ライオン・キング
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『ライオン・キング』 (The Lion King) は、1994年に公開されたディズニーによる長編アニメーション映画。
32番目のディズニーアニメーション作品。上映時間87分。
公開当時、7億8300万ドルという、アニメ映画としては過去最高の興行成績をあげた。 現在は、シュレック2、ファインディング・ニモに続いて第3位(最高興行収入映画の一覧参照)。
ストーリーについて製作者達は、シェイクスピアのハムレット、聖書のヨセフとモーゼの物語、1942年のディズニーアニメ『バンビ』から影響を受けた(もしくは、題材とした)と語っている。
続編に『ライオン・キング2/シンバズ・プライド』(1998,The Lion King2:Simba's Pride)、『ライオン・キング3/ハクナ・マタタ』(2004,The Lion King 1 1/2)がある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] ストーリー
動物たちの王国、プライド・ランド。その王として尊敬を集めるライオンのムファサは、息子のシンバに、自然界を支配するバランス(Circle of life)について、また王としての心構えについて教えようとするが、子供であるシンバは友達のナラと遊んでばかりいた。そんな中、シンバが王になる事を望まないムファサの弟のスカーは、ムファサ親子を亡き者にしようと画策し、ムファサは殺され、シンバにムファサが自分のせいで死んだと思い込ませ、王国から追放する。
父親を失った悲しみと、故郷を追われ、トンネルのような暗い闇に閉ざされた絶望に支配されていたシンバは、ミーアキャットとイボイノシシのコンビ、ティモンとプンバァの2匹と出会い仲良くなり、成長していく。そしてハクナ・マタタと二匹との暮らしを経て、シンバはすべてを失った空しさから救われる。そんなある日、成長したナラと再会したシンバは、暴君となっているスカーにより王国が大変な事になっている事を聞かされ、自分に与えられた役目の責任を果たす事を決意。王国に戻ってスカーと手下のハイエナたちを倒し、平和になった王国を統治する。
[編集] キャラクター
- シンバ
- 主人公。プライド・ランドの王であるムファサとサラビの息子。幼い頃はやんちゃで好奇心が強く、王様になる日を夢見ていた。しかし、王位を狙う叔父スカーの策略によって父親を殺され、自らも王国を追い出される。乾燥地で倒れているところをティモン、プンバァに助けられ、「ハクナ・マタタ」(悩まずに生きることの意味。)を教えられた後、長く一緒に暮らした。帰郷後は幼馴染のナラと結婚し、キアラという娘が出来る。父親を尊敬しており、自分が王位についた後もしばらくは父親の定めた法を絶対としていた。なお「シンバ」はスワヒリ語で「ライオン」の意味である。
- ムファサ
- プライド・ランドの王であり、シンバの父親。一人息子のシンバを可愛がっていた。周囲から尊敬される王であったが、シンバの誕生によって弟のスカーから恨まれることとなり、弟の手によって殺される。
- サラビ
- ムファサの妻で、シンバの母親。ムファサ亡き後も、ムファサを慕い、スカーに従うことはなかった。
- ザズ
- プライド・ランドの王に仕える執事のサイチョウ。幼少期のシンバ、ナラの面倒をみることもあり、そのやんちゃぶりには手を焼いていた。
- スカー
- ムファサの弟で、陰険なライオン。ムファサの王位跡継ぎだったが、王子シンバが生まれてしまったため、シンバを殺そうと試みるが、歴史に残る悪巧みを企て、ハイエナと手を組み、ムファサとシンバを殺そうと考える。ムファサを作戦通り殺すが、手下のミスでシンバを殺し損ね、結局敗れる。ジラと結婚し、ヌカとビタニという子を授かる。しかし、ヌカがドジなため、跡取りを仲間ライオンの子コブを指名する。
- ナラ
- シンバの幼馴染であるメスライオン。気が強く、シンバと喧嘩をしても勝つほど。プライド・ランドの危機には、群れを離れ単身で助けを求めにきた。後にシンバと結婚し、一人娘のキアラをもうける。
- プンバァ
- イボイノシシ。ある日ティモンと出会い、それから行動を共にするようになる。砂漠で倒れていたシンバを見つけ、助けようとした。気が優しい。ティモンより頭の回転がやや鈍い。体臭やおならの臭いが酷く、そのせいで友達がいなかった。
- ティモン
- ミーアキャットだが、穴を掘る毎日にうんざりし、群れを離れた。その後一人彷徨い歩いているところでプンバァと出会う。シンバの子育ての時にはザズー同様、やんちゃぶりに手を焼いた。その苦労をティモンは、「子育て地獄」と称した。口は悪いが気は小さく、面倒見がいい。だが金や権力には弱い。またとても頭の回転が速く、いろんなところで作戦を思いつく。(ライオンキング3で、二匹でハイエナ達をシンバから引き離して、母親と叔父がトンネルを何本も掘った落とし穴へ誘い込んだのが一例。)母親と叔父がいる。また、プンバァの言った言葉を真似する癖がある。母親曰く、「何でも文字通り受け取る性格」が影響しているからである。
