八尾市部落解放同盟員恐喝事件
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八尾市部落解放同盟員恐喝事件とは、大阪府八尾市発注の公共工事に絡む恐喝事件で、部落解放同盟員が逮捕された事件。逮捕された58歳の男性は、部落解放同盟大阪府連安中支部相談役であるとともに、NPO法人八尾市人権安中地域協議会の理事長でもあった。
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[編集] 恐喝の内容
2005年、八尾市が同市安中地区の市立保育所の移管先を堺市の社会福祉法人に決定したと公表した後、この男性は八尾市役所の保健福祉部を訪れ、同部次長に対して「毎日来たるぞ。座り込みもするぞ。分かっとんかい」「右翼と打ち合わせ、宣伝カーを回して市長のほめ殺しもするぞ」などと脅し、移管先を見直すよう求めたり、移管先を審議した選考委員名簿の公開を要求したりした。市はこの男性の要求を拒み、選考通り、2006年4月に保育所は堺市の社会福祉法人に無事に移管された。
[編集] えせ同和行為としての一面
読売新聞や朝日新聞によると、この犯罪には、いわゆるえせ同和行為としての一面もあった。この事件を起こした男性は、若い頃、飛鳥会事件の小西邦彦被告の運転手を務めていたことがあり、ある八尾市議会の議員は、「部落解放同盟の肩書を口にして業者を威嚇するようなこともあった。小西被告のように同和の看板を悪用して金もうけをしていたのではないか」と証言した。さらに、公共工事に絡んで地元協力金や部落解放同盟の安中支部への寄付金名目で業者から多額の金を上納させていたといわれていた。建設業者の間では、安中地区で工事を行う場合、業者がこの容疑者へあいさつに行くのは、一種の慣行になっているといい、ある業者は「工事を受注すると、八尾市の担当者から必ず、『地元対策をしっかりお願いします』と言われる。業者間では地元対策イコールこの容疑者への上納金というのが常識」と証言した。
[編集] 山口組元組員への上納金
共同通信によると、大阪府警捜査4課の調べでと、この男性は、山口組系健竜会(神戸市)の肩書きも持っており、同組の元組員の口座に3年間で計約2200万円を振り込んでいたことがわかった。恐喝を有利に進めるために暴力団の肩書きを使う見返りに、この金を支払っていたと見られる。
[編集] 裁判
2006年10月31日の初公判で、被告は「受け取った金は寄付金だった」などとして起訴事実を全面的に否認した。これに対し、検察側は冒頭陳述で、被告が暴力団との親交を背景に、八尾市発注工事の受注業者に請負額の3%を支払わせていたと指摘した。
[編集] 八尾市の同和行政見直し
この事件以降、八尾市の同和行政を見直しを行った結果、これ以外にもこの被告が理事長を務める同和団体が、市から長年にわたり清掃などの業務委託を受けるなど、八尾市と同和団体との不適切な癒着が次々と明らかになった。
この結果を受け、市は同和行政を見直す検討委員会を設置。委員会メンバーには弁護士や大学教授など6人が選ばれ、市の同和行政や同和団体との関係を再検討することになった。委員会は11月中に提言を取りまとめる予定だ。
[編集] 市議会における議員同士の対立
この事件を巡っては、「八尾市と解同との癒着構造」を問題にした個人質問を行った自民党系の三宅博議員に対して部落解放同盟系の吉村晴之議員が懲罰動議を提出し、三宅議員が懲罰委員会にかけられるという議員同士の対立に発展した。
[編集] 外部リンク
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