三菱・シャリオ
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CHARIOT(シャリオ)・CHARIOT GRANDIS(シャリオ・グランディス)は、1983年から2003年まで三菱自動車工業が製造・販売していたミニバン型乗用車。
1997年以前のモデルがシャリオ、1997年以降のモデルがシャリオ・グランディスである。
日産・プレーリーと並んでミニバンの先駆けといわれたクルマである。現在の後継車はグランディス。
目次 |
[編集] 車名の由来
- CHARIOT(シャリオ:フランス語)
- 古代ギリシャ・や古代ローマで使用された戦闘用二輪馬車の名前。
- GRANDIS(グランディス:フランス語)
- 雄大 (Grandios) の意味。「GRANDIS」は造語。
[編集] 歴代モデル一覧
[編集] 初代(1983年~1991年)
[編集] 特徴
- 1977年に開発が開始され、1981年にSSW(スーパースペースワゴン)として東京モーターショーに出品された。
- 2ボックスボディに3列シートという、当時は類を見ないタイプのクルマであったため、1982年に発売された日産・プレーリー、1983年に発売されたクライスラー・ボイジャーなどと並んで「ミニバンの嚆矢」と呼ばれている。
- トレディアをベースに開発された。車格としては現在は生産中止されたディオンに近い。
- 発売当時(1983年1月)のラインナップは、1800ccのMX(5速MT・3速AT)・MT(5速MT・3速AT)と、1600ccのMF(5速MT)・ME(受注生産/4速スーパーシフト)。
- 発売当初は2WDのみであったが、1984年に4WDが追加された。
- 4WDが発売された1984年のファラオラリー、ガソリン4WD無改造クラスにてクラス優勝した。
- 輸出もされ販売先によりSpaceWagon・Nimbus等があり、アメリカではクライスラーのダッジ部門よりColtVista、イーグル部門よりVistaWagonとしてOEM販売された。
- 最終的なグレードとしては、2L4WDのMT、MF、1.8L FFのMX、MF、MH、サンクス(当初は特別仕様車で登場。後にカタログモデルに格上げ)、1.8L FFターボディーゼルのMF。
- 中期には、1.8LガソリンターボのMR(G62B)も存在した。
- 4WD車(2L)は4MT×2(HiとLo切替トランスファー付)のみ、1.8LはELC3速ATと5MTが設定されていた。
- 特別仕様車に「ロスアンデス」(MTのバリエーションで冬季用ウインタースペシャル)や「ビーチボーイ」(5人乗り?)等もあった。
- CMキャラクターはディズニーキャラクターだった。
- TVCMは当時オープンしたての東京ディズニーランドのシンデレラ城前をパレードしている映像だった。
- 三菱自動車販売のディーラーではD0系の事をDOシャリオと呼んでいる。ゼロをオーと置き換えている。
[編集] 変遷表
- 1983年01月 D02W・D03W:シャリオシリーズ発売
- 1983年07月 D03Wにターボ車追加発売
- 1984年05月 D02W・D03W:マイナーチェンジ('85M)
- 1984年05月 D03Wはターボ車のみとし、D05W・D08W(4WD/パートタイム)の発売
- 1984年09月 D09W:ディーゼルターボの発売
- 1984年10月 D08W:ロスアンデススキー仕様発売(限定)
- 1985年09月 D02W・D03W・D05W・D08W・D09W:マイナーチェンジ('86M)
- 1985年10月 D08W:ロスアンデススキー仕様発売(限定)
- 1986年04月 D08W:ビーチボーイ仕様発売(限定)
- 1986年08月 D02W・D03W:生産終了
- 1986年09月 D05W・D08W・D09W:マイナーチェンジ('87M)/全車ドアミラー化& サイクロンエンジン搭載
- 1987年08月 D05W・D08W・D09W:マイナーチェンジ('88M)/大型バンパーのデザイン変更
- 1987年08月 D08W:MPI搭載車発売
- 1988年10月 D05W・D08W・D09W:マイナーチェンジ('89M)/フロントグリルの統一化
- 1988年10月 D05W:サンクスの発売
- 1988年10月 D08W:フルタイム4WDの発売
- 1988年10月 D08W:ロスアンデススキー仕様発売(限定)