- ラフィキ
- 年老いたヒヒ。呪術師であり、王子誕生の儀式では欠かせない存在となっている。自分を見失って悩んでいたシンバを導いた。また、ティモンにハクナ・マタタを教えた人物である。
- キアラ
- シンバの娘で、ある日、アウトランドでコブというオスライオンに会い、友達になる。しかし、プライド・ランドのライオンと、アウトランドのライオンは犬猿の仲だったため引き離される。大人になってから再会し、コブと恋に落ちる。
[編集] 挿入歌
- "Circle of Life" (サークル・オブ・ライフ)
- "I Just Can't Wait to Be King" (王様になるのが待ちきれない)
- "Be Prepared" (準備をしておけ)
- "Hakuna Matata" (ハクナ・マタタ)
- "Can You Feel the Love Tonight" (愛を感じて)
- "Morning Report" (朝の報告)
- オリジナル版の映画にはなく、ブロードウェイ・ミュージカルのために作られ、2003年にホーム・ビデオ用に再リリースされたスペシャル・エディションにも追加された。
- 尚、収録時には映画の公開から数年が経っていたため、当時幼年期のシンバを演じていたキャストは既に声変わりしており、このシーンのみ代役がたてられた。(続編の『ライオン・キング3/ハクナ・マタタ』も同様)
[編集] トリビア
- ライオンキング2でコブがアラジンのアラジンとジャファーの対決時のジーニーの真似をしている。
- 挿入歌"Hakuna Matata"(ハクナ・マタタ)では、プンバァがハクナ・マタタ精神に目覚めるまでの経緯が語られているが、制作段階ではティモンのミーアキャットの群れでの生活や、群れを離れるまでの経緯を描いた"ティモン・バージョン"が用意されていた。
[編集] キャスト
- シンバ - ジョナサン・テイラー・トーマス(幼年期)、マシュー・ブロデリック(成年期)
- ムファサ - ジェームズ・アール・ジョーンズ
- サラビ - ラス・エドモンズ
- ザズ - ローワン・アトキンソン
- スカー - ジェレミー・アイアンズ
- ナラ - ニキータ・カラム(幼年期)、モイラ・ケリー(成年期)
- プンバァ - アーニー・サベラ
- ティモン - ネイサン・レイン
- ラフィキ - ロバート・ジローム
- シェンジ - ウーピー・ゴールドバーグ
- バンザイ - チーチ・マリン
- エド - ジム・カミングス
[編集] 日本語吹き替え版
- シンバ - 中崎達也(幼年期)、宮本充(成年期)
- ムファサ - 大和田伸也
- サラビ - 北浜晴子
- ザズ - 梅津秀行
- スカー - 壤晴彦
- ナラ - 山本純子(幼年期)、華村りこ(成年期)
- プンバァ - 小林アトム、
- ティモン - 三ツ矢雄二
- ラフィキ - 槐柳二
- シェンジ - 片岡富枝
- バンザイ - 樋浦勉
[編集] スタッフ
- 監督:ロジャー・アレーズ、ロブ・ミンコフ
- 製作:ドン・ハーン
- 脚本:ジョナサン・ロバーツ、アイリーン・メッキ
- 音楽:ハンス・ジマー
- 主題曲:『愛を感じて』(Can You Feel the Love Tonight)(歌・作曲:エルトン・ジョン、作詞:ティム・ライス)
[編集] 功績
- 1994年 アカデミー賞 作曲賞
- 1994年 アカデミー賞 主題歌賞
- 1994年 LA批評家協会賞 アニメーション賞
- 1994年 ゴールデングローブ賞 作品賞(ミュージカル・コメディ部門)
- 1994年 ゴールデングローブ賞 音楽賞
- 1994年 ゴールデングローブ賞 歌曲賞
[編集] 盗作騒動
発表された当時、手塚治虫による1960年代のアニメーションシリーズ『ジャングル大帝』とプロット・キャラクターが酷似していることから、ディズニーによる盗作ではないかという議論がなされた。全米でもニュースで話題になり、非難活動の運動まで起きたが、製作者の多くは盗作について否定している。しかし、手塚サイドが、手塚治虫自身がディズニーのファンであり、もし故人が生きていたら「手塚治虫がディズニーに影響を与えたというのなら光栄だ」と語っただろうと言うことで不問としたため、騒ぎは収束した。
ディズニーによる盗作問題は『アトランティス 失われた帝国』でもおきている。
[編集] ミュージカル
ディズニー自らミュージカルとして公演。 1997年11月13日、ニューヨークのニューアムステルダム劇場にて初演された。 演出を担当した女性芸術家のジュリー・テイモアは、影絵や文楽など、アジアの伝統芸能を取り入れ、またパペットやマスクを駆使した舞台美術を生み出した。1998年のトニー賞では、最優秀演出賞、最優秀衣裳デザイン賞を受賞。 ニューアムステルダム劇場での公演は2006年6月4日まで続き、同月13日からはミンスコフ劇場に場所を変えて続演中。
日本では劇団四季が1998年から東京都港区の劇団四季専用劇場「JR東日本アートセンター四季劇場[春]」などで上演をしており、連続8年目という前人未到のロングランを樹立している。 他にも上演地は、ドイツやオランダなど8ヶ国12都市(閉幕した公演地も含む)に広がっている。近年では、劇団四季が韓国での上演が話題となった。
