仮面ライダー剣 MISSING ACE
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仮面ライダー剣 MISSING ACE(かめんライダーブレイド ミッシングエース)は、2004年9月11日より全国東映系で特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション』と共に公開された『仮面ライダー剣』の劇場オリジナル作品である。TVシリーズに先駆けてブレイド・キングフォームやジョーカー、ギラファアンデッドなどが登場する。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
仮面ライダー剣 MISSING ACE |
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監督 | 石田秀範 |
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脚本 | 井上敏樹 |
出演者 | 椿隆之 黒田勇樹 三津谷葉子 杉浦太雄 石田未来 |
配給 | 東映 |
公開 | 2004年 |
上映時間 | 75分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 9億円 |
前作 | 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト |
次作 | 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼 |
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(■テンプレート/■ノート) |
目次 |
[編集] 概要
剣崎達・仮面ライダーの活躍により全てのアンデッドが封印されてから4年後がストーリーの後日談的位置付けとなる作品。だが、実際にはパラレルワールドを舞台としている(詳細は後述)。
また、新世代ライダーの3人には、映画『学校』で日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞した黒田勇樹、グラビアアイドルで女優の三津谷葉子、『ウルトラマンコスモス』で主人公春野ムサシを好演した杉浦太陽の弟である杉浦太雄を起用した。
TVシリーズでの戦いが終結した4年後を描いたストーリーであったが、その後放映されたTVシリーズ最終回は劇場版には繋がらない終わり方となり、TVシリーズと本作はパラレルワールドとなっている。この辺りの事情は「先行最終回」を謳い文句にしていたが、結局はパラレルワールドだった『仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』に近い。
しかしTVシリーズ最終回クライマックスまでは劇場版との繋がりを連想させる展開になっており、TV版最終回の剣崎の別の選択肢の可能性とも取れる。また東映プロデューサー・日笠淳によるとTV版終盤の撮影まで劇場版と話を繋げるかどうか、迷っていたらしい。
[編集] ストーリー
全てのアンデッドは封印された―はずだった。
剣崎一真―仮面ライダー剣―仮面ライダーとアンデッドの戦いに決着がつき4年、ライダーとなり人類を救った剣崎とその仲間達も、それぞれの未来へと歩み始めていた。
清掃員として生計を立てる剣崎、自らが記録したライダーとアンデッドの戦いの軌跡をまとめた本がベストセラーとなり、悠々自適な印税生活を送る虎太郎、結婚を間近に控えた栞、以前の戦いの記憶を忌み、全く新しい生活を送ろうとする睦月、烏丸と共に行方不明の橘、そして、カードに封印されたジョーカー=相川始と、彼との突然の別れから未だに立ち直れない天音―。
そんな中、突如として現れる異形の怪物達。彼らは4年前に封印されたはずのアンデッド達であった。戦いは終わったはずなのに、何故?しかし、驚くべき事はそれだけではなかった。アンデッド達の前に立ちはだかる3つの影、彼らはベルトを装着、出現した光のゲートを潜り抜け超人的な戦闘力でアンデッド達を瞬く間に封印していった。その姿は仮面ライダーを髣髴とさせるものであった……。
[編集] NEW GENERATION
TVシリーズの第28話(2004年8月8日放映)から第31話(2004年9月5日)で本編終了後(一部の地域を除く)に放映された本作の前日談。新世代ライダーの馴れ初めを描いている。
本編終了後に本作の紹介ドラマを放映する方式は次作『仮面ライダー響鬼』でも引き継がれている。
[編集] 登場人物・キャスト
