ポリエチレン
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ポリエチレン(Polyethylene)は数千以上のエチレン単位が結合することによってつくられる、非常に長い鎖のアルカン分子の総称。リサイクル識別表示マーク(SPIコード)は高密度ポリエチレン(HDPE)が2、低密度ポリエチレン(LDPE)が4である。
アメリカでは、年間およそ1000万トンのポリエチレンが製造されている。 このエチレンは、ポリマー(重合体、高分子)である。 軟化点は低いが、化学的に安定で耐薬品性にすぐれ(塗装が困難である)(水、酸、アルカリ、溶剤などによく耐えるが高温の炭化水素及び塩素化合物に溶解する)、耐衝撃性・耐寒性・耐水性・耐電性にすぐれ、電気的特性(絶縁性)も良好(静電気を帯びやすい)。結晶化速度が速くて制御しにくいため、製品は通常半透明である。
[編集] 分類
基本的には[-CH2-]のくり返しであるが、重合法の違いにより分枝が出来て密度が下がる。また、平均分子量にも違いがある、いくつかに分類される。
- 高密度ポリエチレン(HDPE,High Density Polyethylene)
- 比重 0.92~0.96
- 軟化点(溶け出す温度)130℃以下
- 低密度ポリエチレン(LDPE,Low Density Polyethylene)
- 比重 0.91~0.92
- 軟化点(溶け出す温度)100℃以下
- 超低密度ポリエチレン(VLDPE)
- 比重 <0.9
- 超超低密度ポリエチレン(ULDPE)
- 比重 0.88
- 直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE,Lenear Low density Polyethylene)
- 比重 <0.94
- 超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)
[編集] 製造法
エチレン[CH2=CH2]を低圧条件(1~6気圧)でチーグラー・ナッタ触媒存在下、あるいは中圧条件(30~40気圧)で酸化クロム系触媒存在下で重合させるとHDPEに、1,000気圧以上の高圧条件で重合させると分枝が増えてLDPEとなる。
[編集] 関連項目
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