三弦橋
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三弦橋は、北海道夕張市のシューパロ湖に架かる旧森林鉄道の鉄橋である。1962年・(昭和37年)完成の大夕張ダム建設により、それまでの下夕張森林鉄道線夕張岳線(在来線)の一部が水没することとなり、その移設補償工事として北海道開発局により建設された。正式名称「第1号橋梁」といい、1958年(昭和33年)に完成した単線鉄道橋(軌間762mm)である。夕張岳線ではこの補償工事で6つの橋梁が架設されたが、三弦橋はシューパロ湖の湖尻を横断するため、その中で最大規模のものである。下路トラス橋であるが上弦材が1本、下弦材が2本、断面が三角形で、四角錘を連ねた特異な構造を採用した理由としては、鋼重・建設費用の低減と周囲の景観を損ねない美しいスタイルを、という配慮からと言われ、この特徴的な構造と鋼重450t・381.80m(最大支間77m、7連)という長大な長さは全国の森林鉄道でも他に例がない。秀峰「夕張岳」を配し、人造湖「シューパロ湖」の湖面を低く横切るその美しい外観は付近の旧南大夕張駅の観光スタンプや、地元郵便局の風景印にも使用され、地域の象徴的存在である。しかし、林道の整備が進み木材輸送が森林鉄道からトラック輸送に替わり、1963年(昭和38年)には夕張岳線が廃止となり、完成からわずか6年間しか供用されなかった。現在大夕張ダム下流に建設中の夕張シューパロダムが完成すると水没する運命にある。上部構造製作・架設は株式会社東京鐵骨橋梁製作所(現社名・株式会社東京鐵骨橋梁)、下部工は大成建設株式会社の施工による。
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