[編集] ミュージカルにおける逸話
- ミュージカル版ライオンキングは大掛かりな舞台装置を使うことでも有名で、その最たるものに高さ4メートルを誇る「プライドロック」がある。
ミュージカルでは螺旋状で、そりたつような造りになっている、王国を象徴する巨大な岩であり、王位や王の権力を示す目的でも使われ、映画でもミュージカルでも観る者の目に非常に強い印象を残す。
奈落から迫り出して使うため、当然、奈落収納時は深さ4メートルの奈落が必要になるが、ニューヨーク初演で使用されたニューアムステルダム劇場の奈落にはプライドロックを収納するに足るだけの十分な深さがなかった。そのため、プライドロックを三段に畳んで収納することにした。 しかし、たたみ目が段になっているのが外見で分かってしまう為、美術面の点で制作スタッフには不満が残った。
世界で2番目の公演地となった東京、四季劇場[春]での公演では、奈落にプライドロックを収納できる十分な高さを確保できたため、本来考えられていた姿形そのままのプライドロックが製作された。それを見たディズニーの制作スタッフは「これが我々の求めたプライドロックだ」と喜んだという。
また、こういった舞台装置を使うために、ライオンキングを公演する際には劇場の舞台の床の構造や骨組みを一度取り払わねばならない。 しかしこのような贅沢な工事が行える劇場は限られており、また費用の面でもツアー公演を行うには大きな課題があった。 ツアー公演の需要が高いアメリカでこれを実現させるため、福岡での(ビルの中にある)福岡シティ劇場公演では、盆やせりを使わず、プライドロックを小さくして舞台袖から出し入れするなど、大掛かりな工事を伴わない「リニューアル版(ツアー版)」での上演が試みられた。 このツアー版公演の成功によって、アメリカでは2002年に「ガゼルツアー」、翌03年には「チーターツアー」という二つのツアーカンパニーが結成され、全米ツアー公演が実現した。
基本的に、劇場が本来の演出で上演を行えない構造の場合にのみツアー版で上演されるようで、福岡公演閉幕後の名古屋公演(新名古屋ミュージカル劇場、本来の舞台装置を設置できるだけの舞台機構を有していた)では、オリジナル版での上演が行われた。
- 以前、とある番組内でミュージカル版ライオン・キングでスカーを演じていた劇団四季(当時)の俳優が「スカーの左目の傷は幼い頃ムファサにつけられたもの」と語ったことがある。この設定がディズニーによる公式なものなのかは定かではないが、俳優という立場の人間による公の場での発言という点を考慮すれば、信憑性は高いといえる。しかし、アニメ映画でも同様の設定なのかどうかは不明。
[編集] 功績
- 1998年 グラミー賞 最優秀キャストアルバム賞
- 1998年 グラミー賞 最優秀ミュージカル賞
- 1998年 NY演劇批評家賞 最優秀ミュージカル賞
[編集] 歴史
劇団四季
- 1998年5月15日 「ライオンキング」日本版製作発表
- 1998年12月20日 東京公演開幕(四季劇場[春] こけら落し公演)
- 1999年4月18日 大阪公演開幕(大阪MBS劇場 こけら落し公演)
- 2000年4月14日 総入場者数100万人突破
- 2000年9月20日 岡村隆史(ナインティナイン)が「めちゃイケ」の企画で東京公演に出演
- 2001年1月14日 大阪公演千秋楽(公演期間21ヶ月、公演回数673回、入場者数約67万人)
- 2001年4月1日 東京公演入場者数100万人突破(日本最短記録)
- 2001年4月17日 福岡公演開幕(福岡シティ劇場)
- 2001年8月18日 東京公演通算公演回数1000回達成(日本最短記録)
- 2003年3月23日 福岡公演千秋楽(公演期間24ヶ月、公演回数700回、入場者数約70万人)
- 2003年5月10日 通算公演回数3000回達成(日本最短記録)
- 2003年6月8日 名古屋公演開幕(新名古屋ミュージカル劇場)
- 2003年8月21日 東京公演入場者数200万人突破(日本最短記録)
- 2004年10月23日 通算公演回数4000回達成(日本最短記録)
- 2006年1月9日 名古屋公演千秋楽(公演期間31ヶ月、公演回数930回、入場者数約85万人)
- 2006年6月7日 「ライオンキング」ソウル公演製作発表
- 2006年7月30日 通算公演回数5000回達成(日本最短記録)
- 2006年10月28日 「ライオンキング」ソウル公演開幕
[編集] その他
- ミーアキャットのティモンとイボイノシシのプンバアを主人公にした『ライオンキングのティモンとプンバァ』が『ディズニー・チャンネル』と『トゥーン・ディズニー』に放送されている。また、『ティモンとプンバァ』シリーズのDVDが3本発売されている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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