交響曲第7番 (ベートーヴェン)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
![]() |
クラシック音楽 |
---|
作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ |
ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
音楽史 |
古代 - 中世 |
ルネサンス - バロック |
古典派 - ロマン派 |
近代 - 現代 |
楽器 |
鍵盤楽器 - 弦楽器 |
木管楽器 - 金管楽器 |
打楽器 - 声楽 |
一覧 |
作曲家 - 曲名 |
指揮者 - 演奏家 |
オーケストラ - 室内楽団 |
音楽理論/用語 |
音楽理論 - 演奏記号 |
演奏形態 |
器楽 - 声楽 |
宗教音楽 |
メタ |
ポータル - プロジェクト |
カテゴリ |
交響曲第7番イ長調作品92はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの作曲した7番目の交響曲。明るい曲想から非常に人気があり、ベートーヴェンの9つの交響曲のうちでも演奏される機会は非常に多い。
目次 |
[編集] 概要
ベートーヴェンの交響曲中でも最もリズミカルな作品であり、明るく軽快な曲想から非常に人気がある。第5番や第6番におけるさまざまな新たな試みの後に、再び正統的な手法による交響曲に回帰した作品であり、9つの交響曲中最もバランス感覚に優れた作品といえる。
ベートーヴェンの9つの交響曲は、奇数番号は大曲、偶数番号は小規模と言われ、この作品も3番『英雄』、5番(運命)、9番(合唱付)と並ぶ大曲として知られる。ベートーヴェンの交響曲は、これらの4作品と第6番『田園』を含めた5曲が有名だが、第7番にはこれらの作品中唯一題名が付されていない。このため、ファン以外には知名度が低く、マイナー視されることも少なくない。しかし、多くの音楽家が認める通り、この作品は間違いなくベートーヴェンの代表作のひとつといえる完成度を誇っているといえる。
リヒャルト・ワーグナーはこの曲を舞踏の聖化と呼んでたたえている。しかしその一方では、カール・マリア・フォン・ウェーバー、トーマス・ビーチャムらは激しく非難もしている。
[編集] 作曲・初演
1811年から1812年にかけて作曲された。
初演は、1813年2月8日、ウィーンにて、ベートーヴェン自身の指揮によって行われた。同じ演奏会でウェリントンの勝利も初演されている。初演は成功であり、第2楽章はアンコールを求められた。
[編集] 編成
第3番のような拡張されたホルンパートはなく、第5番や第6番のようにピッコロやトロンボーンを動員することもなく、第9番のような合唱はもちろん使用されていない。また書法も第3番や第9番に比較して明瞭であり、古典的、正統的な管弦楽といえる。
[編集] 曲の構成
古典的な交響曲の形式に従うが、緩徐楽章(第2楽章)では通例「遅く」などと指定されるところを「やや速く」と指定されている。また、全曲を通してリズムが支配的であり、快い速度で全曲を駆け抜けていく。演奏時間は約35分。
[編集] 第1楽章 Poco sostenuto - Vivace
テュッティで四分音符が強く奏され、オーボエがソロで奏でる。そして、長大な上昇長音階の輝ける序奏の後、付点音符によるシチリアーノの軽快なリズムの音楽が始まる。第1主題はフルートの楽しげなソロによって提示される。そこから付点音符の動機が全曲を通して反復されるため第2主題との対比は少ない。シチリアーノが主題部展開部再現部すべてを支配しておりワーグナーの評が指示する通りである。コーダでは低弦によるオスティナートが用いられている。
[編集] 第2楽章 Allegretto
初演時に聴衆から熱狂的に支持された楽章。シューマンはこの主題を基に変奏曲を遺しているし、ワーグナーはこの楽章をさして「不滅のアレグレット」と呼んでいる。複合三部形式の主部は変奏曲の形式であり、頑なに同音が反復されつづける静的な旋律でありながらも、和声的には豊かに彩られている。
ヴィヴァーチェ、プレスト、アレグロが立て続けに演奏されるこの曲の中では、「アレグレット(少し速く)」は、比較的遅い速度設定である。ベートーヴェンは、ゆっくり、しかし普通のアンダンテやアダージョよりは速くしてほしい、という意図で、このように設定したようである。
[編集] 第3楽章 Presto
スケルツォとトリオ。(ただしトリオは二回現れ、ABABAの形式になっている)
[編集] 第4楽章 Allegro con brio
ロンド風のフィナーレ。またもや同一リズムの反復により統一されている。第1主題はアイルランドの民謡の旋律からとられたとされている。第1楽章同様、コーダでは低弦によるオスティナートが演奏される。
[編集] 関連項目
- TVドキュメンタリー『COSMOS』にて使用されていた。
- アニメ『銀河英雄伝説』- ドーリア星域会戦、要塞戦のBGMで、第四楽章が使用されている。また、第二楽章は映画版第二作で使用されている。
- アニメ『ドラゴンハーフ』 - OVAのエンディング曲に使用されている。
- テレビドラマ『のだめカンタービレ』 - オープニングで、第一楽章第一主題が使用されている。
- ソフトバンクモバイル - 「予想外編」のCMで使用されている。
[編集] 前後の作品
[編集] 註
- ↑ P.ハウシルトのブライトコプフ新版は開始を2/2としている