[編集] 旧世代ライダー
かつて、仮面ライダーとして戦っていた者達。しかし現在、剣崎と睦月は引退し、始はジョーカーとして封印されている。
- 剣崎一真(椿隆之)
- 設定年齢26歳。仮面ライダー剣としてアンデッドと戦っていた青年。4年前最後のアンデッド・ジョーカー=相川始を封印し、アンデッドのバトルファイトに終止符を打った。(この時、ライダーキックを使用したが、技名の発声が無かったため、ライトニングブラストかライトニングソニックかは不明。)現在は清掃員をしている。
- 相川 始(森本亮治)
- 仮面ライダーカリスに変身する青年。その正体は最強のアンデッド・ジョーカーであり、4年前に剣崎の手によって封印された。しかし天音を救うため再び解放され、復活する。
- 橘 朔也(天野浩成)
- 設定年齢29歳。剣崎らとともに仮面ライダーとして戦っていた青年。4年前、烏丸所長とともにラウズカードの封印に向かい行方不明になっていたが、新世代ライダーを引き連れて剣崎らの前に現れた。しかし、新世代達の協調性の無さに頭を痛めている。
- 上城睦月(北条隆博)
- 設定年齢21歳。剣崎らとともに仮面ライダーとして戦っていた少年。現在は大学4年生になり、就職活動中である。最初は、再び仮面ライダーになる事を拒んでいたが、地球がアンデッドによって危機に陥っている事を見捨てる事もできず、再び戦う事を決意する。尚、変身する時に使用するカード(チェンジスパイダー)の背景の色が紫色である事から、おそらく4年前の戦いの後(アンデッド等に支配されないように)精神力が強くなったものと思われる。
[編集] 新世代ライダー
志村純一をリーダーとする3人の新世代ライダー達。三輪と禍木の二人は、志村によってスカウトされている。志村自身がもう一人のジョーカーであった事もあり、志村の意図で、能力面に問題無くとも、人間面に問題のある人物が選ばれたようである。
- 志村純一(黒田勇樹)
- 設定年齢22歳。橘の助手としてバトルファイトに潜む大いなる謎を研究をしている青年。優しさの塊のような男で募金活動をしていた少年たちの手伝いをした上財布をまるまる募金した。(後にTVシリーズ終盤に同じ名前の人物(警察官)が登場しているが本作の志村との関係は不明、もとい無関係。)しかし正体はもう1人のジョーカー・アルビノジョーカーだった。最終的には、天音をカードに封じ込め、古代地球の究極の力『14(フォーティーン)』と融合する。
- 三輪夏美(三津谷葉子)
- 設定年齢21歳。元OL。禍木とともに復活したピーコックアンデッドに襲われた際に志村と出逢い仮面ライダーにスカウトされた。口よりも先に手が出るタイプで、男に対する対抗心が異常なまでに強い。ライダーの力に完全に魅入っており、他のライダー達からもラウズカードを奪い取ろうとするが、それが仇になり、アルビノジョーカーに殺される。
- 禍木慎(杉浦太雄)
- 設定年齢21歳。元ウェイター。夏美とともに復活したピーコックアンデッドに襲われた際に志村と出逢い仮面ライダーにスカウトされた。優秀だが自信過剰で、旧世代ライダーの剣崎らを馬鹿にしている。また、剣崎達がライダーに戻ろうとした際には、それを妨害し攻撃しようとするなど、あまりにも協調性が無い。アルビノジョーカーに挑み死亡する。
[編集] その他の登場人物
- 栗原天音(石田未来)
- 設定年齢14歳。始が居候していた家の少女。始に対して淡い恋心を抱いていたが、始が自分に何もいわず突然いなくなった事から心の内が荒んでいき、現在では不良少女になってしまっていた。何故か復活したアンデッド達に狙われる。
- 白井虎太郎(竹財輝之助)
- 設定年齢27歳。かつて剣崎たちの戦いをサポートしていたジャーナリスト。彼らの事を描いた著作『仮面ライダーという名の仮面』がベストセラーになり、一躍人気作家になった。そのためか性格が悪くなっている。昔は牛乳を好んで飲んでいたがワインに転向した。現在は都内の超高級マンションに一人暮らしで、『仮面ライダーという名の仮面』の印税で遊んで暮らしていたが、剣崎たちとの再会を経て、元の格好に戻り、再び牛乳を愛する男となった。彼の部屋は、短い間ではあったがアンデッドサーチャーを備え、剣崎たちのアジトになっていた。
- 広瀬栞(江川有未)
- 設定年齢24歳。かつて剣崎らの戦いをサポートしていた人類基盤史研究所BOARDの研究員。現在では結婚を間近に控えていたためとても非協力的だったが、結局無視し切れず全面的にサポートするようになる。
[編集] 仮面ライダー
本作に登場した新世代ライダーとブレイド達旧世代ライダーが劇中で使用したカードコンボを紹介。
