利益誘導
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利益誘導(りえきゆうどう)とは、政権政党が、政権維持を目的に、支持基盤とする地域もしくは業界に便宜を図り、得票しようとすること。多くは、買収、供応など、違法な手段が用いられる。
利益誘導は、都市部の有権者には通用しにくく、農村部の有権者には通用しやすい面を持つ。農村部は、政権政党の政治家と人間関係が強いせいもあるが、農村部は大概めぼしい産業がなく、政治の力で公共事業を持ってきてもらわなければ仕事が得られない、インフラも整備されない、といった事情もある。
古くは岐阜羽島駅を誘致した大野伴睦、地元の埼玉県深谷駅に急行を停めた荒船清十郎、新潟県に新幹線を敷設した田中角栄が有名であるが、確証はえられていない。最近では、地元の特定の業者に落札の便宜を図ったとの嫌疑をかけられた鈴木宗男が、出所後、衆議院議員は地元の代表であり、地元の便宜を図ることは何ら間違ったことではないと力説している。