ブレーズ・パスカル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブレーズ・パスカル(Blaise Pascal、1623年6月19日 - 1662年8月19日)は、フランスの哲学者、数学者、物理学者。ポール・ロワイヤル学派に属し、ジャンセニスムを代表する著作家の一人である。「人間は考える葦である」という『パンセ』の中の言葉で知られる。
幼少の頃から天才ぶりを発揮している。まだ十代でもない頃、幾何に関する定理を自力で証明した。17歳のとき、徴税官である父の仕事を楽にするために、機械式計算機の製作を試み、2年後に完成させた。後世からは、もし哲学や神学に心身を捧げていなかったら、最大級の数学者となっていたであろう、と見なされる。
神(アブラハム・イサクにとっての)との主体的な出会いを重んじ、デカルトによる「哲学者・数学者の神」を認めなかった。有名な「人間は考える葦である」とは、人間は自然の中では矮小な生き物にすぎないが、考えることによって宇宙を超える、というパスカルの哲学者としての宣言を表している。それは人間に無限の可能性を認めると同時に、一方では無限の中の消えゆく小粒子である人間の有限性をも受け入れている。パスカルにとって人間とは天使でも悪魔でもない。単に人間を「理性的な動物」と解することはできない。
1662年、世界で初めて公共交通機関としての乗合馬車をパリで創業した。 定時低価格の運行で好評を得るも、パスカル自身は創業後6ヶ月で死亡した。
[編集] 業績
[編集] 著書
- 『パンセ』(1670年)「パンセ」はフランス語で「瞑想録」の意味。死後、遺稿が整理されて出版されたものである。「人間は考える葦である」「クレオパトラの鼻、それがもう少し低かったら、大地の全表面は変わっていたであろう」など、後世に伝えられる引用句が多い。
- 『円錐曲線論試論』(1640年)
- 『プロヴァンシャル書簡』 ジャンセニスムがイエズス会から批判されたとき、匿名でジャンセニスムを擁護した。
[編集] 関連項目