- 但しこの本作は劇中のカードコンボの際、技名の発声が無かったり劇中描写と食い違っていたりするため、どのカードコンボを使ったか正確には分からないことも多い。
[編集] 新世代ライダー
再び現れたアンデッドの脅威に対抗するために橘が制作した新たなライダーシステム。
アンデッドを封印したカードを使っていた旧世代と異なり、アンデッドの力を擬似的に再現したカードを使う点が最大の特徴で、
変身方式は仮面ライダーレンゲルと同じオープンアップ方式である。
彼らが身に纏っているグレイブ/ラルク/ランスアーマーはいずれも金属糸・アーティフィシャルケプラーで編み込まれたアーティフィシャルスーツと超金属・オリハルコンプラチナ製の装甲から成り立っており、グラビティフォースを循環させる事で旧世代ライダーと同等かそれ以上のパワーを発揮する事が可能となる。
また、彼らが移動手段として使用するバイクは(少なくとも外見は)市販のものであるようである。
(※パンチ/キック力を表すAPは仮面ライダー剣と同じく100APで1tの破壊力となる。)
[編集] 仮面ライダーグレイブ(Masked Rider Glaive)
志村純一が変身する新世代ライダー。新世代ライダー3人の中でリーダー的役割を果たす。
その戦闘スタイルはブレイドの流れを汲んでおり、覚醒機・醒剣グレイブラウザーを使った剣技を得意とする。
グレイブバックルにWA「チェンジケルベロス(黄色)」をセットすることで、バックル内部から自動的にベルトが伸張し装着、「変身」のかけ声と共に(これは任意)バックルのカバーを展開すると、『Open Up』の電子音と共にWAの絵柄を模したオリハルコンエレメントのゲートが生成され、これを潜り抜ける事でグレイブアーマーが装着され、変身完了となる。
身長:203cm 体重:100kg パンチ力:300AP キック力:500AP ジャンプ力:ひととび35m 走力:100mを5秒で走る
- 使用カード
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- MIGHTY(Mighty Gravity)=『グラビティスラッシュ』(GRAVITY SLASH) AP消費値:3500AP
- グレイブラウザーの刃先に重力場を生成し、斬撃と共に敵に叩きつける。
- 攻撃対象:スキッドアンデッド、仮面ライダーブレイドJフォーム 他
[編集] 仮面ライダーラルク(Masked Rider Larc)
本作が公開される以前に、TV版の放送枠内に設けられた短編「NEW GENERATION」にて、禍木と共に志村にライダーとしてスカウトされた元OL・三輪夏美が変身する新世代ライダー。
ギャレンと同じく射撃戦を主体とした戦いをする。
ボウガン状の覚醒機・ラルクラウザーを使用する。
ラルクバックルにWA「チェンジケルベロス(赤色)」をセットし、バックル内部から伸張するベルトによって腰部に装着、変身のかけ声(任意)と共にバックルのカバーを展開、生成されるオリハルコンエレメントのゲートを潜り抜け、ラルクアーマーを装着し、ラルクと変身する。
身長:198cm 体重:95kg パンチ力:270AP キック力:450AP ジャンプ力:ひととび30m 走力:100mを5.5秒で走る
- 使用カード
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- MIGHTY(Mighty Ray)=『レイバレット』(RAY BULLET) AP消費値:3100AP
- ラルクラウザーから強力な光線を発射する。
- 攻撃対象:スキッドアンデッド 他
[編集] 仮面ライダーランス(Masked Rider Lance)
夏美と同様に志村にスカウトされた元ウェイターの禍木慎が変身するライダー。
レンゲルの特徴を色濃く残している。
刃先がアルファベットの「A」の形をした槍型の覚醒機・醒杖ランスラウザーのラウズ音もレンゲルラウザーと同一である(グレイブ、ラルクラウザーのラウズ音はいずれもブレイド、ギャレンラウザーと同一)。
ランスバックルにWA「チェンジケルベロス(緑色)」をセットし、グレイブ、ラルクと同様のプロセスでランスアーマーが装着され、ランスへの変身が完了する。
ランスアーマー、ラルクアーマーは男性用と女性用の仕様差はあるが、基本的なデザインはほぼ共通であり、
グレイブアーマーはこれらのアーマーに増加装甲などのアレンジを施したデザインとなっている。
身長:205cm 体重:107kg パンチ力:290AP キック力:480AP ジャンプ力:ひととび32m 走力:100mを5.7秒で走る
- 使用カード
