ヤマハ・V-MAX
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YAMAHA V-MAX(ヤマハ・ブイマックス)とは、1985年にヤマハ発動機から海外へ輸出が開始された大型自動二輪車の1つ。一時期、日本国内でも販売されていた。
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[編集] 概要
正式名称はVmaxである。アメリカではVmax12の名称で販売された。 車体種別はネイキッドタイプともアメリカンタイプともとれない独特なもの。搭載されるエンジンは水冷4ストロークV型4気筒1,200cc。0mphからの発進加速での速さを競い合うドラッグレース、アメリカンなモータースポーツに参加する競技車両を彷彿させるデザインが、独特の魅力を醸し出す。発表当時、その加速力はポルシェをも凌ぐと言われ、0〜1/4マイルまでの到達時間は10秒を切る実力を誇った。発売からすでに21年経ったものの、日本の大型オートバイ市場の中でも根強い人気を保っている。また、燃料タンク(本物はシートの下)やエアダクトはダミーという、奇抜なデザインも人気になった。
[編集] Vブーストシステム
この車両最大の特徴は、Vブーストシステムと呼ばれる装置を搭載していたことであった。エンジンの回転数が6,000回転を超えた辺りからキャブレター内部のバタフライバルブが開き始めて8,500回転で全開となり、1気筒当たりツインキャブ(2つのキャブレターが連結された状態)に変化し、多量の混合気をシリンダー内に積極導入する仕組みである。実際、6,500回転あたりから豹変する強烈な吹け上がりは、当時の量産市販車世界最大の出力であった145psを実感させるに十分なものであった。但し、後に発売された国内仕様の車体には、馬力規制の関係上、採用は見送られた。しかしながら、国内仕様に後付でVブーストを搭載するキットや、フルタイムVブーストシステムなど、Vブーストに関係のパーツが販売されており、国内仕様を海外仕様以上に仕上げることも可能であった。
[編集] 主要諸元
[編集] 寸法・重量
- 全長 - 2,300mm
- 全幅 - 785mm
- 前高 - 1,175mm
- 軸間距離 - 1,590mm
- シート高 - 765mm
- 乾燥重量 - 264kg
- 燃料タンク容量 - 15リットル
- タイヤサイズ - 前:110/90-18 61V TL、後:150/90-15 74V TL
[編集] エンジン・走行性能
- エンジン種類 - 水冷DOHC4バルブ
- 気筒配置 - V型4気筒
- 総排気量 - 1,197cc
- 点火方式 - フルトランジスタ
- 使用燃料 - 無鉛ガソリン
- 最高出力 - 145PS/9,000rpm ⇒140PS ⇒135PS
- 最大トルク - 12.4kg-m/7,500rpm
- 変速機形式 - 常時噛合式5速リターン
- ブレーキ形式 - 前:油圧式ダブルディスク、後:油圧式シングルディスク
[編集] 逸話
V-MAXを作る際、本国(日本)のエンジニアが、アメリカ合衆国側に「作るにあたってどの程度の出力を目安にすれば良いか?」と言う質問に対しアメリカ側は「出せるだけ」と即答したという事は有名な話。
[編集] 映像作品
特撮番組の主人公のオートバイとして使用されている。
[編集] 関連項目
- オートバイ
- JJ濱田
- ブローンディ・ユナイテッド