ロープ
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ロープとは縄(なわ)のこと。ザイルともいう。
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[編集] 種類
- 「クレモナ」はクラレが生産するビニロンとポリエステルの混紡糸の商標。
- ポリプロピレンロープ(PPロープ)
- マニラロープ
- 牽引ロープ
[編集] 登山
岩登りや雪山での、墜落・滑落防止のための確保、懸垂下降、荷揚げ、救助、固定ロープ(フィックス)やチロリアンブリッジなどのルート作りに使われる。ロープ単体だけでなく、登攀具と組み合わせる事で、目的の機能を構築できる。登攀用ロープは、直径11mm程度のシングルロープ、9mm程度のダブルロープ、8mm程度のツインロープの 3 種類のUIAA規格がある。長さは通常 40m ~ 55m の範囲である。これらのロープは墜落時のショックを軽減するよう適度な伸びを持ち、ダイナミックロープと呼ばれる。一方、荷揚げやユマーリング、固定ロープに用いられるロープは伸びがなく、スタティックロープと呼ばれる。
- フリークライミングでは、シングルロープが良く使われる。
- アルパインクライミングでは ダブルロープが使われることが多いが、シングル、ツイン共に使用されることがある。
- ショックが少ない条件であれば、雪山や沢登りなどの補助ロープとして ø8 mm、長さ 20 m ~ 30 m 程度のものを使用する。
- その他
- 鋭利な岩角で切断されやすいので、このような場合はタオルを挟むなどする。
- 内部は伸びられるよう、非常に細い繊維の束となっている。長時間の紫外線、アイゼンでの踏みつけ、靴での踏みつけによる土(微細な結晶)の侵入により、細い繊維が切れやすくなるので注意する。
- 濡れて凍らないよう、防水式のものもある。
[編集] 船舶
船舶を係留する際に用いる。始めは細い紐を船から岸壁に投げ渡し、だんだん太いロープに変えていく。
[編集] 運送
[編集] 奇術
ロープは奇術において道具として用いられることがある。代表的な現象としては
- 切ったロープが復活する
- ロープの色が変わる
- ロープの長さが変わる
- ロープの本数が増減する
- 結び目の出現・消失・移動
- 指、手、体などをロープが通過する
- 演者がロープで縛られた状態から脱出する
といったものがある。
[編集] 結び方
ロープワークを参照。
[編集] 縛り
縄は人を縛るためにも使われる。古くは捕縄術が発達し、現在では緊縛はSMの必須プレイとなっている。
[編集] プログラミング
プログラミングの世界では、文字列やデータ列をストリング(糸)と呼ぶ。ここから、単なる文字列よりも高機能なクラスなどをロープと呼ぶことがある。縄は糸の発展形だからという一種のジョーク。
[編集] 日本文化の中の縄
日本では古くから道具として縄が使われた。縄を結うという行為は、材料の藁、すなわち自 然界の産物を治めて道具に変えるという神聖なものとして、自然界を治める行為 の象徴とされた。日本では人間の力の及ばない「神(八百万の神)」を治め、そ の力を治める象徴として縄が用いられた。古くは日本書紀にもそのような記 述がある。(注連縄の項参照)
相撲の世界で横綱が誕生したときに部屋の者全員で横綱の綱を結うのは「神」とされる横綱の力を治めるためであり、日本の神社で神として祭られているものに縄が巻かれていたりするのはそのためである。