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- MIGHTY(Mighty Impact)=『インパクトスタッブ』(IMPACT STAB) AP消費値:3400AP
- ランスラウザーを敵に接触させると同時に強力な衝撃波を叩き込む。
- 攻撃対象:スキッド、タランチュラアンデッド 他
- MIGHTY(Mighty Impact)=『インパクトスタッブ』(IMPACT STAB) AP消費値:3400AP
[編集] 旧世代ライダー
4年前のアンデッドとの戦いが終結した後もブレイド、ギャレン、レンゲルの各ライダーシステムは破棄されずに橘の元で保管されていた。
しかし、ブレイド、レンゲルへの変身に必要なスペードとクラブのAであるビートルアンデッドとスパイダーアンデッドが解放されてしまったため、変身の為にはまず彼らを封印しなければならなくなってしまった。
[編集] 仮面ライダーブレイド
- ノーマルフォーム
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- ♠5+6+9=『ライトニングソニック』(LIGHTNING SONIC) AP消費値:3800AP
- 攻撃対象:リザードアンデッド
- ジャックフォーム
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- ♠2+6=『J・ライトニングスラッシュ』(J・LIGHTNING SLASH) AP消費値:1600AP
- 攻撃対象:仮面ライダーグレイブ
- キングフォーム
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- ギルド♠10+J+Q+K+A=『ロイヤルストレートフラッシュ』(ROYAL STRAIGHT FLASH) AP消費値:11200AP
- 攻撃対象:14
[編集] 仮面ライダーギャレン
- ノーマルフォーム
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- 使用コンボなし
- ジャックフォーム
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- ♦2+4+6=『J・バーニングショット』(J・BURNING SHOT) AP消費値:2200AP
- 攻撃対象:スパイダーアンデッド
[編集] 仮面ライダーカリス
- ノーマルフォーム
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- 使用コンボなし(しかし、スピニングアタック或いはスピニングダンスとおぼしき技を繰り出した。)
- ※ワイルドカリスは劇中に登場せず
[編集] 仮面ライダーレンゲル
- ノーマルフォーム
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- 使用コンボなし(ブリザードクラッシュらしきクロスキックを繰り出したが、技名の発声が「ブリザード」のみだったため、ブリザードクラッシュなのかポーラーブリザードを使いながらのキックなのかは不明)
[編集] アンデッド
[編集] アルビノジョーカー
四年前に烏丸からラウズカードを奪い、アンデッドたちを復活させたジョーカーの亜種。14の力を求めて暗躍する。
身長:219センチ 体重:116キログラム
[編集] アルビローチ
アルビノジョーカーに従う怪物。集団で行動する。厳密にはアンデッドではない。
身長:192〜206センチ 体重:92〜118キログラム
[編集] 14(フォーティーン)
バトルファイトの勝利者に与えられる、巨大な力の象徴と言える邪神。石版に封印されており、すべてのカードをそろえると出現するバニティカードにある人物を封印し石版に納めると出現する。勝利者と融合し、新世界を築くために現在の世界を破壊する。厳密にはアンデッドではない。
全長:50メートル 体重:204トン
[編集] ゲスト出演
- ゲスト出演 『仮面ライダー555』より
- 特別出演
- RIDER CHIPSのメンバー
- 野村義男
- 寺沢功一
- JOE/宮脇知史
[編集] スーツアクター
- 仮面ライダーグレイブ・アルビノジョーカー:永瀬尚希
- 仮面ライダーラルク:小野友紀
- 仮面ライダーランス:伊藤慎
- スキッドアンデッド、ビートルアンデッド、アルビローチ:高岩成二 ※仮面ライダーブレイド役
- ギラファアンデッド、バッファローアンデッド、アルビローチ:押川善文 ※仮面ライダーギャレン役
- イーグルアンデッド、アルビローチ:岡元次郎 ※仮面ライダーレンゲル役
[編集] 外部リンク
- メイキング - 東映公式サイト内