交通科学博物館
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交通科学博物館(こうつうかがくはくぶつかん)とは、大阪市港区にある交通・科学に関する博物館である。
大阪環状線弁天町駅の高架下にあり、西日本旅客鉄道(JR西日本)が所有し、財団法人交通文化振興財団が運営している。
展示場は、屋内展示場、屋外展示場、第2展示場の3つ。
屋内展示場のとっつきには、ML-500形リニアモーターカーがある。そして、鉄道省資料をもとに昭和初期の駅を再現した「昔の駅」、車掌ロボットポッポ君が映像で鉄道の歩みを紹介する「ポッポシアター」、そして信号に従って模型電車を運転する「模型電車の運転」には休日には順番待ちの長蛇の列ができる。
そして奥には当館で人気の高い「模型鉄道パノラマ室」がある。新幹線電車や寝台列車などの80分の1スケールHOゲージ鉄道模型車両が、巨大ジオラマの中を走行する運転ショーである。学芸員が集中制御板を操作し、解説を加えつつ手動で運転する。職員3名が日替わりで運転するが、マニュアルなど無いため、運転列車や車両の登場順番、解説内容、さらにはBGMもさまざまである。運転回数は、平日1日3回、土日祝は1日5回である。
屋外展示場は、実物車両展示が中心である。義経号など9台の車両がある「プラットホーム・プラザ」は、2代目京都駅1番ホーム上屋のトラス構造を利用している。
第2展示場は、屋内展示場と専用通路で連絡する。世界の鉄道を映像で紹介する「世界の車窓」、ディーゼル機関車、保線機器などが展示されている。弁天町駅改札口と直結する北口ゲートもある。
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[編集] 所在地
- 大阪市港区波除3-11-10
[編集] 交通手段
- JR大阪環状線:弁天町駅下車すぐ
- 大阪市営地下鉄中央線:弁天町駅「4番出口」下車すぐ
[編集] 沿革
- 1962年1月21日 - 大阪環状線全通を記念し「交通科学館」として開館
- 1987年4月1日 - 日本国有鉄道の分割・民営化に伴いJR西日本の所有施設となる
- 1990年7月20日 - 「交通科学博物館」に改称
- 1993年 - 展示室の全面改装
- 2000年7月 - イギリス・ヨーク国立鉄道博物館との姉妹提携を締結
- 2002年7月 - 屋外展示場「プラットホーム・プラザ」を建設
[編集] 主な展示物
- 鉄道車両
- 7100形蒸気機関車 7105号機「義経」((1880年製)1952年復元、鉄道記念物)
- 1800形蒸気機関車 1801号機(鉄道記念物)1881年製
- 230形蒸気機関車 233号機(鉄道記念物)1903年製
- D51形蒸気機関車 2号機 1936年製
- C62形蒸気機関車 26号機 1948年製
- EF52形直流電気機関車 1号機(鉄道記念物)1928年製
- DD13形ディーゼル機関車 638号機
- DD54形ディーゼル機関車 33号機
- DF50形ディーゼル機関車 18号機 1958年製
- クハ86形制御車(80系直流電車) クハ86001(準鉄道記念物)1950年製
- モハ80形電動車(80系直流電車) モハ80001(準鉄道記念物)1950年製
- キハ81形気動車(80系特急形気動車) キハ81-3(準鉄道記念物)1960年製
- スハシ38形3等食堂合造車 スハシ38101
- マロネフ59形2等寝台緩急車 マロネフ59 1(14号御料車と同形式車)1938年製
- ナシ20形食堂車(20系寝台客車) ナシ20 24(食堂として営業中)1970年製
- 21形制御電動車(博多方)(0系新幹線電車) 21-1
- 16形グリーン車(旧1等車)(0系新幹線電車) 16-1
- 35形普通ビュッフェ合造車(0系新幹線電車) 35-1
- 22形制御電動車(東京方)(0系新幹線電車) 22-1
- ML-500形リニアモーターカー(マグレブ) 1977年製
- サンフランシスコケーブルカー 61号車 1907年製
- 自動車
- 航空機
- ベルX-1のロケットエンジン(実物)
- メッサーシュミットMe163のロケットエンジン(実物)
- エアロコマンダー680F型小型機 1961年製
- 川崎式KAL-1型小型機 1953年製
- その他
- 福知山線(JR宝塚線)尼崎駅~宝塚駅間を運転可能。2005年のJR福知山線脱線事故以後休止中。