フランケンシュタイン対地底怪獣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『フランケンシュタイン対地底怪獣』(フランケンシュタインたいバラゴン)は1965年(昭和40年)の東宝とベネディクト・プロによる初めての日米合作怪獣映画である。
目次 |
[編集] 概要
内容は、フランケンシュタイン(本来はフランケンシュタインの創造物(怪物))が怪獣のバラゴンと闘うというものである。当初、アメリカのキングコングとフランケンシュタイン博士の創造した巨大モンスターが闘う映画企画を東宝が取得し、フランケンの要素が『フランケンシュタイン対ガス人間』(『ガス人間第一号』の続編企画)や『フランケンシュタイン対ゴジラ』ヘと企画は二転三転し、シナリオのゴジラの出番が新怪獣バラゴンへ変更される形でこの映画に結実した。
なお、本作はアメリカのベネディクト・プロとの合作である為、最初からの海外での上映が予定され、海外の上映時間の規定を満たす為、アパートで季子に別れを告げるフランケンシュタインの場面が追加撮影された。
また、この作品には2種類の結末があり、その最大の違いは大蛸が出現する場面が追加された事である。海外版の為に撮り直されたという説がファンの間で浸透しているが、東宝発売のDVD付属の解説書によれば、海外公開版もオリジナルの結末であり、日本のテレビで放映されたものが別版の初公開である。この結末は特撮だけでなく、人物が描かれる本編も撮り直されている。ビデオ発売などでは撮り直されたバージョンが使用され、オリジナルの結末の方が幻の存在となりつつあったが、現在ではDVDにて両方のバージョンが視聴できる。 なお、フランケンシュタインは着ぐるみを使用せずに古畑弘二、中尾純夫にメイクを施して演じている。
『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』は姉妹編に当たる(続編と見る向きもあるが、『サンダ対ガイラ』でのサンダの成長過程が本作と異なっている)。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 物語(オリジナル版)
第2次世界大戦末期、陥落寸前のドイツから日本にあるものが運ばれ、広島に移送された。永遠の生命力を持ち、それをもとに不死身の兵士を作ろうとする秘密の作戦であったが、それは原子爆弾の爆発で消滅したと思われた。それから時は流れ、1960年。広島周辺に徘徊していた謎の少年が、国際放射線医学研究所のボーエン博士(ニック・アダムス)と助手の戸川季子(水野久美)達に保護される。保護した少年は短期の内に巨人化。彼は終戦末期に日本に運ばれたもの、即ち、「フランケンシュタイン」の不死の心臓が人間の形を取ったものだったと判明。時同じくして、秋田の油田を襲った地震の最中、巨大な怪獣らしきものが目撃される。中生代の終わりに地下にもぐって大絶滅を切り抜けた恐竜バラナスドラゴン=バラゴンであった。一方、巨人化したフランケンシュタインはマスコミの横暴な撮影に暴れ病院を脱走、富士山周辺へと北上する。同じくして甲信越で起きる謎の災害に、世間はフランケンシュタインの仕業であろうとの念を持ち、自衛隊の出動などの強行策が実施された。フランケンシュタインへの疑惑を晴らそうと富士山麓の樹海に入ったボーエン博士や季子達の前にバラゴンが現われ、謎の災害はこの怪獣の仕業だったのだとわかる。あわや季子らはバラゴンの餌食かと思われた時、フランケンシュタインが立ち塞がった。死闘の末、フランケンシュタインはバラゴンの首を折って倒し、しかし地面の陥没によって地底深く吸い込まれて姿を消す。