- 1989年08月 D05W・D08W・D09W:マイナーチェンジ('90M)
- 1989年08月 D08W:ロスアンデススキー仕様発売(限定)
- 1990年10月 D08W:ロスアンデス仕様発売
- 1991年03月 D05W・D08W・D09W:生産終了
[編集] 2代目(1991年~1997年)
- 発表日:1991年5月23日
- 型式:N30・N40系
- 駆動方式:FF・フルタイム4WD(ビスカスカップリング方式)
- エンジンバリーション
- 1991年5月~
- 2000ccガソリン(2バルブ)
- 1993年5月~
- 2000ccガソリン(4バルブ)(105ps→135ps)
- 2400ccガソリン(145ps)・2000ccディーゼルターボ(88ps)
- 1994年9月~
- 2000ccガソリン(135ps)・2400ccガソリン(145ps)
- 2000ccディーゼルターボ(インタークーラー追加)(88ps→94ps)
- 1995年5月~
- 2000ccガソリン(135ps)・2400ccガソリン(145ps)
- 2000ガソリンDOHCインタークーラーターボ(5速MT・230ps/4速AT・220ps)・2000ccディーゼルターボ(94ps)
- 1991年5月~
[編集] 特徴
- 先行して発売された、初代RVRの姉妹車でもある。
- 1994年9月にフロントバンパー内にフォグランプが入るなど外装に変更を施した後期型と言われるモデルに移行している。
- 1995年5月には4G63インタークーラーターボ(5速MT・230ps/4速AT・220ps)、4WDを搭載したリゾートランナーGTが追加され、当時「世界最速の7人乗り」や「シャリオエボリューション」とも一部では言われた。
- 1996年5月にはリゾートランナー MSやリゾートランナー MXなどリゾートランナーのノンターボシリーズも追加された。またリゾートランナーGTは、メーターパネルがホワイトアウトに変更され、3列目シートを廃したリゾートランナーGT-Vも登場。全車キーレスエントリーが別体式から一体式への変更も行われた。
- 1997年2月、安全装備(エアバッグとABS)を標準装備したリゾートランナーMXフィエロと2.0MXフィエロが追加された。
- トランスミッションは基本的に5速MTとフロア4速AT(2400ccガソリンはフロア4速ATのみ)が用意されていた。
- ルーフバリエーションも1993年5月に当時の1BOXで流行していた全面ガラス張りのクリスタルライトルーフ仕様も追加された。
- 特別仕様車に「ロスアンデス」(冬季用のウインタースペシャル)や「ロード」(初代RVRスポーツギア用のガードバー、背面タイヤ、リアバンパー、オーバーフェンダーを追加した3ナンバーモデル)なども存在する。
- 北海道池田町にあるタクシー会社・ワインタクシーでは過去にはタクシーとして使用していた模様。
- テレビ朝日のマラソン移動中継車にシャリオを改造した車両が使われている(2006年現在も使用中)。
- 後期型のCMキャラクターはケンケンだった。
- 韓国の現代自動車のグループ企業である現代精工でもライセンス生産され、「サンタモ」の名称で発売されていた(初代RVRやシャリオの特別仕様車と同様の背面タイヤを装備していた)。他にも起亜自動車の「カースター/ジョイス」のベース車両にもなっている。
[編集] 3代目(シャリオ・グランディス:1997年~2003年)
[編集] 特徴
- シャリオシリーズ初の3ナンバー
- 当時は珍しいインパネシフトを採用
- 前期型のCMキャラクターはタレントの飯島直子とモデルの木村東吉(飯島は前年、ホンダ・トゥデイのCMキャラクターを務めていた)。飯島と木村は夫婦という設定で、飯島が木村に「とうちゃんカッコイイ!」と言うコピーが印象的であった(「東ちゃん」と「父ちゃん」に因んでいるらしい)。しかし、後にトヨタ・ガイアのCMでこのコピーを皮肉って「パパはいらないわ」と比較広告をされてしまった。CMソングはサラ・ヴォーンの「ラヴァーズ・コンチェルト」(この曲は過去にホンダ・コンチェルトのCMソングにも使われている)。
- 1998年3月にはおよそ1万1000台の売り上げを記録。
- 現在でも台湾の中華汽車が『サブリン』、中国の東南汽車が『ソベラン』の名で販売している。
[編集] 4代目(グランディス:2003年~)
2003年5月にフルモデルチェンジ。「シャリオ」の名前が消滅した。 グランディスを参照。