妻に迎えた（或いは彼が淮陽王～梁王時代に迎えたとも言われる）。

ところが、劉恢の妻の呂氏は大叔母の呂雉と父の権威を持って夫を監視し、夫に対して傲慢で嫉妬深かったという。面白くない劉恢は数回のみしか妻と愛撫せず、もっと寵愛する側室と寝食を共にしていた。ところが妻の呂氏は夫の隙を見て、その側室を毒殺してしまった。側室の非業の死を聞いた劉恢は大いに嘆き悲しみ、彼女のために追悼の歌を作成し、宮殿の楽人にそれを演奏させ、愛する側室のために偲んだという。間もなく人生に絶望した劉恢は亡き側室の後を追って、毒を仰いで自決して果てたという。劉恢の趙王としての在位はわずか半年だったという。

ある説では、彼の異母兄･恵帝の子とされる少帝恭と少帝弘（常山王･劉義）は、劉恢と呂氏の間の子ともいわれるが、真偽の程は不明であるという。