リボ核酸
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リボ核酸 (ribonucleic acid、RNA)とは、リボースを糖成分とする核酸である。
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[編集] RNAの構造
RNAはリボース、リン酸、塩基から構成される。基本的には塩基はアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、ウラシル(U)のいずれかであり、ヌクレオチドがホスホジエステル結合でつながった一本鎖の形で存在するが、例外も存在する。
RNAポリメラーゼによりDNAを鋳型にして合成されるが、DNAのA,C,G,TにそれぞれRNAのU,G,C,Aが結合して鎖が伸長する。
[編集] RNAの種類
生体内に存在する物は主にrRNA、tRNA、mRNAに大別され、最も大量に存在するrRNAは全体の8割程度、次に多いtRNAは10数%、mRNAは数%とされる。他にsnRNA、snoRNA、gRNA、miRNAなどがある。生体内ではRNAポリメラーゼによって合成される。これらの小分子の中にはRNAiとして働くものもある。
RNAには酵素活性を持つものがあり、それらはリボザイム (ribozyme = ribose + enzyme)と呼ばれている。このこととRNAがDNAと比較して無生物的に合成されやすいことなどから、最初の生物は遺伝情報の貯蔵媒体としてRNAを使用し、後にDNAが用いられるようになったとする説がある。ただし、現在、ゲノムとしてRNAを保持しているのはRNAウイルスのみである。
[編集] RNAの材料
ヌクレオチド及びその結合体であるポリヌクレオチド、DNA、RNAは生物を原料とするほとんどの食品に微量含まれている。これを摂取すると、体内でいったんヌクレオチドに分解されて、RNA、DNAを合成する材料となる。核酸摂取と核酸合成との関係は未だ未解明な点が多く今後の研究が待たれる。
工業的に効率的に分離するための原料としてビール酵母などの酵母が利用されている。
[編集] RNAの利用
健康食品として錠剤や粉末のものが市販されているが、効果のほどは不明である。
母乳にはウリジル酸などの各種ヌクレオチドとRNA、DNAが含まれ、乳児の免疫調節や記憶力の向上に役立っていると考えられており、市販の乳児用粉ミルクの多くにヌクレオチドの形で添加されているが、こちらも効果のほどは不明である。最近ではRNAの形で添加する例もあり、総称して核酸関連物質と表示されている場合がある。
[編集] 関連項目
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