ユージン・スミス

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ユージン・スミス（William Eugene Smith, 1918年 12月30日 - 1978年 10月15日）は、アメリカの写真家。カンザス州ウィチタ生まれ。母方の祖母が、アメリカ原住民のポタワトミ族でインディアンの血筋もひく。「ライフ」誌を中心に活躍した。

太平洋戦争に従軍、沖縄戦で砲弾により負傷、生涯その後遺症に悩まされる。戦後、人間の生き方、その生活の表情に惹かれ、フォト・エッセイというシリーズでそれに取り組む。『カントリー・ドクター』『助産婦モード・カレン』『無菌状態の生命』『スペインの村』『仕事中のチャップリン』『慈悲のひとシュヴァイツァー』などが有名。

1961年日立のPR写真撮影のため来日。日本に対する関心が深まり、その後水俣のチッソの水銀汚染問題で胎児性水俣病の患者たちを撮り続け、世界に水俣病の悲劇を知らせた。1972年1月、チッソ五井工場を訪問した際に暴力団による暴行を受け、片目失明の重症を負う。帰国後、1978年にアメリカ、アリゾナ州のツーソンで脳出血により逝去。

彼は、父親が破産、散弾銃で自殺したこともあって、早い時期から人の命や医療、ケアに強い関心を持ち続けた。

[編集] スミスによる著名な写真

第二次大戦の戦場サイパンで米軍兵士により発見された傷ついた幼児の写真（1944年）
硫黄島で日本兵の塹壕を一掃する海兵隊（1945年）
スペイン市民戦争の兵士（1950年）
悲嘆にくれるスペインの女性（1950年）
アルバート・シュヴァイツァー（1954年）
ハイチの気のふれた女性（1958年）
水俣の水銀中毒で四肢の変形した娘を風呂に入れてやっている母親（1971年）

[編集] ユージン・スミス賞

彼の死後、ユージン・スミス・メモリアル基金（W. Eugene Smith Memorial Fund）によりユージン・スミス賞（W. Eugene Smith Grant in Humanistic Photography）が設けられている。その英文の名前の通り、人間性や社会性を重視した写真作品が対象であり、いわゆる報道写真に限られるものではない。主たる受賞者は、セバスチャン・サルガドなどであるが、今のところ日本人による受賞者はいない。