フェノール
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フェノール | |
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IUPAC名 | Phenol |
別名 | 石炭酸 |
分子式 | C6H6O |
分子量 | 94.11 g/mol |
CAS登録番号 | [108-95-2] |
形状 | 常温で白色の固体 |
密度と相 | 1.06 g/cm3, |
相対蒸気密度 | (空気 = 1) |
融点 | 43 ℃ |
沸点 | 182 ℃ |
昇華点 | ℃ |
SMILES | OC1=CC=CC=C1 |
出典 | ICSC |
フェノール (Phenol) は、化学式 C6H5OH で表される有機化合物。和名は石炭酸(せきたんさん)。
芳香族化合物の1つで、常温では白色結晶の固体。弱い酸性を示し、カチオン種と共に塩を形成する。フェノール塩はカチオン種名と「フェノキシド」を併せて命名する(例:ナトリウムフェノキシド)。
広義には、ベンゼン環の水素原子1つをヒドロキシル基で置換した化合物全般を指すことがあり、ポリフェノールまたはフェノール類ということもある。
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[編集] 性質
水彩絵の具のような特有の臭いをもち、有毒。腐食性があり、皮膚に触れると薬傷をひきおこす。水に可溶(8.4g/100mL, 20℃)で、アルコールやエーテルには任意の割合で溶ける[1]。
芳香環の共鳴効果によって共役塩基のフェノキシドイオンが安定化されるため、同じヒドロキシル基を持つアルコール類よりも5桁以上高い酸解離定数 (pKa = 9.95) を示す[2]。
フェノールは塩化鉄(III)水溶液との反応で青~紫色になるため、検出することができる。
[編集] 生産と用途
工業的にはクメンヒドロペルオキシドの分解(クメン法)によって生産され、副産物としてアセトンを生じる。フェノールの2004年度日本国内生産量は965,578t、工業消費量は272,316tである[3]。
実験室的製法として、ベンゼンをスルホン化あるいは塩素化した、ベンゼンスルホン酸あるいはクロロベンゼンを、溶融した水酸化ナトリウム中で加熱分解するとフェノールのナトリウム塩(ナトリウムフェノキシド)が得られる。これは電子密度が低下したベンゼン環への水酸化物イオンOH-のipso型の求核置換反応である。スルホ基やクロロ基は電子求引性が大であることと、脱離基として能力が高い為にこの種の反応を引き起こしやすくしている。
フェノールはフェノール樹脂に代表されるプラスチックの他、医薬品や染料など各種化成品の原料として広く用いられている。フェノールそのものは希釈して消毒剤などに利用される。